- Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041755099
感想・レビュー・書評
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藤本ひとみほど、フランスの歴史物をわかりやすく、ロマン溢れる書き方ができる作家はいないと思う。
もう五回くらい読んでいるけど、何度読んでも色褪せない。
フランス革命時に活躍した恐怖政治で有名なジャコバン派のリーダーロベスピエール。
ロベスピエールに心酔し、その思想を純粋に実行しようとするジュリアン。
貴族に生まれながら、ヴァンデ地方の蜂起に加担することになったアンリ。
思想の違いによりアンリと対立する革命軍陣営に身をおかざるを得なかったニコラ。
以上の魅力的な主要人物たちがそれぞれの思惑を持ちながらも、フランス革命という激動の時代を生き抜く。
必死になればなるほど、民衆の求めるものとかけ離れていく共和政府。
彼らは自分たちの理想に酔うがゆえに、民衆が見えていない。
この時代に興味がある人も、ない人も間違いなく読むべき良書。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
心に残るシーンが多く、好きな作品。特に主人公のアンリが反乱軍に参加する時に領民たちに言った言葉は、胸を撃ち抜かれる(実際に史実で言われているそうで、ナポレオンも後に英雄の言葉と称している)このシーンは、主人公の決意がうまく描かれていると思う。また、反乱の悲惨さが伝わってきて、読後、ずしりとくる。
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フランスものが読みたくて。
でも思ってた時代より後だった。
出会いのシーンとか、鋭くてきゅんとします。 -
フランス革命。
どこに立つ人もそれぞれの位置で譲れないもの、捨てられないものがあって。
後戻りも逃げることもできない。
読後、苦しくなる。 -
フランス革命の背景で起こり、握り潰されていった農民反乱。その戦乱に身を投じ、知恵を絞って戦う指揮官アンリの話。あまりに酷い話で本当にへこみました。が、その酷さ、渇きこそが革命の余波なんだとも考えさせられる……。
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登場人物の名前が覚えられない!!(笑)
名前が長いし、沢山出てくるし、主要人物を覚えるだけで精一杯でした。
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本筋は英雄が出てくる歴史小説のスタイル。でもまあBLです。読めばそう分かります。口絵のカラー写真が資料的に役に立つかも。
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私の卒論テーマでもあるヴァンデの反乱を扱った小説。
さすが邦語資料が少ないだけあって、私もたぶんこの資料読んだなぁというのが節々から感じられて別の意味で楽しめた。
しかし、アンリとニコラの扱いが…。こんなあっさり?もうちょっとネチっこく書いてもよいと思う。 -
フランス革命直後の混乱期、地方での王政復活の反乱を描いた上巻。女性作家と言うよりは、文章は男性作家よりですが、読みやすいです。濃いっていうのが第一印象。
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?1999年10月<br>
?フランス革命初日、バスティーユ陥落に狂喜するパリの街頭で出会った三人の青年<br>
彼らの友情と憎悪、別れと再会を通じ、革命美談の裏に隠されてきたフランス史の暗黒を暴く、渾身の力作長編<br><br>
アンリがカッコいい(笑)世界史がある程度好きな人にはオススメ。嫌いない人にはオススメしません。多分ページがなかなか進まないと思われ(笑) -
ヴァスティーユ陥落から4年後。
混迷の続くフランスで出会う3人の青年。国王騎兵隊仕官のアンリ、副官の伍長ニコラ、革命を信奉する寄宿学生ジュリアン。
反革命勢力と革命勢力の対立が
激化する中で、彼らもまた互いの立場から、それぞれの道へ身を投じることになる。
フランス革命を反革命勢力から、世界史の教科書には、登場しない人物の視点から描いた作品。上下巻。