私の骨 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
3.26
  • (6)
  • (11)
  • (29)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 117
レビュー : 15
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041704257

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 初めて読む高橋克彦氏の短編集。

    図書館で初版本を借りて読む。

    表題にもなっている『私の骨』が一番印象に残った。
    何百年も前、何か凶事が起こると、それは物の怪や
    怨念など言葉や知識では語れない物のせいになり
    鎮めるために人柱など人間を供物にしていた。
    そんな謂れをベースにしたミステリー要素もある話で
    人の業の深さ、恨みは図りしれない。
    話の最後、数行が、本当に上手いと感心。
    引き込まれた。

    『おそれ』という話は百物語のように
    いろいろな怪談話をした後のオチが人間の心理を巧みに
    描いていて、常套手段かもしれないが面白い。

    人間の悲哀や欲深さ、狡猾さを上手く書かれていて
    この本も素晴らしい良いものを読ませていただき
    ありがとうございます。という気持ちです。

    小松左京氏も高橋克彦氏も
    書かれた年代によるものなのか
    男性の主人公がウイスキーやブランデーを
    嗜む様子がよく出てくるが、それも良い。
    缶ビールや缶チューハイでは、上っ面の恐怖感
    に捕らわれているようで、話に厚みが無くなる。

  • 勝手に歴史作家のイメージだったけど、ホラーも書くんですね。しかも、解説を見る限り、むしろそっちが本業的なのかも。で、本ホラー短編集だけど、個人的にはあまり楽しめませんでした。なんか回りくどいというか、そんな展開もあまり好きじゃなかったし、最後を除き、スーパーナチュラルが跋扈してるのも好きじゃなかった要因かも。もう作者のこの系統作品はいいかな、と。

  • 7つのホラー短編集。

    最後の話だけ、どこかで呼んだ事があります。
    人間の情を使ってる、と思うと、それはそれで
    ぞっとするものがあります。

    最初の話は、最後を知ってしまえばやるせないものが。
    親として、子供に出来る事はすべてしたいものですが
    他から…と考えると躊躇してしまいます。
    けれど、それを超えてもしてしまうのも、親の愛。
    厩、の屋号の意味が気になります。

    ぞっとしたのは6つ目の話。
    ひとりひとり、百物語のように語って行くのですが
    それだけでも怖い。
    こう話が進んでいくと、人よりも見えないものの方が
    怖いもの、として認定してしまいます。
    なのに、落ちで人の心情の方が怖くなってきました。
    知らない方がよかったのか、知った方がよかったのか。
    究極の選択、を突きつけられた気もします。

  • 面白かった。
    怖かった。

    何を間違ったんだか寝る前の一冊にしてたんだけど…ほんと、夢見悪かった。
    でも、高橋克彦好き。

  • 短編集。色んなタイプの怖い話が7つ。妖怪とか幽霊も怖いけど人間のが一番怖かった。 「座敷牢」って実際に見た事は無いけど何か怖い。その中に和服の女性が居たら怖さ倍増。この本には出てないけど「土蔵の蔵」も何か怖い。でも「土蔵の」が無かったら意外に平気。 

  • 第6話『おそれ』。死に纏わる百物語。それでは私も一席。学生時代、友人の住むアパートに向かう道すがら異様な一軒家に遭遇する。全ての雨戸を閉め切り外から板を十文字に打ち付けていた。何かが這い出て来るのを防ぐかの様に。その夜そのネタで怪談をでっちあげ酒の肴にした。後日、別の友人とその界隈をぶらついていた時、怖がらせようと思って、その家を探したが見つからない。すると、ふと線香の匂いが。匂いを追って進むと取り壊された家の跡地が現れ、玄関のあったと思われる場所に卍を刻んだ石塔が立っていた。線香の匂いは ((゚m゚;)

  • 久しぶりにホラーを読んだって感じ。心理描写がうまくて、ゾッとしました。

  • 怪奇伝承、ミステリ、東北。旅や入院生活での読書にはうってつけ。「怪奇」の中には、はっきり超常現象に起因するものもあれば、人間の心理的に起因するものもある。ミステリのトリックを楽しむなら断然後者ってことになるのだが、そういうのは本来の怪奇好きにはいらない要素なのかも知れない。両者が混じっている短編集であるところが、好みを分散させてしまうかも。

  • 表題作をはじめ、どの短編も違う世界があって面白い。同じ作者の作品ってどうしても似た香りがするけれど、この方はそれもいい味になるので、おススメ。歴史、幽霊、どんでん返しと、一冊でのエンターテインメント性は随一。

  • 「私の骨」、「ゆきどまり」、「醜骨宿」、「髪の森」、「ささやき」、「おそれ」、「奇縁」の七編収録の短編ホラー。


    ホラーとはいっても一概に

    「どんなことをどんなものを怖いか?」

    それは異なるであろうが、

    この作品は

    杞憂、存在しない、憎しみ、隣人恐怖

    から成り立っていると感じた。


    「見えないものが見えてしまう」
    これは霊感を一般は表すだろうか。

    しかし「見えないもの」とは一体どういうことだろう?


    生活の中の一角に

    「あれ?変だな?」
    そう感じても違和感程度を深く追及する事は珍しいだろう。

    日常の会釈の中で

    自分を否定される目や言葉、態度を
    見たことはないだろうか?

    あるいは咄嗟的な殺意でもいい。

    ブラウン管に映る事件等は
    それをあくまでシニカルに情報として発信している。

    それを情報とし暮らしを見直すのもあるだろう。



    案外、「気づいているかどうか」ということなのだ。

    怪奇現象はともかくとし

    「見えないものを見ようとする」
    あるいは
    「見えてしまう」

    心理の底にあるものが
    必ずしも見えることがいいことかは図れはしないが。

全15件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1947年、岩手県生まれ。早稲田大学卒。83年に『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、86年に『総門谷』で吉川英治文学新人賞、87年に『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞、92年に『緋い記憶』で直木賞、2000年に『火怨』で吉川英治文学賞を受賞。本作『風の陣』(全五巻)は、「陸奥四部作」のうち、時代の順番としては最初の作品になる。以降、『火怨 北の燿星アテルイ』(上下巻)、『炎立つ』(全五巻)、『天を衝く』(全三巻)と続く。

「2018年 『風の陣 四 風雲篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

私の骨 (角川文庫)のその他の作品

私の骨 単行本 私の骨 高橋克彦

高橋克彦の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

ツイートする