- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041800058
感想・レビュー・書評
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久々に再読すると、そうそうこんな感じ、とすとんと落ちてくる文章でした。
真夜中に目覚めたとき、ではなく、ふと本から目を上げたとき、自分が幾つで今どこなのか一瞬思い出せなくてふんわり漂うような心地を久々に味わいました。
またいつか、ふと読み返したい一冊です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
感覚的なふわふわした感じの小説。小学生の弟がやけに大人っぽい。彼岸を感じて自我に目覚める。そんな話。2015.6.13
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意外と普通な感じに戻るラストが、結構リアリティ。
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■概略
変わっていく、私の記憶も、竜一郎という存在も、そして妹の死の意味も。
そして心の力を一つ一つひらいていく弟のいとおしさ。
陽も、水もなにもかもが、今日が一回しかなくていろんなことが惜しみなくあふれている。
流れていく時間の残酷さと生きていく優しさを私は愛する。
また、生きるための扉を開く、そこにある輝きに満ちた天気雨の慈雨、神が飲む水アムリタ。 -
すんなり受け入れがたい個性(?)の人が沢山…というか、そういう人しか出てこないのに、なぜかリアル。
全く違和感無く、私のそばにも居そうな気がする。
「明日も、どこかで目覚めよう。」 -
本人も書いていたけれど、本当に荒削りでびっくりした。
書きたいことを書ききるために長編になったというよりも、書けなくてもどかしくて
筆をおくことができず、この長さになってしまったという感じがする。
テーマ(生きるために感じ続けるべきこと、生の不思議、死について)は繰り返し
露骨なまでに提示されているのに、そのためかしっくりこなかった。
「生きることは水をごくごく飲むようなもの」という表現が唯一しっくりきたかな。
鳥肌が立ったし、初めて真由の死が惜しいものとして胸に迫ってきた。
残念なことに、死者である真由にいちばん感情移入してしまったので
旅行をすることが多いせいかもしれないけれど、季節の流れやできごとのつながりが
曖昧で、長い割に断片的な印象の強い小説だった。 -
久々に上下巻通して読んだ。
残念ながら話の流れが上巻に比べてまったり。
それぞれのキャラはいいな。
きしめんのおおらかさも、メスマ氏の哀しさも。
あと記憶を取り戻す場面もいいので印象は悪くないんだけど。 -
へんな言い方だけど、感受性があふれて止まらない、そんな印象。
不思議な力だとか、霊だとか、強すぎる感受性とか、そういうものを持ち合わせてない読者を、時々置きざりにしてしまうような。
上巻は普通に読めましたが、下巻はちょっとしんどくなってくる。
でもばななさんの思いが溢れてる作品です。 -
超能力やら幽霊やらの話。人と人の心って、繊維みたいななにか柔らかくてとても細いもので繋がっているのかな。そうだったら良いなと思った。
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読み終わった瞬間は珍しく雨が降っていた
なんとなく上巻のほうが好きだったかもしれない
2009.2.18