帝都物語〈12 大東亜篇〉 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041690178

感想・レビュー・書評

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  • 戦争篇の続きであるが、この篇では懐かしい風水師黒田茂丸と、満映の女優出島弘子、戦争篇にも顔を見せた甘粕正彦が話を牽引する。
    今となっては想いを馳せるのも難しい満州という国、その首都新京を舞台に、地下に潜む鬼を巡ってそれぞれの思惑が交錯する。中国の魔術についての描写が面白い。
    黒田が常識的な人物な為か話の展開が受け入れやすく読みやすい。満州という今もう見ることのできない街の描写への興味や、妙に脂の乗った感じがある怪奇描写のおかげか、帝都物語最終巻であるにも関わらずこれ一巻だけでも結構面白い読物として成立している感がある。
    勿論背後で全てを掌握しているのは加藤保憲なのだが、この巻ではそういう側面より辰宮恵子に対する加藤の思いの強さの方が印象に残る。

    このシリーズを読んでいて、書かれた当時の時代の空気のようなものを思い出す。うまく言えないが、終末への憧憬みたいな、カタストロフを求めるような気分がどこかに漂っていた気がする。
    少なくともこの巻には他の巻よりも色濃くそんな雰囲気が立ち込めていて、読後に当時のことを色々と思いかえしてしまった。

  • 帝都物語〈12 大東亜篇〉 (角川文庫)

  •  新京が、人口の都市で、なので風水師のやうな、ちゃんとした街に関するデフォルトが入ってるをっさんが迷ふとか、その都市を人体にパラフレーズして、ナニとかソレとかすると言ふのは、めまいがするやうな面白さはある。
     スクリーミングおねいさん、なんかホラーものに出てくる、そこ行っちゃいかんだろ的な所へわざわざ行くやうな娘さんがなんかアレ。

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著者プロフィール

1947年東京都生まれ。博物学者、小説家、翻訳家、妖怪研究家、タレント。慶應義塾大学法学部卒業。大学卒業後は日魯漁業に入社し、コンピュータ・プログラマーとして働きながら、団精二のペンネームで英米の怪奇幻想文学の翻訳・評論活動を始める。80年代に入り『月刊小説王』(角川書店)で連載した、もてるオカルトの叡智を結集した初の小説『帝都物語』が350万部を超え、映画化もされる大ベストセラーとなった。『アラマタヒロシの妖怪にされちゃったモノ事典』(弊社)、『世界大博物図鑑』(平凡社)、『荒俣宏コレクション』(集英社)など博物学、図像学関係の本も含めて著書、共著、訳書多数。

「2021年 『アラマタヒロシの日本全国妖怪マップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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