致死家庭 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041753194

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  • 森村誠一のお得意分野、家庭内暴力、それを煽る害悪の原因であるテレビ、心理学などのいろいろな豆知識、残存証拠と家庭崩壊と十八番がここまでそろうか。って、このテーマ何作目だ。

    最近純文学ばかり読んでいたので、箸休め的な1冊。一部の人から「どこがやねん」とツッコまれるが、あくまでも森村誠一や松本清張は箸休めなの。

    勉強もせず、3流の高校にしか入れなかった息子が、父母へ暴力を振るう。父である波多野は苦々しく思っているものの、仕事の何でも屋が忙しく、根本的な解決を見いだせない。そこへ、小中学校の同級生である的場が現れ、「殺人をしてみたい」と言い出す…。

    窮鼠猫を噛むというか、猫に鈴をつけにいくというか、家庭内でのもやもやした鬱屈感を表現させると、森村誠一はたちまち活き活きしてくるから、まあ駄作やマンネリが多くとも許せるかなと。

    ただ、安易にリビドーに走っていってしまって、そこから崩壊するというのもいつものとおりで、正直なところ若干げんなりもする。赤旗とか読んでる人はこういうシチュエーションが好きなのかしらん。

    でまあ、最後は事件が解決するのかと思ったらそうでもないという、ちょっと変わった終わり方(読者は予想はつくと思う)。

    この手の初期の小説だったのかもしれないが、心理学的な話は専門書かインタビューそのまま引き写しだったり、最後には長々と「他人事ではないのです」みたいなことを書いたりと、やや言い訳がましいところはあれど、こういう居心地の悪かったり、嫌な気分になったりも含めてが森村小説でございますという代表作的な出来であるので、やや高評価をしておきたい。

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著者プロフィール

青山学院大学卒業。
10年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。
1969年『高層の死角』で江戸川乱歩賞、
1972年『腐蝕の構造』で日本推理作家協会賞を
受賞するなど社会派ミステリーの
第一人者として活躍する。
2004年日本ミステリー文学大賞、
2011年『悪道』で吉川英治文学賞を受賞。
推理小説、時代小説、ノンフィクションまで
幅広く執筆するなど著作数は400作を超える。
2005年に出版した「写真俳句のすすめ」で
写真俳句の提唱者として広く認知される。
写真俳句連絡協議会の名誉顧問を務め、
写真俳句の普及と後進の育成に取り組んでいる。

「2021年 『表現力を磨く よくわかる「写真俳句」 上達のポイント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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