致死家庭 (角川文庫)

  • 角川書店 (1993年5月25日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784041753194

感想・レビュー・書評

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  • 森村誠一のお得意分野、家庭内暴力、それを煽る害悪の原因であるテレビ、心理学などのいろいろな豆知識、残存証拠と家庭崩壊と十八番がここまでそろうか。って、このテーマ何作目だ。

    最近純文学ばかり読んでいたので、箸休め的な1冊。一部の人から「どこがやねん」とツッコまれるが、あくまでも森村誠一や松本清張は箸休めなの。

    勉強もせず、3流の高校にしか入れなかった息子が、父母へ暴力を振るう。父である波多野は苦々しく思っているものの、仕事の何でも屋が忙しく、根本的な解決を見いだせない。そこへ、小中学校の同級生である的場が現れ、「殺人をしてみたい」と言い出す…。

    窮鼠猫を噛むというか、猫に鈴をつけにいくというか、家庭内でのもやもやした鬱屈感を表現させると、森村誠一はたちまち活き活きしてくるから、まあ駄作やマンネリが多くとも許せるかなと。

    ただ、安易にリビドーに走っていってしまって、そこから崩壊するというのもいつものとおりで、正直なところ若干げんなりもする。赤旗とか読んでる人はこういうシチュエーションが好きなのかしらん。

    でまあ、最後は事件が解決するのかと思ったらそうでもないという、ちょっと変わった終わり方(読者は予想はつくと思う)。

    この手の初期の小説だったのかもしれないが、心理学的な話は専門書かインタビューそのまま引き写しだったり、最後には長々と「他人事ではないのです」みたいなことを書いたりと、やや言い訳がましいところはあれど、こういう居心地の悪かったり、嫌な気分になったりも含めてが森村小説でございますという代表作的な出来であるので、やや高評価をしておきたい。

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著者プロフィール

森村誠一
1933年1月2日、埼玉県熊谷市生まれ。ホテルのフロントマンを勤めるかたわら執筆を始め、ビジネススクールの講師に転職後もビジネス書や小説を出版。1970年に初めての本格ミステリー『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を受賞、翌年『新幹線殺人事件』がベストセラーになる。1973年『腐触の構造』で第26回日本推理作家協会賞受賞。小説と映画のメディアミックスとして注目された『人間の証明』では、初めて棟居刑事が登場する。2004年に第7回日本ミステリー文学大賞受賞、2011年吉川英治文学賞受賞など、文字通り日本のミステリー界の第一人者であるだけでなく、1981年には旧日本軍第731部隊の実態を明らかにした『悪魔の飽食』を刊行するなど、社会的発言も疎かにしていない。

「2021年 『棟居刑事と七つの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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