下天は夢か 一 (角川文庫)

著者 :
制作 : 村上 豊 
  • 角川グループパブリッシング
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本棚登録 : 61
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041713358

作品紹介・あらすじ

群雄割拠する戦国の世に、尾張半国を斬り従えて頭角を現した父・織田信秀は、国主大名へと成り上がる野望を果たせず病没した。内外を敵に囲まれて跡目を継いだ信長は、内戦を勝ち抜き、ついに強敵・今川義元を桶狭間に討ち取ると、美濃攻略に取りかかる。天下への大きな一歩を踏み出そうとしていた…。革命児・織田信長の素顔に迫り、空前のブームを巻き起こした記念碑的大作。文字が大きく読みやすい角川文庫版。

感想・レビュー・書評

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  • 2018年9月13日、読み始め。
    2018年9月16日、67ページまで読んで中断。

  • 評伝生々しい殺気が真骨頂

    2018/5/29付日本経済新聞 朝刊
     もう30年ほど前になるが、織田信長を描いた本紙朝刊の連載小説「下天は夢か」の取材で、雨中の高速道路を車で走ったときのことだ。前が見えずおそろしいのに、津本さんは恐怖を楽しんでいた。
     わずかな運命の狂いで人は死ぬものだ。小説に流れるそんな虚無感の一端をみた思いがした。
     戦時中、勤労動員で通った兵庫県明石市の工場で空襲にあい、死体の焼けるにおいをかいだ。剣道をよくし、豚で試す真剣の切れ味をよく語った。生々しい殺気が津本さんの小説の真骨頂だった。
     13年勤めた大阪の肥料メーカーは手柄を横取りする上司に嫌気がさし、やめた。生活資金を得ようと株に手を出し失敗、無一文になる。和歌山の生家で不動産業を営み、やくざともはりあった。サラリーマン時代、近所に作家の高橋和巳が住んでいた縁で同人誌に入ったが、最初は改行で一マス下げるのも知らなかった。小説は必死に生きる昭和ヒトケタ世代の生き方の反映でもあった。
     直木賞をとったのは40代後半と遅咲きだった。紀州の古式捕鯨を描いた受賞作「深重の海」は、相次ぐ肉親の死に際し浄土真宗の正信偈(しょうしんげ)を唱えて書いた。米国の捕鯨船に鯨を根こそぎにされ、わずかな獲物に危険をおかして突っ込む漁師は特攻隊さながら。信長に反旗を翻した真宗門徒の流れをくむ旧家育ちで、反骨精神が小説の根にあった。
     日本が戦争の傷を乗りこえ、経済成長をとげる昭和の戦後はサラリーマンが歴史小説をむさぼるように読んだ時代でもあった。「儂(わし)は狂いたって働いてやるのだわ」。信長が作中で吐く言葉は流行作家の叫びでもあっただろう。
     信長の好んだ幸若舞の詞章になぞらえた「夢幻会」という集まりが「下天は夢か」ゆかりの挿絵画家、深井国さんらを交え昨年末まで続いた。それも夢という言葉を愛した津本さんの命名だった。
    (編集委員 内田洋一)

  • ある1

  • 私の息子は、この本を十回読んだそうです。私も息子がそんなに惹かれるならと第一巻を読んでみました。時代物は概ねそうなんですが、「登場人物が調子がよすぎる」という感じはぬぐえませんでした。実によく調べているなあとは思うのですが。
    今から500年以上も前の出来事で、その時代に流れていた精神とか、大衆と豪族の関係とか、そういうことを踏まえて「物語」にするという視点がないのではないか、時代物作家への私の全般的な不満です。

  • 和歌山などを舞台とした作品です。

  • 全4巻。

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著者プロフィール

津本 陽(つもと よう)
1929年3月23日 - 2018年5月26日
和歌山県生まれ。東北大学法学部卒。会社員生活をしながら同人誌『VIKING』で活動し、掲載作「丘の家」が第56回直木賞候補。1978年に和歌山を舞台にした『深重の海』で第79回直木賞を受賞。1995年に『夢のまた夢』で第29回吉川英治文学賞を受賞している。1997年に紫綬褒章、2003年旭日小綬章をそれぞれ受章。2005年には第53回菊池寛賞を受章した。
ほか、代表作にベストセラーとなった『下天は夢か』。多くの歴史小説、企業小説を記してきた。

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