- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041704257
感想・レビュー・書評
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短編集。私の骨、ゆきどまり、醜骨宿、髪の森、ささやき、おそれ、奇縁。
どんなのか知らずに読んだら、割とホラーだったので驚いた。元は角川ホラー文庫で出版されていたみたい。
文章の書かれ方に古さを感じた。作者が生まれたのが1947年だからかな。そのせいか「私の骨」の主人公の年齢、その語り口から60代くらいをイメージしていたら、34歳だった。びっくりした!
最初は文体の古くささが気になって、読み切れるかなと少し不安になったけど、どのお話も怖くて面白かった。最後は少し意外な展開になるのも楽しめた。
「ゆきどまり」が一番、読みながらゾワゾワしたかな。ラストが好きだったのは「ゆきどまり」と「ささやき」。
「奇縁」には驚かされた。ほかとは違った怖さ。イヤ〜な感じが残るけれど面白かった。
読後感だけで言うなら、「ゆきどまり」か「ささやき」を最後に読みたかったなあ。
表記では、「探して見ます」「行って見ないか』が気になった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
勝手に歴史作家のイメージだったけど、ホラーも書くんですね。しかも、解説を見る限り、むしろそっちが本業的なのかも。で、本ホラー短編集だけど、個人的にはあまり楽しめませんでした。なんか回りくどいというか、そんな展開もあまり好きじゃなかったし、最後を除き、スーパーナチュラルが跋扈してるのも好きじゃなかった要因かも。もう作者のこの系統作品はいいかな、と。
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初めて読む高橋克彦氏の短編集。
図書館で初版本を借りて読む。
表題にもなっている『私の骨』が一番印象に残った。
何百年も前、何か凶事が起こると、それは物の怪や
怨念など言葉や知識では語れない物のせいになり
鎮めるために人柱など人間を供物にしていた。
そんな謂れをベースにしたミステリー要素もある話で
人の業の深さ、恨みは図りしれない。
話の最後、数行が、本当に上手いと感心。
引き込まれた。
『おそれ』という話は百物語のように
いろいろな怪談話をした後のオチが人間の心理を巧みに
描いていて、常套手段かもしれないが面白い。
人間の悲哀や欲深さ、狡猾さを上手く書かれていて
この本も素晴らしい良いものを読ませていただき
ありがとうございます。という気持ちです。
小松左京氏も高橋克彦氏も
書かれた年代によるものなのか
男性の主人公がウイスキーやブランデーを
嗜む様子がよく出てくるが、それも良い。
缶ビールや缶チューハイでは、上っ面の恐怖感
に捕らわれているようで、話に厚みが無くなる。 -
7つのホラー短編集。
最後の話だけ、どこかで呼んだ事があります。
人間の情を使ってる、と思うと、それはそれで
ぞっとするものがあります。
最初の話は、最後を知ってしまえばやるせないものが。
親として、子供に出来る事はすべてしたいものですが
他から…と考えると躊躇してしまいます。
けれど、それを超えてもしてしまうのも、親の愛。
厩、の屋号の意味が気になります。
ぞっとしたのは6つ目の話。
ひとりひとり、百物語のように語って行くのですが
それだけでも怖い。
こう話が進んでいくと、人よりも見えないものの方が
怖いもの、として認定してしまいます。
なのに、落ちで人の心情の方が怖くなってきました。
知らない方がよかったのか、知った方がよかったのか。
究極の選択、を突きつけられた気もします。 -
面白かった。
怖かった。
何を間違ったんだか寝る前の一冊にしてたんだけど…ほんと、夢見悪かった。
でも、高橋克彦好き。 -
短編集。色んなタイプの怖い話が7つ。妖怪とか幽霊も怖いけど人間のが一番怖かった。 「座敷牢」って実際に見た事は無いけど何か怖い。その中に和服の女性が居たら怖さ倍増。この本には出てないけど「土蔵の蔵」も何か怖い。でも「土蔵の」が無かったら意外に平気。
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第6話『おそれ』。死に纏わる百物語。それでは私も一席。学生時代、友人の住むアパートに向かう道すがら異様な一軒家に遭遇する。全ての雨戸を閉め切り外から板を十文字に打ち付けていた。何かが這い出て来るのを防ぐかの様に。その夜そのネタで怪談をでっちあげ酒の肴にした。後日、別の友人とその界隈をぶらついていた時、怖がらせようと思って、その家を探したが見つからない。すると、ふと線香の匂いが。匂いを追って進むと取り壊された家の跡地が現れ、玄関のあったと思われる場所に卍を刻んだ石塔が立っていた。線香の匂いは ((゚m゚;)
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久しぶりにホラーを読んだって感じ。心理描写がうまくて、ゾッとしました。
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怪奇伝承、ミステリ、東北。旅や入院生活での読書にはうってつけ。「怪奇」の中には、はっきり超常現象に起因するものもあれば、人間の心理的に起因するものもある。ミステリのトリックを楽しむなら断然後者ってことになるのだが、そういうのは本来の怪奇好きにはいらない要素なのかも知れない。両者が混じっている短編集であるところが、好みを分散させてしまうかも。