花刑 (角川文庫)

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  • 角川書店 (1998年2月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784041753422

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  • 森村誠一『花刑』角川文庫。

    4編収録の社会派推理短編集。最初の『完全犯罪の鏡像』がまずまず面白い短編だったが、他は今一つだった。日常に潜む殺意が偶然により、犯人とその動機が見えなくなるというパターンの短編ばかりで厭きて来るのだ。社会は複雑になりつつあるが、犯罪は社会の複雑さに比べれば単純だ。

    『完全犯罪の鏡像』。明らかに黒なのに立証出来ないもどかしさ。そのもどかしさを抱えたまま朽ちていく無念さ。35年間、自宅から会社に通勤する定年間近の男が通勤電車の車窓から目にする風景の中にその家はあった。男は1年ほど前からM駅でその家に白いハンカチを振るOLの姿を目にするが、彼女の姿を目にしなくなった日にその家に住む老女が強盗に殺害され、家は放火で燃えたことを知る。退職後、男は白いハンカチのOLを思い出し、彼女の足跡を追う。★★★★

    『凶隣の巣』。どちらが安穏で幸せな生活なのか。後味の悪い短編。仲の良い人たちが立ち上げたマンションと普通の人たちが寄り集うマンションの近隣問題。2つの殺人事件とマンションの住人との関係は全く無関係に思われたが、次第に結び付いていく。★★★

    『死媒祭』。不倫を続ける男女。女は夫を殺し、一緒になろうと男に持ち掛ける。保険金を狙った女の企みは偶然が重なり、犯行は首尾よく運ぶが……★★★

    『花刑』。表題作。表題作という割りには不満足な短編。サラ金地獄で首が回らなくなった男が企てた高利貸しの老婆の殺人計画は、まさかの偶然により複雑な結末を迎える。★★★

    本体価格470円(古本100円)
    ★★★

  • 1 完全犯罪の鏡像:通勤電車、ハンカチOL
    2 凶隣の巣:人間関係、共同生活、不良
    3 死媒祭:三角関係
    4 花刑:高利貸し

    短編ものだからかあっさりしているなというのが第一印象だが、
    読み進めていくとスピーディな展開が逆に良いと思った。
    植物を小道具として使用するところが面白い。

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著者プロフィール

森村誠一
1933年1月2日、埼玉県熊谷市生まれ。ホテルのフロントマンを勤めるかたわら執筆を始め、ビジネススクールの講師に転職後もビジネス書や小説を出版。1970年に初めての本格ミステリー『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を受賞、翌年『新幹線殺人事件』がベストセラーになる。1973年『腐触の構造』で第26回日本推理作家協会賞受賞。小説と映画のメディアミックスとして注目された『人間の証明』では、初めて棟居刑事が登場する。2004年に第7回日本ミステリー文学大賞受賞、2011年吉川英治文学賞受賞など、文字通り日本のミステリー界の第一人者であるだけでなく、1981年には旧日本軍第731部隊の実態を明らかにした『悪魔の飽食』を刊行するなど、社会的発言も疎かにしていない。

「2021年 『棟居刑事と七つの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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