贅沢貧乏のマリア (角川文庫)

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本棚登録 : 266
感想 : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041717103

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で。この頃森茉莉著作を何作か読んだばかりなのでわかりやすかったです。私も彼女の小説よりはエッセイの方が面白かったな。耽美小説ってよくわからない…。ただエッセイも、読んだ年齢の所為なのか共感するよりは困ったオバサンだなぁ、過去の栄光に縋って生きるって寂しいだろうな、ぐらいしか思わなかったのですが…

    昔の人の価値観を今と同様に考えてはいけないのはワカルのですが…どうも森鴎外も妻のシゲさんも親には向いていないような気がする人達だなと読んでいて思いました。まあ鴎外にしてみたら茉莉は40過ぎて出来た子だし、孫みたいな気持ちだったのかもしれないけれども。可愛がるだけで全肯定するだけでは子供は社会に適応できないんだろうな。長女茉莉を16だかで嫁がせたのは娘の未来を思っての事だったのかもしれないなぁ。

    兄弟の話も森鴎外が亡くなられた時、茉莉ですら18だかそこらで、下の妹は中学生?その下の弟は小学生だろうから…奥さん苦労しただろうな…。しかも鴎外が生きている自分は生活に苦労したこともなかっただろうし、子供たちに取って父親が聖人となるのは仕方ないことなのかもしれないけれども。とりあえず近くに居たらメンドクサイ人だっただろうなぁ、森茉莉って人は…と思わせるような本でした。大人になりきれなかった女性、といえばまあそういうものなのかもしれないけれども。

    群さんもこれを書いた当時は弟とも母親ともそれなりにやってたんだなぁ…。その後弟とは没交渉になるみたいですが… 
    時々それはちょっと…と思う所もありましたが概ね楽しく読みました。

  • 平成8年4月、群ようこさん、あらふぉーの作品です。「贅沢貧乏のマリア」。森茉莉さんが弟の結婚を機に、弟との同居から下谷神吉町の勝栄荘でひとり暮らしを始めたのが38歳の時・・・。この本は、父、母、兄弟、結婚、子育て、持ち家、料理、お洒落、ひとり暮らしなど12のテーマで、ご自分の群さんと森茉莉さんを対比させながら展開していくエッセイです。また、森茉莉さんの実像を「ハダカ」にしていく過程でもあり、それは、群さんの茉莉さんへの憧れのような、あるときはライバル視してるような・・・、群さんっていい作家さんですね(笑)

  • 人物エッセイ?評伝?というのでしょうか。子供の頃森茉莉の「贅沢貧乏」を読んで憧れていたという群ようこが彼女の魅力(?)を紹介します。マリア=森茉莉です。

    恥ずかしながら森茉莉については「森鴎外の娘、職業は物書き」程度の知識しかなくて人物像をしらなかったのですが、鴎外との関係をはじめ、紹介されるエピソードのすべてについて、自分の持ち合わせている常識ではちょっとおいつけなく、すごい人がいたもんだと、一番印象的だったのは、テレビの料理番組で「なんとか菜のクリーム煮」が紹介されると、自分のエッセイで「そんな菜っぱ知るか」と書いたって話。そのなんとか菜が何菜だったのか、わたしも一回読んだだけなんで忘れてしまうようなマイナー菜っぱなんですが、知るかとまでは言わないですよ。なんだよそれ。菜っぱの話は爆笑してしまったのですが、自分の価値観疑わないっぷり、自分中心の世界回しっぷり、自己正当化っぷりに、ちょっとひきました。羨ましいと思う部分もあるんですけどね。

    森茉莉本人の著作を読んだことがないので、ちょっと読んでみようかとも思ったのですが、自分にエネルギーが有り余ってる時じゃないと読めなさそう。読み終わったら5キロぐらいやせてそうです。

    エッセイというジャンルは著者の傲りやナルシズムが鼻につくことが多く、どうも苦手だったんですが、これは著者本人より森茉莉が鼻についたので大丈夫でした。「距離を置いてみるとそれなりに楽しいやつなんですが」というクレヨンしんちゃんの歌を思い出しました。群ようこが距離を置いて描く奇人森茉莉伝、て感じで面白かったです。

    ただひとつ。群さんは結婚してないそうですが、結婚に対しての若干批判的な私見が書かれていて、ご本人そういうつもりは多分ないんでしょうが、どうも強がりというか、痛々しく見えてしまいました。独身の自分も発言には気をつけよう…

  • 女一人、物を書いて自分を食べさせて行く。
    寂しくはない。
    友達もいる。
    そんな共通点をもつ、群ようこが森茉莉を語る。

    茉莉の作品から見える彼女の生き方を語るものだが、一つ一つのテーマについて、まず「群ようこの場合は」が語られ、この部分は、いつもの群さんのエッセイ。
    そのあと、「森茉莉の場合」が語られ、作家の評伝になる…という珍しい形だが、二つの部分はうまく溶け合っていて、本人のエッセイを読むだけではちょっと分かりづらかった森茉莉の人生がよく見える。
    …というか、せっかく美しく暈してあったのに丸裸?(!)
    茉莉の弟・類が家族のことを書いたエッセイを出版した時、暴露本のような内容に茉莉と杏奴が激怒して類をシメたようだが、この群さんの本を読んだら、茉莉は卒倒してしまうかもしれない。

    もちろん、群さんは森茉莉の作品が好きで、憧れているからこそ、こういった本を書いたと思うのだが、歯に衣着せない語りはいつもどおり。
    なかでも、茉莉にとって森鷗外は、文豪でも軍人でもなく、自分の愛する、または自分を愛してくれる「パッパ」としての森林太郎であった、と書いた上で、群さんはしかし、その、森鷗外の娘だからこそ、茉莉のエッセイに興味がある、と、これまた茉莉がすご~く嫌がりそうな事を書くのだ。
    文豪であり軍人だった森鷗外が家ではどんな風だったのか、覗き見をすることに喜びを覚える、となんとも正直で笑ってしまう。

    また、茉莉の毒舌テレビ評論を、読む人も書かれたひとも、大きな心を持って許してやっていたのだろうと書く。
    本人はまっとうすぎる意見と思って書いているだろうが、公平な評論ではなく「森茉莉の頭の中を楽しむエッセイ」と言い切る。
    どこを切っても、さすがは群さん!としか言いようが無かった。

  • 2013 10/25

  • 逗子図書館にあり

  • 贅沢貧乏を読んでみたくなった
    群ようこさんのつっこみがいい
    彼女の感覚には共感できるところがたくさんあってよかった

    というか森鴎外の娘だったんですね

  • 夏目漱石の娘。森茉莉についての本。

    これは
    贅沢貧乏のマリア 群ようこ
    贅沢貧乏 森茉莉
    れんげ荘 群ようこ

    を3セットで読んで欲しい。。。と思った。
    れんげ荘は最後に。

  • 母親に、ずっとむかしに薦められていた本。

    あまりの面白さに、電車の中で笑い転げそうになりました。

    作者は、若い頃に森茉莉(森鴎外の長女)が描いた「贅沢貧乏」を
    読んで、彼女の生き方に憧れ、彼女のことをもっと知りたい、と
    さまざまな側面から、彼女の価値観や生き様にせまります。

    環境が変化するにつれて、自分を変えてしまうことがある。
    不本意ながらも自分の理念を捻じ曲げてしまったり、
    周りの正当性に飲み込まれて、自分に自信が持てなくなったり。

    でも、茉莉は違う。
    「私が私らしく生きること」を何よりも大切に守り抜く。
    たとえ、はたから見ればそれが「贅沢貧乏」というように
    ちぐはぐな価値観だとしても。
    何を大切にするか、それは自分が決めることだから。
    その凛とした強さに、惹かれました。

    婚家での羽根突きのくだりや、晩年のテレビ批評は
    笑いがこぼれるほどおもしろく、でもその中にも
    「私は生きている」という地に足の着いた価値観を
    まぶしいほどに感じるのです。

    「贅沢貧乏」もさっそく読みます。

  • 森茉莉って、魅力的。
    こんな人にはなりたくはないし、関わり合いにもなりたくないけど、なぜか惹かれる。
    自由だから、うらやましいのかな。
    はちゃめちゃだから、気になるのかな。

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。数回の転職を経て、78年、本の雑誌社に入社。デビュー作『午前零時の玄米パン』が評判となって、作家専業に。「無印物語」で人気を博す。『かもめ食堂』『れんげ荘』『三人暮らし』など著書多数。

「2021年 『咳をしても一人と一匹』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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