遠き雪嶺 (下) (角川文庫)

  • 角川書店 (2005年10月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784041701034

作品紹介・あらすじ

立ちはだかる北壁、吹雪の山頂ーー。世界初のヒマラヤ登攀を目指した日本人。栄光の頂上までの壮絶な人間ドラマ。実話に基づいた山岳小説の長編傑作!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

人間の限界に挑む壮大な山岳ドラマが描かれており、登頂の瞬間には思わずホッとする感動が広がります。実話を基にしたこの物語は、ノンフィクションとフィクションの境界を曖昧にし、登攀に挑む人々の情熱や葛藤をリ...

感想・レビュー・書評

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  • (上巻の感想からの続き)
    そして通り一辺倒に立教大学山岳部が発足からヒマラヤ登攀に至るまでのストーリーを語るがために、全てが平板に語られている印象があり、物語の焦点が見えない。谷氏がこの物語でどこに重きを置いたのかが解らないのだ。

    冒頭のプロローグではヒマラヤ登攀シーンで失敗をするところが描かれている。ここからもこの物語の焦点はヒマラヤ登攀シーンなのだろう。
    しかしこれが今までの谷氏の山岳冒険小説とどう違うのかが解らなかった。むしろ作り物である諸作品の方が、もっと人間の限界ギリギリの苦闘を描いていたように思える。ドキュメンタリーだから嘘は書けないだろうが、資料のない部分は作者の想像力で補っていいはずである。そこに本作の詰めの甘さがあるように思う。

    もしこの作品が谷氏の山岳小説の第1作であったならば、立教大学山岳部の成り立ちからヒマラヤ登攀までの一連の出来事を綴ったこの内容で十分満足できただろう。
    しかし、既に何作か山岳冒険小説を出している作者が今頃になってこういう作品を著すのならば、そこにはやはり物語作家としての+αを求めるのが読者の性だし、それに応えるのが作者の力量であろう。
    きつい苦言になるが、遅きに失した作品、もしくは内容不十分の作品と云わざるを得ない。

  • 下巻もさらに面白い。ノンフィクションかフィクションか分からなくなるくらい説得力があった。

  • 【本の内容】
    <上>
    世界の屋根たるヒマラヤは東洋の盟主・日本人が征服する―。

    昭和11年、ヒマラヤ処女峰ナンダ・コート初登頂に夢を賭けた日本遠征隊。

    立教大学山岳部の堀田弥一隊長率いる総勢5名。

    だが、遠征準備は苦難に満ちた。

    資金集め、装備、ベースキャンプへの物資輸送、シェルパの雇用などすべて手探りであった。

    そして、栄光の頂上を目指し、ヒマラヤの麓へ出発…。

    日本山岳小説に燦然と輝く、渾身の超大作900枚。

    <下>
    「これを登るのか…」真正面にナンダ・コートの北壁が立ちはだかる。
    悪絶な様相をみせる北壁は背筋が冷たくなるほどの凄みがある。

    堅雪にピッケルを突き立て堀田隊長は息を呑んだ。

    苦しんでいるのは他の隊員も同じだ。

    極度の疲労、氷のように冷え切った体。

    凍傷で手足の先が切り裂かれるように痛む。

    猛吹雪、雪崩、病状の悪化、予想外の事態…。

    栄光の頂上は近い―。

    取材・構想10年、壮大な実話に基づいた日本山岳の小説の大作。

    [ 目次 ]
    <上>


    <下>


    [ POP ]
    こんなに肩に力の入った読書は久しぶりだ。

    この小説がヒマラヤ処女峰ナンダ・コート初登頂に賭けた、日本遠征隊の実話を基にした話だからだ。

    ときは昭和11年である。時代も時代だし、遠征の準備だけで想像をはるかに超える大変さだ。

    資金の調達から始まって、人選や装備を整えるのも一苦労。

    人間同士ゆえの駆け引きやしがらみによる悲喜こもごももある。

    人間も物資も資金を少しでも節約するため、はるばる船で運ぶのだ。

    現地に着いたら、今度は異国でのシェルパの雇用による混乱や困難が待つ。

    この辺りはインド文化を知る読み物としても、かなりの読み応えがあって面白い。

    しかし当然圧巻はここからだ。

    ヒマラヤの厳しさは隊員たちに容赦ない勢いで襲いかかる。

    猛吹雪、雪崩、凍傷、高山病、思わぬ事態の連続に、読んでる側もページをめくるだけなのにめまいがしてくる。

    とうとう登頂が成功して私も心底ほっとした。

    というわけで、読了後は肩ごりごり。

    疲れますが、実話だけに読み応えは十分。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 登頂できて、本当にホッとした。この頃のテントとか見てみたい。

  • 上巻の序章で隊長が言った「今日のところは、引き返す。そして再挙をはかる」の実際の場面に近づいたときには、いよいよか!って期待したけれど、そこは谷甲州。サラッといってくれたね。無謀とも思えたこの登攀計画だが、日本の冬山で培った技術は十分通用している。問題は、財力とヒマラヤでの経験だとわかる。非常に熱くなるものがこみ上げ、涙がじわり。あっさり派の谷先生で涙するとは、ピュアな山岳ストーリーまたは青春だからでしょうか。

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著者プロフィール

1951年兵庫県生まれ。青年海外協力隊などを経て作家デビュー。SF小説、冒険小説、山岳小説など広い分野で高い評価を得ている。96年「白き嶺の男」で第15回新田次郎文学賞を受賞。主な著作に「航空宇宙軍史」シリーズ、「覇者の戦塵」シリーズ、『白き嶺の男』などがある。

「2019年 『硫黄島航空戦線』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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