時のアラベスク (角川文庫)

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著者 : 服部まゆみ
  • 角川書店 (1990年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041785010

時のアラベスク (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 小説家・澤井慶の出版記念会に届けられた薔薇に脅迫状が添えられていた。
    犯人は、熱狂的なファン・糸越魁なのだろうか?
    小説の映画化に向けて、ロンドンへロケハンに向かった慶の父・太一氏が何者かに殺害され、悲劇が始まる。

    解説で「虚無への供物」のオマージュと読んで、
    なるほど、と思いました。

    春美と久生がそっくりすぎる。
    あと、トリック云々よりロマンに重きを置いている感じや、
    語り手が何もできない感じなのも、
    そう言われれば…と思い出しました。

    だから、というわけではないけど、
    昨今のミステリーをそこそこ読んでから、
    ミステリーとして読むと、いまいち陳腐な気がします。

    出版年あたりに読めば、
    もう少し新鮮だったんだろうか…

  • 小説・映画・美術の世界だし、ヨーロッパ各都市を股にかけるミステリーだし、登場人物は美しい人が多いし裕福そうだし、状況設定は華やかで派手で引きつけられるのだけれど、ミステリー部分は割りと平凡で、私ごときにでも途中で分かってしまった。物足りないような惜しいような…。

  • 『この闇と光』の衝撃には及ばなかったが、耽美な筆致はこのデビュー作から。ヨーロッパの街を舞台に起こる事件と、アーティストばかりの登場人物たち。完璧な青年に思えた慶と、まるでボーイズ・ラブのようにうっとりしながら読んでしまった亮との関係が浅はかだったところに途方もない虚しさを感じる。

    以下に引用する、解説で紹介されている著者の言葉が良い。私は「ロマンのない謎だけ」の小説も決して嫌いではないが、こういうハッキリした立ち位置を貫かれているのは素晴らしい。本書と著者の執筆スタイルの本質が表れていると思う。
    「よく文学のすべてにミステリーの要素が含まれているというが、ロマンの中の謎というのは、物語を進める中でも魅惑的なものであり、それは頷ける。しかし、ロマンのない謎だけというのは、いただけず、クロスワード・パズルに“です”“ます”を付けただけのようなものに付き合う気にはなれないし、“A点からB点まで五分で行くのは不可能だ”となどという事を知るために一冊の本を読む気は起きない」

  • 服部まゆみせんせいのデビュー作。耽美な雰囲気にどっぷりつかったミステリ。でも甘くありません。途中でうっすらと「こういうことかな?」っていうのは読めるんですが、真相はわりと意外性があって面白いです。

  • クノップフの作品をみてブルージュを舞台の作品が読みたくなり読んだが、クノップフの絵画には及ばなかった。

  • 実はかなり昔に読んだので忘れてるのですが、明らかに中井英夫を読んでいるというアピールっぷりだけ覚えています。
    意外な落ちだったようですが、あれれ???

  • 私がなぜこの作家の作品に触れたのか、そのきっかけは今となってはもはや思い出せない。『このミス』でも何度かランクインしている新本格以前のミステリ作家であり、2007年、惜しまれながら夭折した。
    本書は角川書店が開催する横溝正史賞を受賞した作品である。

    出版記念パーティに寄せられた深紅の薔薇に包まれたナイフとファンの1人と思しき糸越魁なる人物からの脅迫状。作者の深井慶は自作の映画化のために関係者とともに渡欧するが、その最中にロンドンで父が殺される。一行は一旦帰国するが、再び渡欧することになり、再び糸越魁の襲撃に出会う。

    非常に読者を選ぶ作品だと思う。少女マンガ的な登場人物と舞台設定は女性読者の方が肌にあっているのかもしれない。今にして思えばどこか『虚無への供物』に似た雰囲気を持った作品だと云えるかもしれない。
    で、終始なんとももやもやした、掴み所のない感じで物語は進むが、横溝正史賞の名に恥じないトリックも盛り込まれており、率直な感想を云えば、それだけでも本書を読む意義はあったかと救われた思いがしたものだ。

    ミステリとして読んだ私は最後の最後までこの世界観に没頭できなかった。おかげで犯人はすぐに解ったのだが。逆にこの手の作品が好きな人は雰囲気にのめり込めるだろうし、そういう人はミステリ的仕掛けにビックリするのかもしれない。そういう意味では横溝賞受賞というレッテルはもはや邪魔なのかもしれない。

    現在は長らく絶版である。私が持っている版は表紙は天野喜孝で、実に雰囲気とマッチしている。この頃はアルスラーン戦記とかけっこう文庫の表紙は天野氏のイラストが席巻していたんだなぁと関係のない事を思い出してしまった。

  • 蒼林堂古書店へようこそ、より

  • bookoff@105

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