女人平家〈上〉 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041734018

感想・レビュー・書評

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  • 清盛が御落胤ではなく忠盛の実子、と言う設定のお話は初めて読んだ気がします…それがまず嬉しかった!(笑) 清盛には娘がたくさんいたはずですが、名前が残っているのが盛子と徳子だけなんですよね。 盛子も平家物語だとだいたい登場した場面で死んでますが、彼女が生きている姿はとても嬉しかった。 物語にはそれ以外の姉妹…全員では在りませんが、多くのキャラにスポットがあたり、姉妹仲良く助け合い、思いあい、学びあう姿がとても可愛らしく、また同時に平家の女として誇り高く生きていく様がとても勇ましく頼もしいものでした。殆ど出番のない兄達に対する言葉とかも萌えた…! 末っ子典子は言いたいことをズケズケと言う一面も持っており、それはだいたい私が平家物語を読んで思っていたこと… 例えば大原御幸、後白河が建礼門院を訪れた場面など「合点がまいりませぬ!」 と言い放ってくれ、それが実に爽快で気持ちのいいものでした(笑) 女性にスポットが当たっているので、ほぼ平家物語に出てくる彼女達の兄弟は出てきません。 でも彼らが戦ってるときに違う場所で、彼女達は女性として、それぞれの場所でまた必死に戦い、生きていたのだなぁと… 。宮尾本平家物語も女性が主軸のものでしたが、アレはあくまで「平家物語」だったのでここまで娘達を掘り下げることもなかったので、あれとはまた違う楽しさがありました。

  • 文章が流麗というのでしょうか、品格があります。姫君も素敵にりりしいです。今の作家さんには無い雰囲気です。

  • 清盛の妻・時子、娘・佑子と典子の生き様に心打たれ、思わず涙してしまいました。女性たちは細やかに記述され、思いいれがわいてきます。男性人への描写が少ないのが、やや不満です。

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著者プロフィール

1896年、新潟市生まれ。52年「鬼火」で女流文学賞、67年菊池寛賞を受賞。『花物語』『安宅家の人々』『徳川の夫人たち』『女人平家』『自伝的女流文壇史』など、幅広いジャンルで活躍した。著書多数。73年逝去。

「2023年 『返らぬ日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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