無印OL物語 (角川文庫 む 5-3)

著者 :
  • KADOKAWA
3.21
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041717035

作品紹介・あらすじ

ドジな先輩・後輩、嫌味な上司、チャッカリ屋の同僚。職場という人間関係を糧にたくましく生き、成長をみせるOLたちの日常を描いた、くやしくっておかしい十二の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 一番好きな話は、最初の「あんぱんとOL」です。

    「あんぱんとOL」
    私はシノハラさんが嫌いなのかと思いきや、頑張り屋で一生懸命生きている彼女に、自分の将来像を重ねている時もある。嫌いでも好きでもない、情という感情を抱いていると思った。2人の距離は、これからもきっと縮まらないと予想する。

  • 274

    いろんなはたらくおんなのひとのおはなし。
    メヒコでゲットした本。

    群さんのエッセイがけっこう好きなんだけど、もんくを言う系のエッセイは苦手で、それがまるっと小説になりました、という感じのこの本も正直好きにはなれなかった。
    最後に「この本を読んで溜飲をさげるひともたくさんいるだろう」というような旨のことが書評として書かれていて、わたしも社会に出たら、この本を読んで「そうそう!」ってなれるのかしらんって思ってみたり。でもそんなの悲しいなって。だって、よい職場環境じゃないってことでしょ。
    人間関係が悪くても、それは相手のせいでも自分のせいでもなく、それぞれがもつ”文化”が違くて、自分がたまたまそれに慣れていないだけだ、って思えるような人でいたいなー、と思うのは社会にでていないドリーマーの
    考え方でしょうか。

  • 働く女のお仕事小説かと思って借りたが、4話でギブアップ。奥付けを見てみると単行本は1989年刊行とのこと。33年前の本!!そりゃ今と価値観全然違いますよね。登場人物に好感が持てないかな。もう少し話を長くしてオチなどあったら読みやすいが、一つ一つが短編すぎてずっと苦しかった。
    ロングセラーの無印シリーズらしいので、最近のものがあったらそちらを読んでみたいかな。
    シャンプードレッサーとはなんぞやと調べてしまった。洗面台か。

  • エッセイの多い作家だからエッセイだろうと手にしたら、小説だったという本。とろくてミスばっかりしている先輩の尻拭いばかりしているのに、なんで給料は半分なんよ-!というような小説がズラズラと。

    エッセイちゃうんかい…で、短編かい。
    全体に、雑誌のワンコラムで単発で読むような小説で、並べてしまうと今ひとつ印象に残らないのがこの手の短編。変にテーマを決めずに、家族の話とかと混ざってたら映えると思うんだけど、1980後半~90年代初頭の編集は、まとめちゃうんだよね。

    おそらく私小説的な側面が大きく、ほとんどが作者自体の愚痴なのであろうということも透けて見えてしまい、よくまあ次から次へと愚痴を集めたもんで、と思ってしまう。ただまあ、この手のに多い下っ端から上司にキレる視点ばかりではなく、中間に挟まってみたりする(上司視点は無い)あたりは、読めるところだと思う。

    ただ、この中の1本とは言わず何本か組み合わせた状態で、中編くらいにはしてほしかったな。オチが落ちる前に終わってしまうのはナントモ。

  • 自分がOLだった頃を思い出した

  • 書誌情報をみたら、1991年の発行だった。20年以上も前のOLさんたちのお仕事。結婚するまでの腰かけだったり、あからさまなパワハラ、セクハラだったり、お茶汲み=女性の仕事だったり、時代が違う。でも、まったくの別世界の話ではなかった。確かにこの時代の延長線上に現代があると思わせる内容。それだけ「あるある」がリアルに描かれているんだと思う。小説だからノンフィクションではない。でも現実以上に現実らしいフィクション。

  • 地道に戦う働く女性が、丁寧に、かつ細かいところまで観察されて描かれている。共感できる部分多し。明日も仕事頑張ろうと思える一冊。

  • ちょっと昔のOLさんのひきこもごもを書いた短編集。

    入ってから5年くらいで結婚退職しなきゃいけないとか、女は総合職以外はお茶くみコピー取りが仕事だとか、今だったら人権団体が黙ってないような内容の仕事がたくさんあります。

    いやー、こんな時代に生まれなくてよかったなぁとつくづく思います。私なら本当に雑巾のしぼり汁茶とかやりそうな気がする。もちろん、気づかれない範囲で。

  • 再読。
    何回も読んでいるので内容はほぼわかっているが、読みたくなる短編集。
    OLを風刺し面白く描くも、暖い目で書かれているところが好ましい。
    今となってはOLという言葉も死語だな。
    特に次の話がお気に入り。

    「いつでもどこでも誰とでも」一番面白い。文字どおりなのだが、あっけらかんとした美人の同僚の話。
    「結婚するならホドホドの人」お嬢様女子大を卒業し、良い結婚をするために奮闘する母娘。
    「ハイヒールで全力疾走」秘書である姉を弟の目から見た話。
    「気くばりのひと」先輩OLに嫌われないようマニュアル本を読み込み気くばりに全力を注ぐが新人OL。
    「変なひと」女性社員より男性社員と仲が良いOLから見た他のOLたちの話。

  • OLの職場や恋愛事情が面白おかしく描かれている。
    あるあるとうなずける部分も多々あって面白く読めた。

    2013.5.28

  • 久々の無印シリーズ。やっぱり面白い。

  • 群ようこさんの本は読みやすいんだけど、どうも毒が強くて後味が悪い。人間の嫌な部分を鋭く切り出すという意味では秀逸なのかもしれない。

  • OL物語の短編集。
    この人の文の上手いところは文章が巧くないところだ。
    というとわけがわからなくなるが、
    エッセイのように見えるのに
    小説というところがいいところだと思う。

    巻末で山田詠美さんも言ってるけど
    誰にでも書けるようで書けない文章。
    観察力がするどいのかな
    エッセイぽいので疲れず
    楽しく読めたOLになる予定のある人にはおすすめ。

  • 書いてあるお話は当時であれば、すごく面白いOLのお話だったんだろうなと思われる。

    しかし約20年前の作品のため、なんだかなつかしいバブル臭のようなものや、お茶くみOLの必要性とか(当時はすごく話題にもなってたような記憶があります)、結婚相手は三3高とか(もうすでに三高という言葉自体が現代にはない)ちょっと時代が違うかな~と思えました。

    平安時代とか、江戸時代のお話は読んでいても、すんなり読めるのですが、この少し前の時代というのはなんだか違和感を感じます。
    当時を肌で実感しているからでしょうか?

  • 群さんの作品は本当に肩の力を抜いて読める。
    とびきりの感動があるわけではないけれど、最近のお気に入りです。

  • タイトルが気になって、手に取りました。
    かなり昔の本なので、「えー!ありえない!」ってこともたくさんだったけど、なかなか楽しかったです。

    でもなんかOLって大変そう・・・。

    【長崎大学】ペンネーム:未来のOL

  • この時代の空気に触れる。

  • OLたちの日常を短く描いた短編集。
    ひたすら現実味のある女性たち(OL )の嘆きや葛藤に圧巻された。

    中でも印象的だったのは、昔からいじめられっ子で、社会人になってからは絶対にいじめられまいと実用書をしっかり読んで人付き合いをしていく女性の話。
    実用書に書いてあることばかり実践していると、知らぬ間に先輩たちから嫌われていた、というエピソードがぐさっときた。
    …やはり、心当たりのあるエピソードほど印象が強い。
    なので社会人ならなおのことこの小説を親身に受け入れることができるのではないだろうか。

    OL をやったことがないから、本当にこんな陰湿な嫌がらせや葛藤が起こるものかは分からないが、少なくともドラマや小説から培ってきたOL 像を見事的確に捉えていたと思う。
    OL に対する認識を読者がいかに
    作者と共有しているか、でおもしろさが変わってくる、そんな小説ではないかと思った。

    日頃あってもなかなか口に出していえない鬱々とした気持ちをこの作品の登場人物たちが代弁してくれているので、読む人によっては「私だけがこう思っているわけじゃないんだ」という心強さや安心感を得ることができるかもしれない。

  • 頭が悪くて仕事はできないのに人受けがいい後輩。
    旦那の七光と強運でどんどんのし上がっていく同僚。
    役に立たない目ざわりな先輩。
    職場の人間関係に悩まされながらも毎日を踏ん張って生きる、
    12人のOLたちの物語。
    つーか短編集。

    ***

    群ようこは面白い。

    私は「なんでもない日常の中に潜む不満や面白み」を敏感に察知して、
    それを上手に描いていく人が大好きだー!

    映画監督なら荻上直子。(『カモメ食堂』とか)
    漫画家ならよしながふみ。(『きのう何食べた?』とか)
    そんでもって作家なら群ようこ。

    職場にいる様々な人に不満を抱きつつも、
    それをあえて出さず静観を貫くOLたちは、
    特筆すべきことが見当たらない人ばかり。
    だから無印。
    でもそんな無印な人たちを描いていくのって、多分相当難しい。
    ここはもうさすが群ようこと言うしかない。

    この短編集、無印シリーズとしてあと何冊か出てるみたいだから、
    もう絶対絶対読破する。

  • 無印なOLの話だった!!

    主人公たちはみんないたって普通の
    OLで、むしろ話を色付けしてるのは
    その人が憤りとか憧れを感じる人で、

    あー、いるいるこういう人…って思うんだけど
    別にその人たちがどうなるわけでもない…
    みたいな感じだった!

    何となくおもしろかったけど、どうせなら
    その迷惑だぁぁって思う人たちがどうにか改善されるなり、
    どっかいってくれて、ホッとなるなりな話が
    読みたくなってしまう。
    そう書かないところが良さなのだろうけど
    スッキリしたいと思ってしまうよねえー!

  • 09/04/07

  • ハッピーエンドばっかりってわけじやないけど、まあ面白かった。
    憂鬱じゃなくさくさくっと読めた。
    ありえない!とかいろいろ思うこともあったけど。
    ま、派遣と普通のOLじゃ違うところもあるだろうけどね。

    むしろ解説の山田さんの言葉遣いに憂鬱になったくらい。
    この人ってなんでこういう言い方しかできないのかなあ。
    やっぱダメだなぁ、私は苦手だ。と思ってしまった。

  • この本は短編集です。全部の作品が、OLをテーマにしている作品で珍しくてとても面白かったです。この本には、「あんぱんとOL」と、「結婚するならホドホドの人」と、「ハイヒールで全力疾走」と、「新人チェック」と、「やめるときは一緒」と、「体力勝負」と、「気くばりのひと」と、「ダンナの七光」と、「ご無理ごもっとも」と、「変なひと」と、「六月末まで」と、「いつでもどこでも誰とでも」が入っています。どれも、とてもユニークな作品です。

  • きれいで立派な本社ビルに憧れて就職したのに、倉庫裏の“地獄の営業部”に配置された私。小さな出版社で、ドジな先輩、後輩に悩まされている私。チャッカリと「結婚」に逃げ込んでしまった私の同僚―でも私だって負けてはいない。「職場」という「人間関係」を糧にたくましい「成長」をみせるOLたちの日常を描いた、くやしくっておかしい12の物語。(「BOOK」データベースより)

    身近によくありそうな、OLたちの物語。
    シニカルな口調が面白く、読みやすい。

    暇つぶしに読むにはもってこい。
    何か心に残ったものがあるかといえば、そういうものはないんだけれど。

  • 今や昭和の遺物となってしまったOL(っていうか、未だOLが存在する企業はやばいと自覚した方がよいと思うが・・・)。
    そんなOLたちのいろいろな生き方、というか考え方の参考資料として、とても面白いです。

    こんなバブリーな時代があったんだなあ、という思いと同時に、こんなにまで女性が虐げられていた時代(今もそうだと思うけど)もあったんだ、と変なため息が出た本でした。

  • 直前に読んだやつと似たような感じ。嫌いじゃない。

  • 最初に『無印良女』を読んだ。結構面白かった。そのあと、たしか『無印おまじない物語』を読んだ。ふーん、だった。そしてこの『無印OL物語』で、もういいや、になった。まあ、20年も前の良女たちに受けたネタだからぁ〜。今読んでもおもしろい!のわけ無いんですけどね。おしまい。

  • 「いるなぁ、こんな人」「あるなぁ、こんなこと」と思わず頷いてしまうほど、身近に感じれる作品。
    何十年経って、世代が変わろうとも、OLの悩みっていうのは変わっていないものなんですねぇ。。

    いとう

  • 群さんの無印シリーズは面白いです。

  • きれいで立派な本社ビルに憧れて就職したのに、
    倉庫裏の“地獄の営業部”に配置された私。
    小さな出版社で、ドジな先輩、後輩に悩まされている私。
    チャッカリと「結婚」に逃げ込んでしまった私の同僚―
    でも私だって負けてはいない。
    「職場」という「人間関係」を糧に
    たくましい「成長」をみせるOLたちの日常を描いた、
    くやしくっておかしい12の物語。
    多くの「共感と元気」を呼ぶ本として
    超ロングセラー中の無印シリーズ、待望の文庫化!

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2023年 『老いとお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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