アムリタ 下 (角川文庫)

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  • 角川書店 (1997年1月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (306ページ) / ISBN・EAN: 9784041800058

みんなの感想まとめ

微妙で繊細な気分をコラージュしたような描写が特徴の作品は、淡々とした流れの中で主人公の心情や出来事を描き出します。登場人物たちは個性的で魅力があり、エキゾチックな場面ではまるで旅行をしているかのような...

感想・レビュー・書評

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  • 抒情詩みたいな作品。
    「こんな場面は、覚えがある、そう、◯◯みたいな、◯◯のときのような」という微妙で繊細な気分を切り取ってコラージュしたような感覚的な描写が続いていく中で、なんか淡々とできごとが通り過ぎていって、終盤で主人公が唐突にこの話の中でおきた一連のできごとを箇条書きにしてくれて「ああ、こんな流れだったな」と整理できた。
    巻末の解説で沢木耕太郎が「波瀾万丈」と書いていたので、「あっ、これって波瀾万丈だったんだ…?」と思った。
    それくらい淡々と、強い感情の起伏もなく、さらっとふわふわっと、登場人物たちが目の前を流れていった。
    きれいとか美しいとか大好きとか愛してる、とかそういうキラキラとした言葉に満ちている割に、ちっとも心に愛や美や感動が満ちてこなかった。
    なんでだろう。
    うーん、(ここで他の方の感想をずらっと読む)こ、これはきっと私の感受性が鈍くなっているんだろう…
    登場人物たちは、なんとなくマンガっぽいけど、個性的で魅力があった。
    あとサイパンの場面はエキゾチックな空気感が伝わってきて、サイパン旅行している気分になれたのでよかった。

  • 巻末まで読んでようやく”アムリタ”の意味を知るも、えーそんなけ?って呆然とした。
    上巻でおよそ全員の人物が登場し、それぞれの人物紹介がなされた。そして、下巻でそれら登場人物がいろいろと事件を起こす。また、主人公が頭を強打し記憶が飛んだのも元に戻り話が一気に収束へ向かうんだけど、盛り上がることもなくずーっと淡々と事が過ぎる。表現方法が巧みなので一説一説が短歌の如く、それゆえ感情が入らず淡々と読み終える。
    吉本ばななさんの本に感情が一気に盛り上がるようなものはなく、全体を通してこんな感じの本が多いように思う。ただ読んでいてくさくさするようなものやイラっとするようなものがないので気持ちは凪いでいられるから疲れているとこにはおすすめなのかもしれない。

  • ばななの作品は、自選選集でも分かれているように、
    4つに分類できる。オカルト、ラブ、デス、ライフ。
    これは間違いなくオカルトものだ。

    私はばななが好きだけど、それはオカルト以外のこと指してた。

    『アムリタ』は紫式部賞を取ったやつ。
    今更ながら改めて読み直してみた。

    断片毎で、非常に共感できる。けど、時たま入りきれなくて
    流し読みしちゃったりもした。
    でも、小説そのものの筋とか、訴えたいこととか正直どうでも
    よくて、自分の気持ちにぴたっと当てはまる何かが見つけられる
    ことがすごく気持ちいい。ばななは断トツにそれが多い。

    ばななの世界の人間は、汚くないのだ。服を着ていないというか。
    分かりやすく言うと、穢れてなくて清らかで美しい。
    そして何よりも繊細。敏感ではなく、繊細。
    論理や常識じゃなくて、社会や周りじゃなくて、自分が軸で
    心と体がつながっていて、とても人間の三大欲求に従順。

    「だいたい、100パーセント健康な人なんて、いやしない。
    私の孤独は私の宇宙の一部であって、取り除くべき病理じゃないような
    気がする。」(上)

  • 思春期?だった弟君がスポーツ少年に最後はなっててよかったのに

  • 小学生の弟の大人び方がちょっと行き過ぎているのかな?と思う、もっと無邪気にばかみたいにはしゃいでもいいんだよ!と言いたくなる

    アムリタ、読めてよかった
    また大事な本が増えた
    韓国旅行中に読了

  • 世の中にはこれを読んで、分かる、救われると思う人と、なんだこれはと思う人がいるのだと思う。
    普段は自分のことが嫌いだが、この本を読んで共鳴できたことで、初めて自分もわるくないなと思えたような気がする。
    そんな本でした。

  • うーむ、不思議なお話。出てくる人が普通の人じゃなさすぎて、実感わかない。

  • 久々に再読すると、そうそうこんな感じ、とすとんと落ちてくる文章でした。
    真夜中に目覚めたとき、ではなく、ふと本から目を上げたとき、自分が幾つで今どこなのか一瞬思い出せなくてふんわり漂うような心地を久々に味わいました。
    またいつか、ふと読み返したい一冊です。

  • 感覚的なふわふわした感じの小説。小学生の弟がやけに大人っぽい。彼岸を感じて自我に目覚める。そんな話。2015.6.13

  • 真夏を少し過ぎた9月頭の昼下がりに完読。
    とっても良いお天気を外に感じながら読めたので、気分がよかった。

    感受性の強い人たちは生きにくい国だと思う、日本は。そして、それが露骨に出てしまうならなおさら。

    太陽の光って、すごく人を前向きにするんだなと感じた。

  • 目には見えないものは確かにあると思う。
    日々の暮らしの中にそれは溶け込み過ぎていて気づきにくい。

    自分にも、感受性が厄介だと感じる瞬間があったりします。
    それでも生きていきます。
    水をごくごくと飲みながら。

  • (1997.02.22読了)(1997.01.27購入)
    (「BOOK」データベースより)
    変わっていく、私の記憶も、竜一郎という存在も、そして妹の死の意味も。そして心の力を一つ一つひらいていく弟のいとおしさ。陽も、水もなにもかもが、今日が一回しかなくていろんなことが惜しみなくあふれている。流れていく時間の残酷さと生きていく優しさを私は愛する。また、生きるための扉を開く、そこにある輝きに満ちた天気雨の慈雨、神が飲む水アムリタ。紫式部文学賞受賞。

    ☆吉本ばななさんの本(既読)
    「キッチン」吉本ばなな著、福武文庫、1991.10.17
    「うたかた/サンクチュアリ」吉本ばなな著、福武文庫、1991.11.15
    「パイナップリン」吉本ばなな著、角川文庫、1992.01.25
    「白河夜船」吉本ばなな著、福武文庫、1992.02.15
    「N・P」吉本ばなな著、角川文庫、1992.11.10
    「FRUITS BASKET」吉本ばなな著、福武文庫、1993.04.15
    「とかげ」吉本ばなな著、新潮社、1993.04.20
    「アムリタ(上)」吉本ばなな著、角川文庫、1997.01.25

  • 意外と普通な感じに戻るラストが、結構リアリティ。

  • 1997年3月1日読了。

  • 多分、自分が持っている本の中でアムリタが一番再読してるかも。
    このあたりのよしもとばななさんが、とにかく好き。
    欲を言えば、語りすぎの一歩手前の表現が好き。
    何かを思ったり話したりする場面で、やたら具体例が多くあがるよりも、雰囲気だけでとめてくれる方が良い。私は。
    でもなんだかんだやっぱり大好きだから、こんなに読んでしまうんだろうな。
    たとえようのないやる気がむくむくと、静かに湧いてくるお話。
    家族、恋愛、友情、超能力、死、魂・・・。
    どれもテーマのようで、どれでもないような。
    少し変わった日常。うん。そんな感じ。

  • 大人になった今、こどもだったころのことを思い起こすと不思議な何かを感じたり見ていたように思う。

    人は何かから身を守ろうとするとき、それから逃れるための術として不思議なチカラを発揮するのではないかと思う。それは人間に備わった防衛本能なのかもしれない。そして、それを受け入れることが出来るか出来ないか。また、それを感じることが出来るかどうか。

    この姉弟も、何かから逃れるため、何かから身を守るためサイキックといわれる不思議なチカラを感じ、それに右往左往ながら確認作業をするようにして「ありふれた日々」に次第に溶け込んでいくようだった。

    この本に「夕日」の鮮明なる描写が多いのは、もしかしたらそういうことに繋がるのかもしれないと感じた。

  • めちゃくちゃ繊細な本だった。気付きの多い人って、周りよりも疲れてしまうけど、その分たくさんの人やモノの気持ちが分かる。少しは自分も敏感になれるかな。なれたらいいな。

  • 滅多に読まない大好きな本だけど、やっぱりいいなぁ~。久しぶりに読みました。 この本の世界が好き。 醸し出してる雰囲気が好き。

  • ばななさんの小説は、読み終わると舞台となった土地にとても行きたくなります。今回はサイパン。その空気を文字で表せることがとてもうらやましい。

  • ■概略

    変わっていく、私の記憶も、竜一郎という存在も、そして妹の死の意味も。
    そして心の力を一つ一つひらいていく弟のいとおしさ。
    陽も、水もなにもかもが、今日が一回しかなくていろんなことが惜しみなくあふれている。
    流れていく時間の残酷さと生きていく優しさを私は愛する。
    また、生きるための扉を開く、そこにある輝きに満ちた天気雨の慈雨、神が飲む水アムリタ。

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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