ロシア幽霊軍艦事件 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041682081

感想・レビュー・書評

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  • 御手洗のところに、レオナから一通の手紙が届く。
    それは不思議な手紙だった。
    アメリカで活躍するレオナに、ある日本の元軍人がアメリカにいるアナ・アンダーソンという人にメッセージを伝えてほしいというものである。そしてそこから物語は始まる。

    ロシア革命で家族全員殺されたとされる、ニコライ二世の一家。その四女である、アナスタシア生存説にのっとって書かれた話である。
    創作部分が多く含まれているにもかかわらず、アナスタシア生存説を非常に説得力をもたせて説明している。

    そこに描かれるアナスタシアは、とても悲しい。
    いや、その時代のロシアがとても悲しいのだ。
    耐えきれず、何度も本を閉じてしまった。しかし、抗いがたい魅力が、そこにはある。最後まで本を読ませるだけでなく、真実を知りたくなりさまざまなアナスタシア関係の本が読みたくなる。アメリカではいまだに、一年に一冊の謎解き本が出版され続けているという。

    これまでロシア革命についてなど、名前しか知らなかったが、今後アナスタシア関連の本も注意して読んでいくことにする。

  • 好き嫌いが分かれるかも。
    私は結構好きだったが読んでて辛かった。ロシア皇室最後の姿についての描写箇所が特に。ノンフィクションと分かっていても、だ。

  • 面白かった。
    非常に歴史の勉強になったし、興味を持てた。
    ミステリー感は強くないが、レストランで彼を紹介したのはビックリした。

  • 御手洗潔シリーズ。

    これまでのシリーズ作品においても、史実に基づく挿話で大半を占めるモノがいくつかあったが、今作は完全に歴史ミステリーの謎解きに終始している。まぁ、それが嫌なわけではなく、むしろ好物な性質なので、新しい歴史的解釈にワクワクしながら読めた。しかし、どこまでが史実でどこまでが作者のフィクションなのか、絡め方が上手すぎて、逆に混乱しかねないのが困ったところ。にしても、読みごたえがあって、面白かったデス。

  • 御手洗シリーズ。文庫版で再読。
    写楽読んだときも思ったけど、島田先生の史実を織り交ぜた歴史ファンタジーみたいな話は、興味のない歴史の話でも物語として面白く読ませてくれるし、本当にこうだったら面白いなぁというロマンを感じさせてくれるから好きです。クラチュアとアナのラブストーリーもよかった。思わずほろりと来た。
    なぜあえてレオナに頼んだのか、というのはいまいち納得できなかったけど。

  • 史実をなぞらえつつ、物語が展開されており常にワクワクしながら読めました。
    世界史の知識が浅いので色々調べながら読み進め、少しロシアの歴史に詳しくなりました。

  • 御手洗シリーズ。

    箱根のホテルに飾られていた一枚の写真には
    芦ノ湖に浮かぶロシア軍艦が写っていた。

    嵐の夜に現れ忽然と消えた軍艦の不可解な謎、そして
    ロマノフの皇女アナスタシアの真実に迫る歴史ミステリ。

    ロシアの歴史を振り返る形で、深ーく考察された話は
    どこまでが史実なのか判らないほど
    説得力があり読み応えがあった。

  • 歴史の教科書には載らない部分に、本当の歴史の面白さが、あるいは人間の闇深さや美しさがあるのではないでしょうか。

  • ロマノフ王朝最後の皇帝、ニコライ2世の娘「アナスタシア」と芦ノ湖に突如出現した「幽霊軍艦」を巡る「歴史ミステリー」です。
    歴史上の謎をストーリーの中心に据えて、御手洗に対峙させるという構図は読み応えがありました。
    ただ、「幽霊軍艦」は早い段階で解決しますし、全体的に「研究論文」を読んでいるかのようだったので、ミステリー的にはやや物足りなかったです。

  •  霧の芦ノ湖に忽然と現れたロシアの巨大軍艦。いったいなぜ、どうやって? まったく島田荘司の考えそうなことだ。どう考えても荒唐無稽にしか思えない不可思議な状況を、例によって奇抜な大仕掛けで合理的に説明つけてしまう。まあ、今回はさすがにちょっと、いやかなり苦しかったけどな。絶対あり得ないとは断言できないというレベル。
     現実の事件を解決するという話ではなく、過去の歴史上の謎を解き明かすという体裁になっているので、大半がロシア帝政の崩壊とロシア革命前後の物語になっている。どこまでが史実でどこからがフィクションなのか世界史に暗いぼくには判断がつかなかったが、著者自身の後書きがついていて、ボルシェビキの処刑を逃れて行方不明になったロマノフ王朝のアナスタシア皇女がアメリカに渡って生き延びていた、というまるで源義経~ジンギスカンみたいな話の生き証人が現実にあったというからびっくり。その真贋は別として、この想像力豊かな異才はそこからこの壮大な純愛ロマンスを仕立て上げた。まあ、おとぎ話だ。おとぎ話だけど、どうしてこの作者の紡ぎ出す純愛物ってこんなにも切ないのだろう。「異邦の騎士」しかり、「摩天楼の怪人」しかり。
     「私はあの(富士)山よりも高く、バイカル湖よりも深く、あなたを愛しています。」 こんなセリフにどん引きさせないで、うんうんと思わず感情移入させてしまう筆力はさすが。単なる歴史ミステリであの無理っぽいトリックだけならせいぜい星3つなんだけど、どうもぼくは純愛物に弱いので点が甘くなってしまう(笑)。

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プロフィール

1948年、広島県生まれ。武蔵野美術大学卒。
1981年、『占星術殺人事件』でミステリー界に衝撃的なデビューを果たして以来、累計600万部に達した名探偵・御手洗潔シリーズや、刑事・吉敷竹史のシリーズを中心に数々の傑作、意欲作を発表。
2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。
「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」の立ち上げ、選考を務めるなど、新たな才能の発掘と紹介にも積極的に取り組み、名実ともに現代本格ミステリーの旗手となっている。
近著に『アルカトラズ幻想』(2012年 文藝春秋)、『星籠の海』(2013年 講談社)、『幻肢』(2014年 文藝春秋)、『新しい十五匹のネズミのフライ ジョン・H・ワトソンの冒険』(2015年 新潮社)がある。

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