捜査線上のアリア (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041753330

作品紹介・あらすじ

銀行員の津村豊和は雑誌の懸賞小説に応募、幸運にも新人賞に入選した。入選後は会社も辞め、取材の依頼や講演が殺到し「時の人」となった。だが、それも一時期だけで、原稿依頼もとだえ、妻の則子は温泉街の芸者になり生活を支えた。ある日、津村は泊まっていたホテルで殺人事件に巻き込まれ、"容疑者"として取調べられた。皮肉な事にこれをきっかけに津村の小説は急に売れ出した。一方、捜査線上には、意外にも流行作家のMが浮かんだが、Mには鉄壁のアリバイが-。文壇の内幕を抉る、社会派ミステリーの傑作。

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  •  銀行で働く津村豊和は、入行して10年目、仲の良い同僚の自殺をきっかけに自分もこのまま銀行に飼い殺されるのは嫌だと感じ、昔から好きだった小説を書いて生計を立てられないかと思いつく。そして一作目が幸運にも懸賞小説で入選し、天狗になった津村は早々に銀行をやめてしまうが、2作目をなかなか発表しなかったため、すぐに編集者にも世間にも冷たくされ、後がなくなってしまう。なんとか自分の原稿を売り込もうと東京に出てきてホテルに泊まった時、隣の部屋で女性の他殺体が見つかり、津村は犯人らしき男を目撃したにも関わらず警察には信じてもらえず、容疑者として取り調べられることになってしまう。落ち込む津村だったが、ここで発想を変え、自らの体験を小説として出版したところ、これが皮肉にも好調な売れ行きを見せ始める。

     いつのまにか作中作という体裁になっており、最後には森村誠一自身が物語に登場し、しめている。構成自体にトリックが仕掛けられているというのはこの時代にとってかなり斬新だったのではないだろうか。

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著者プロフィール

青山学院大学卒業。
10年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。
1969年『高層の死角』で江戸川乱歩賞、
1972年『腐蝕の構造』で日本推理作家協会賞を
受賞するなど社会派ミステリーの
第一人者として活躍する。
2004年日本ミステリー文学大賞、
2011年『悪道』で吉川英治文学賞を受賞。
推理小説、時代小説、ノンフィクションまで
幅広く執筆するなど著作数は400作を超える。
2005年に出版した「写真俳句のすすめ」で
写真俳句の提唱者として広く認知される。
写真俳句連絡協議会の名誉顧問を務め、
写真俳句の普及と後進の育成に取り組んでいる。

「2021年 『表現力を磨く よくわかる「写真俳句」 上達のポイント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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