罪深き緑の夏 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041785027

作品紹介・あらすじ

12年前の夏、"蔦屋敷"と呼ばれる熱海の洋館で、淳は白いドレスの少女百合に出会った。幼い少年の日の、謎めいてエキゾチックな邸での記憶そのまま、今、淳の目の前に百合が居る。兄の婚約者として、事故で動かなくなった体を横たえ眠っている-。画廊の火災を発端に度重なる災厄、死までも華麗な舞台装置とし、耽美な物語世界を独得な個性で描く。森村誠一氏、夏樹静子氏絶賛の、横溝賞受賞女流の長編ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 『罪深き緑の夏』というタイトルと、天野喜孝氏のイラストが鮮やかなカバー。そして、著者は服部まゆみ。これだけでも、一体どんな耽美な物語が待ち受けているのか、期待が高まる。非日常の夏休み、蔦が生い茂る洋館、白いドレスの美少女――。出だしから心を掴まれる。

    内容は「謎解き」を含むものであるが、ミステリとカテゴライズするのは違うように思う。人物描写や人間関係に重点が置かれているから、というだけでなく、「誰の心が最も病んでいるのか」というところが大きな謎になっているから。

    業の深いというか、ひと癖もふた癖もある人物や芸術家ばかりが登場する。彼らが織り成す昼ドラさながらのどろどろ劇が、服部まゆみさんの手にかかると美しく妖しいものに。

  • 甘美な、耽美な世界観に、どっぷり浸かれて、蒸せかえるような華々の香りが厭と言うほどしてきます。

    謎解きは、一瞬よく分からなくて読み返したりしたのだけれど、何と無くでしか理解できず、否、そういうものなのかと思い直しました。
    何だか僕には複雑で、絡まった糸を解す余裕もないまま終わってしまって(苦笑)

    最後あたりの"あんなものが何になろう……"って言葉が痛々しくて、甘くて、すき。

  • 服部まゆみ第2作。

    1作目より随分と文章は読みやすくなり、イメージが鮮やか。
    「筋読めてるよね? 切るよ」と言われているような、ばさりと切り捨てられたであろう枝葉末節を読んでみたい。

  •  服部まゆみ追悼読書の第二弾。むせるような夏草の匂い、幼いころ心奪われた洋館の美少女、白皙で異端の作家、ジル=ド=レイ、そしていばら姫とラプンツェル、、、。背徳の妖しい香りがたちこめる、ただただひたすらに耽美で妖艶なゴシック・ロマン。謎解きの要素が用意されてはいるものの、そんなのは些細なこと。作者の美意識がそこかしこに散りばめられた人工的な美の世界に、酔いしれればいい。好き好き大好き。  なぜ私が服部まゆみ作品が好きなのかと言うと、結局は、私も大好きなものがたくさん詰まっているからなのだと、この作品を読んで悟ったわ。ああ、服部さん、、、、涙。その服部さんが今はもういないなんて、、、、涙。 たぶん私、服部作品でこの作品が一番好きだわ。

  • その文体と世界観に、何度も時代設定を見誤りながら読んでいた。
    なんというか、世界観や雰囲気ばかりがものすごく迫ってきて、肝心のミステリー部分に目がいかなかった。
    初の服部作品。
    他のも読んでみよう。

  • 天野喜孝×服部まゆみ、妖美さのハーモニー~

  • 読み終わったけどラストが???なので、よみなおし

  • 遠く、夏にいるような、いたような、すぐそばにあるような。でも、別の世界の事のような。絵画の事を齧っていれば、猶更、内容の美しさに深く入り込めるはず。

  • 熱海の山中の蔦屋敷と呼ばれる洋館で出逢った美しい少女:百合。12年後の夏、画家となった「僕」は彼女と再会する。
    いばら姫、ラプンツェル、青髭、洋館の塔のフレスコ画、愛憎。
    火事や幼児の失踪といったミステリはほんのちょっとした味付け。
    本書に登場するバーン・ジョーンズの絵のような妖しく美しい世界を堪能するための物語。

    近藤史恵さんの「薔薇を拒む」を読み、洋館の美少女という共通点から10年ぶりに再読。
    「……」の多さが気にならなくもない。

  • 文が綺麗ですね。おもしろかったです。

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著者プロフィール

1948年生まれ。版画家。日仏現代美術展でビブリオティック・デ・ザール賞受賞。『時のアラベスク』で横溝正史賞を受賞しデビュー。著書に『この闇と光』、『一八八八 切り裂きジャック』(角川文庫)など。

「2018年 『罪深き緑の夏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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