- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041717103
感想・レビュー・書評
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作家としても一人暮らしの先輩としても、群ようこさんの森茉莉さんへのリスペクトに溢れています。お二人のファンである私にとって本当にうれしい本です。
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図書館で。この頃森茉莉著作を何作か読んだばかりなのでわかりやすかったです。私も彼女の小説よりはエッセイの方が面白かったな。耽美小説ってよくわからない…。ただエッセイも、読んだ年齢の所為なのか共感するよりは困ったオバサンだなぁ、過去の栄光に縋って生きるって寂しいだろうな、ぐらいしか思わなかったのですが…
昔の人の価値観を今と同様に考えてはいけないのはワカルのですが…どうも森鴎外も妻のシゲさんも親には向いていないような気がする人達だなと読んでいて思いました。まあ鴎外にしてみたら茉莉は40過ぎて出来た子だし、孫みたいな気持ちだったのかもしれないけれども。可愛がるだけで全肯定するだけでは子供は社会に適応できないんだろうな。長女茉莉を16だかで嫁がせたのは娘の未来を思っての事だったのかもしれないなぁ。
兄弟の話も森鴎外が亡くなられた時、茉莉ですら18だかそこらで、下の妹は中学生?その下の弟は小学生だろうから…奥さん苦労しただろうな…。しかも鴎外が生きている自分は生活に苦労したこともなかっただろうし、子供たちに取って父親が聖人となるのは仕方ないことなのかもしれないけれども。とりあえず近くに居たらメンドクサイ人だっただろうなぁ、森茉莉って人は…と思わせるような本でした。大人になりきれなかった女性、といえばまあそういうものなのかもしれないけれども。
群さんもこれを書いた当時は弟とも母親ともそれなりにやってたんだなぁ…。その後弟とは没交渉になるみたいですが…
時々それはちょっと…と思う所もありましたが概ね楽しく読みました。 -
平成8年4月、群ようこさん、あらふぉーの作品です。「贅沢貧乏のマリア」。森茉莉さんが弟の結婚を機に、弟との同居から下谷神吉町の勝栄荘でひとり暮らしを始めたのが38歳の時・・・。この本は、父、母、兄弟、結婚、子育て、持ち家、料理、お洒落、ひとり暮らしなど12のテーマで、ご自分の群さんと森茉莉さんを対比させながら展開していくエッセイです。また、森茉莉さんの実像を「ハダカ」にしていく過程でもあり、それは、群さんの茉莉さんへの憧れのような、あるときはライバル視してるような・・・、群さんっていい作家さんですね(笑)
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人物エッセイ?評伝?というのでしょうか。子供の頃森茉莉の「贅沢貧乏」を読んで憧れていたという群ようこが彼女の魅力(?)を紹介します。マリア=森茉莉です。
恥ずかしながら森茉莉については「森鴎外の娘、職業は物書き」程度の知識しかなくて人物像をしらなかったのですが、鴎外との関係をはじめ、紹介されるエピソードのすべてについて、自分の持ち合わせている常識ではちょっとおいつけなく、すごい人がいたもんだと、一番印象的だったのは、テレビの料理番組で「なんとか菜のクリーム煮」が紹介されると、自分のエッセイで「そんな菜っぱ知るか」と書いたって話。そのなんとか菜が何菜だったのか、わたしも一回読んだだけなんで忘れてしまうようなマイナー菜っぱなんですが、知るかとまでは言わないですよ。なんだよそれ。菜っぱの話は爆笑してしまったのですが、自分の価値観疑わないっぷり、自分中心の世界回しっぷり、自己正当化っぷりに、ちょっとひきました。羨ましいと思う部分もあるんですけどね。
森茉莉本人の著作を読んだことがないので、ちょっと読んでみようかとも思ったのですが、自分にエネルギーが有り余ってる時じゃないと読めなさそう。読み終わったら5キロぐらいやせてそうです。
エッセイというジャンルは著者の傲りやナルシズムが鼻につくことが多く、どうも苦手だったんですが、これは著者本人より森茉莉が鼻についたので大丈夫でした。「距離を置いてみるとそれなりに楽しいやつなんですが」というクレヨンしんちゃんの歌を思い出しました。群ようこが距離を置いて描く奇人森茉莉伝、て感じで面白かったです。
ただひとつ。群さんは結婚してないそうですが、結婚に対しての若干批判的な私見が書かれていて、ご本人そういうつもりは多分ないんでしょうが、どうも強がりというか、痛々しく見えてしまいました。独身の自分も発言には気をつけよう… -
2013 10/25
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逗子図書館にあり
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贅沢貧乏を読んでみたくなった
群ようこさんのつっこみがいい
彼女の感覚には共感できるところがたくさんあってよかった
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夏目漱石の娘。森茉莉についての本。
これは
贅沢貧乏のマリア 群ようこ
贅沢貧乏 森茉莉
れんげ荘 群ようこ
を3セットで読んで欲しい。。。と思った。
れんげ荘は最後に。 -
森茉莉って、魅力的。
こんな人にはなりたくはないし、関わり合いにもなりたくないけど、なぜか惹かれる。
自由だから、うらやましいのかな。
はちゃめちゃだから、気になるのかな。 -
うぅ~ん。。。
群ようこさんのエッセイを何度か読んだことがあったので読んでみたら、森茉莉の半生を書いたものだった。
まさかあの《 甘い蜜の部屋 》を、72歳で書いたとは・・・
いやぁ・・・恐れ入りました。
それにしても、父親の森鴎外も本人も、相当の変わり者だったのね。 -
作者の個性とマリアの個性が共に面白い。
マリアの作品はなぜか読まず嫌いであったが、これを機に好きになって見方が変わった。
実はこれ再読。
2回目でも面白かった!!! -
森茉莉が、畳の床に地層ができるような、
不潔な部屋に住んでいたことに親しみを覚えたわけではないが(笑)、
私はこの本大好き!
森茉莉の生涯を、群ようこが冷静に語るのだが、
(森茉莉は自分と)友達になれるタイプではない、などと書きながら、
愛を持って書いているのが分かる。
最初から最後まで、大笑いしながら読んだ。
鴎外という文豪の子として、何不自由ない幼少を送ったからだろうか、
型にはまらない生き方かと思えば、美意識とプライドは非常に高い森茉莉。
そして、強烈なファザコン(←今でもこの言葉OK?)
鴎外のことが大好きで、嫁いだ後も鴎外の膝に乗ってはしゃぐ。
その”好き”はそれは父親としてというより男性として、に近いようだ。
しかし、嫁に行った娘を膝におく鴎外も鴎外。
「あの鴎外がそんなことを・・・」と、これまたおもしろい。
若い頃のやんちゃはいいとしても、
ずいぶん時間がたって再会した息子(長男爵)とまるで恋人のような関係に
なってしまう森茉莉。
まるで、森茉莉と鴎外のようなのだが、
案の定、爵の奥さんや奥さんの母親(要するに義母)にはいい顔をされなくなる。
そして義母に「爵が手に負えないと思っていましたが、それを廻るのが出て来ました」
といわしめたのだ。
ぎゃはははは!これ最高!!!
だって、自分に置き換えて考えてみると、
うちの母親が旦那のお母さんについて言うのと同じ。
よっぽどだったんだな~と笑い転げた。
いやぁ、森茉莉って人は・・・。
彼女の本は読んだことないが、すごく読んでみたくなったー。 -
純粋な「森茉莉」の評伝だと思っていたのでガッカリ。
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森茉莉の天然と言うか奇想天外と言うか世間知らずと言うかワガママと言うかプライドが高いと言うか…とにかく魅力的ではあるけれど、非常に難のある人のトンチキエピソードの数々をいきなり持ってきたら、彼女を知らない読者は多分引いてしまのではないだろうか。
なので最初は、群ようこ自身の話で読者の心を惹き付けておいて、それからするりと森茉莉の話にもっていく。
これはうまいやり方だと思う。
群ようこフィルターのかかった森茉莉の感想は「ちょっとおかしな所もあるけれど愛すべきお嬢ちゃん」
そう、いくつになっても「お嬢ちゃん」
あとがきにも書いてあったけれど、森茉莉の小説ではなくエッセイの方に焦点を合わせたのは群ようこらしいと思う。
私は森茉莉を好きではないのだけれど、読み終わった後に少しだけ好きになった。 -
この森茉莉と言う、お嬢様育ちの老後は、見事なものです。
ゴミに埋もれながらそれでも、部屋の本棚の配置や服装にはこだわりがあったりと、普通ではない!
でも「贅沢貧乏」という言葉は大好き。目指します。 -
森 茉莉という作家さんの生涯を群さん目線で紹介する人物エッセイ。
森鴎外の娘さんらしいが、
読んでも対して興味をそそられなかった。
群さん自身のエッセイが読みたい気分だったので。
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この本をなんと言えばいいのか…。群ようこが愛を持って森茉里の贅沢貧乏を再現したというか、紹介したというか…。こんな本が存在するっていうことはつまり、森茉里自体が一つのカテゴリーってことなのか。贅沢貧乏の後に読むか先に読むかで、森茉里の感じ方が違ってくると思われる。群ようこも森茉里も憧れのおば様方です。「人がなんといおうと、自分がそうだと思えば、そうなのだ」
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群ようこの目を通して見えてくる森茉莉は、
生まれついてのお姫様である。
その数奇な運命も然ることながら、
彼女のキャラクターもやたら魅力的なのだ。
けして友達にはなれないタイプではあるが。笑
彼女について語る群ようこは時には皮肉っぽくて時には辛辣ではあるが、
その行間には愛が見え隠れすると感じるのは私だけだろうか?
森茉莉の作品も気にはなるところだが、
いかんせん、旧仮名遣いが苦手というか生理的に合わない。
うーーーん、残念。