- 角川書店 (1992年11月6日発売)
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感想 : 276件
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784041800034
作品紹介・あらすじ
アメリカに暮らし、48歳で自殺した高瀬皿男の97本の短編集「N・P」。未収録の98話目を訳していた風美の恋人・庄司も自ら命を絶つ。激しい愛が生んだ奇跡を描く傑作長編。
みんなの感想まとめ
この作品は、難解なテーマを扱いながらも、読者を引き込む力を持っています。主人公の風美や彼女を取り巻くキャラクターたちの複雑な関係性が描かれ、特に自殺という重いテーマが、まるで空気のように自然に語られて...
感想・レビュー・書評
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現在でも色々タブーなことを、この物語の中ではまるで空気のようにさらっと語られていて、進んでいく。ほんとは全然、さらっとでもないのだけど、主人公の受け止め方、関わり方が絶妙なのだと思う。
だから萃も乙彦も咲も惹かれて、いつの間にか頼ってしまうのだと。 難しいテーマなのに、嫌悪感もなく不思議とすんなり溶け込んでいくのは、文章の美しさ、純粋さ、夏という暑くて熱い季節の描写のせいなんだと思う。何度読み返しても、新しい気付きがありそうです。 -
20数年の時を経て、2度目の読了。
読み返してもほぼ内容に記憶がないのですが、当時ものすごく心を揺さぶられたような。
でも今回はあまり心にくることがなくて、これは私の心が疲れすぎているのかもしれない。
また、もう少し心の余裕を作って読んでみたい。 -
N・Pという小説を書いて自殺した小説家の父をもつ3人の子どもらと、その小説の翻訳をして自殺した男の恋人だった主人公とのつながりを描く。
高校生の時に何回も読み直した本。
そのわりにストーリーを覚えていなかったため、約20年ぶりに再読。
なぜかレズの話だと思い込んでいたのだが、そういうわけでもなかった。ただ、主人公の風美を振り回す萃という女性は、あやうげながらも魅力的で、小説N・Pを象徴する人物。二人のやりとりは、友情よりも濃厚なもの。それは、共通の自殺した恋人を持つ者同士、N・Pを心に持ち続ける者同士としての、共鳴というか。
高校生で読んだ時には、それを単純に恋愛だと解釈してレズというイメージを持ったのかもしれない。
咲、乙彦という人物も魅力的。
久々に読んだ感想としては、こんなに散文的だっけ?と思った。短い場面が断片的に、詩集のように繰り返される。きれいな情景で切り取られたそれらは、思春期の子には刺さるんだろうなぁと思うが、きれいすぎるんじゃないか?と思って読んでいた。
でもラストになって「ああ、ここで今までのことを思い出してたから、こんな書き方してたのか」と合点がいく(と私は解釈しました)。ただの散文で終わらず、ラストの乙彦との焚火の前での会話が読後の余韻をひろげていく。言葉にならない感情を、言葉にせずに表現していて、好きだなと思う。
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イメージの中で、よしもとばななさんの本に出てくる登場人物はいつも人が聞いたら心配せずにはいられないような境遇にいることが多い気がします。彼らはそのもがくしかないどうしていいかをまだ考えられないような間、本当に落ち込んで、落ち込んでいるけれど突発的に泣きそうになったり人と思いがけず繋がって生活をしています。でも、あまりに苦しいので、あるいは外部的な要因により仕方なく、死にそうになる。そうした物語の終盤は追いかけるこちらも堪らなく思います。こころの機微がキラキラ散りばめられた文章の中で一層逃れられないような感じがします。
けれど、n.pでも、その他の作品でも(私が読んだ作品では)彼らは奇跡的に死を回避したりギリギリのところで死を選ばなかったりします。その底にあるエネルギーにいつも人間の美しさを魅せられるようです。
また時間が経ったらどんな風に思うのかと、次回読む機会が楽しみです。 -
自我と感性が剥き出しだった思春期と吉本ばななさんのデビューが重なってしまった宿命で、キッチン以来すべての本を読み続けている。
NPはそんなに読み返す事もない本で、そういえばどんな話だっけな、と数十年ぶりに本棚から手に取った。そして驚いた。一字一句、気持ち悪いくらいに覚えていたのである。
当時、どれほどの貪欲さでこの本を読んでいたのか自分で引く……
強烈な夏の印象。ビニールバックに原稿をいれてショートパンツでコピーを取りに行った記憶まで鮮やかに残っている。
翠と確かに過ごした夏。 -
友達に読んでみて、と貸してもらった。初めて吉本ばななさんの作品を読んだ。終始淋しい、という感想。でもなんだかその中にもキラキラしたものがあったなぁ。
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あらすじ読んで面白そうーむかし実家にあったなー。
と思って読んだら、いやこれ読んでたわ。多分高校生くらいの頃…
リリカルな少女漫画みたいな美しさがあるな。
ばななの文章はみずみずしいなあ。 -
再読。ばななさんの初期作品は、なぜこんなに圧倒的にその世界へ引き込まれてしまうのか。ある真夏の空間で、刹那的な翠の存在に、あっけらかんとした咲の明るさに、静かだけれど「起こったことのすべてが、なにもかもが美しい」ラストに、やられてしまった。
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2017/03/16
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毎年夏が来ると必ず読み返してしまう。哀しいような切ないような、夏が始まってから秋が始まるまでのひとつの物語。
自分について、自分が今感じていることについて、家族の歴史について、一冊の本について、移り変わる季節について、傍らにいる者について、失ってしまったものについて…。人は、一瞬一瞬、様々なことを考えながら、時を重ねていく。そのことを意識化し再確認するために、毎年この物語を私は読み返すのかもしれない。そしてまた、夏という特別な季節が私にそうさせる、のかもしれない。 -
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悔しいんだけど、最後まで、リズムが合わなかった。読み終わった後に、夢だったのかな?って感じ。ただもしリズムがピタッとハマったら、この本が、ずっと大切に抱きしめていたい本になるんだろうなというのもわかった。
でもいいんだ、吉本ばななさんの本いつか読んでみたかったから! -
高校生の頃に読んだ吉本ばなな作品をアラフォになった今みた読みたくなった。
一番記憶に残っていて、一番好きな作品。
萃という魅力的だけど危うい女性。そうとは知らず父親と関係を持ち、父親の死後には異母兄弟の乙彦と交際。そして乙彦の子供を妊娠し、自殺を思い止まり別の男性と結婚。
萃は魅力的だけど危うい女性。そうとは知らず父親と関係を持ち、父親の死後には異母兄弟の乙彦と交際。
彼女は機能不全家庭で育ち、ただ親や家族の愛情を求めていたように思う。父親と関係を持ってしまったがために?乙彦とも男女の関係でしか繋がれなかったのではないかと。
今度は自分が親になり子供から無償の愛をもらい欠けた心も満たされるといいな。
最後は主人公の風美と乙彦が海で焚き火をしながら良い雰囲気になって終わるけど、その二人がくっついてもずっと萃の姿がチラついて不健全じゃない?と老婆心ながら心配。
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夏に夏を感じた。
翠 -
夏になるたびに読んでしまう本。
夏の描写が素晴らしくウキウキする。
一番好きなのは銀行のATMの場面。
サキが健康的で好き。 -
大好きな本。何度読み返したかわからない小説です。
ある小説家が遺した一冊の小説に惹かれつつも囚われて呪われた4人の物語。英文学研究室で働く主人公の風美、小説家の子どもの咲と乙彦、乙彦の恋人の翠。わくわくするようで、切なくて濃密なひと夏のお話。
暑くなりはじめた時から、ぎらぎらの夏の日射し、少しずつ涼しくなって終わっていく「夏」の描写がとてもいいです。毎年のようにクーラーの効いた部屋で読む作品。
飲食の表現も印象深い。夏の夜に道端に腰掛けて飲む大きな缶の麦茶、久々の再会時に分けあって食べるカニサラダ、屋上で飲むワイン、美しいラストシーン、そこに出てくるたき火で炙ったビスケット。
いつ読んでも面白いのですが、夏に必ず思い出します。 -
再読。
ストーリーを全く忘れていた。
この暗さとエネルギーがたまらない。 -
10代の頃に読んだ時には、よく分からなかった。
死にたいという気持ちがそんなに身近にあるなんて、
想像できなくて、怖かった。
30代の今は、そういうことも受け入れて読める。
あの時、私はまだまだ子どもだったし、
吉本女史も若かったのだと思う。
文体がとがっている。
でも、インパクトはでかい。
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著者プロフィール
吉本ばななの作品
