結婚の条件 (角川文庫 も 3-74)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041753781

作品紹介・あらすじ

旅先で出会った男と結婚し、市長夫人そしてベストセラー作家へと華麗に転身した正橋彩。だが、一躍有名になったがために、彩は封印していた過去の男たちにつきまとわれる。彩は男たちの殺害を計画するが……。

感想・レビュー・書評

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  • 松本清張の「黒革の手帖」のように、男を踏み台にしてのし上がっていく女が描かれていますが、黒革ほど邪悪ではありません。テーマは、夫婦のあり方でしょうか。婚姻の様式が多様化する現在、人々が結婚するのはなぜか。
    二組の若い夫婦がメインキャストで、愛し合って結婚したものの、夫婦でいる目的を見失ったカップルと、目的のために結婚して後から愛するようになるカップルの姿が対照的です。
    本書にありましたが、民法で定められた夫婦の義務は、同じ姓を名乗ること、協力し合うこと、同居することだけなんだそうです。ですから、夫婦生活を持たなくてもオッケーですし、食事を共にするのが目的の夫婦もありうるんですって。面白いですね。
    少ない登場人物でコンパクトにまとまっています。「そんなにうまくいかないって」と突っ込みたくなる箇所もいくつかあります。ミステリーとしての面白さは普通。ちょっと文章がくどいですが、不快ではありません。出てくる女性たちが、渡辺淳一の小説のような話し方をして、リアリティがないです。

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著者プロフィール

1933年熊谷市生まれ。青山学院大卒。十年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞、角川小説賞、吉川英治文学賞を受賞。推理小説のほか、歴史小説や俳句などのジャンルにも創作のフィールドを拡げている。

「2023年 『最後の矜持 森村誠一傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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