キッチン (角川文庫)

著者 :
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本棚登録 : 13002
レビュー : 1529
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041800089

作品紹介・あらすじ

家族という、確かにあったものが年月の中でひとりひとり減っていって、自分がひとりここにいるのだと、ふと思い出すと目の前にあるものがすべて、うそに見えてくる-。唯一の肉親の祖母を亡くしたみかげが、祖母と仲の良かった雄一とその母(実は父親)の家に同居する。日々のくらしの中、何気ない二人の優しさにみかげは孤独な心を和ませていくのだが…。世界二十五国で翻訳され、読みつがれる永遠のベスト・セラー小説。泉鏡花文学賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 死 をとりまくお話が、2編。
    はじめて読んだか、中学生以来に読みました。(あまりおぼえていない)
    「ムーンライト・シャドウ」で泣いてしまった・・・
    とても、とてもつらいこともあるけれど、しっかりと前を向いて生きていこうとする登場人物たちの強さが、伝わってきました。
    吉本ばななは、切り取って部屋に飾っておきたい文章ばかり書くなあ。

  • 言葉がきれいでひとつひとつ連なって文章になっている感じ。ムーンライトシャドウ、本当に自分が大切な人を失ったみたいな気分になった。時間が経ってもその感覚が抜けなくて、今の自分の状態が普通じゃない幸せなんだと思った。相手のちょっと嫌なとこなんて、そこにいてくれるんならそれでいいと思えた。会いに行けば抱きしめてくれる、それで充分。吉本ばななさんもっと読もう。

  • 読まず嫌いで読んでいませんでしたが、とうとう読んでしまった!

    感想→マジメに泣いた。

    すごくイイ。ごめんなさい、私が間違っていました。
    一気にファンになりました。

  • 生きることと愛すること,食べることと,失うこと.

    初めて読んだのは高校一年生の時,学校の推薦図書に指定されていたからだった気がする.その時もすっかり気に入ってしまって,最初は図書室で借りていたけれども,すぐ本屋さんに走った.大学生になって塾講師のアルバイトをしていたとき,たくさんの生徒に読んでもらいたくて塾に寄贈した.
    そして最近,もう一度買うか迷って,電子書籍を買った.ハイライトが引けるのはいいものですよね.便利な時代になったもんだ.

    こうやって振り返ると,やっぱりこの本は私の原点というか,根幹に近いものなんだなあとすごく思う.こんなに長い年月を経て,繰り返し読む本は,この本以外には存在しない.だいたいのストーリーはもう頭に入っているのに,それでもこの本を開くのは,この文体に込められた空気を,とても愛おしく思うからだと思う.

    幸い親戚もまだ皆元気だし,近しい友人や恋人を亡くした経験は私にはないけれど.だからこの本の真価が分かるのも,当分先なのかもしれない.それでも,みかげの考え方ひいては著者の感受性がとても好きだ.みかげや雄一の誠実さ,こんなに人間臭いのに空虚なところが,相手のことを考えて突発的に行動してしまうところも,本当に大好きだ.

    好きな本は?と聞かれたとき,すぐにこの本が浮かぶけれども,いざ説明しようとするとどうしてもうまく伝えることが出来ない.
    文体が好き?雰囲気が好き?空気が好き?ってなんなんだよってなる.
    でも空気を見つめることが出来ないように,私はこの本への愛をもしや一生,言い表すことが出来ないのかもしれない.

  • キッチンを読んでみかげが雄一にカツ丼を届けに行ったときにふたりが繋がったって感じました
    勝手にわたしは吉本ばななさんの本に人と人の心が繋がる瞬間を感じるのですが、その吉本ばななさんの本の人と人の心が繋がる瞬間がすごく素敵で大好きです

  • しばらくぶりに再読。「満月ーキッチン2」が特によかった。自分の持てなかったものを持っている女性たちに対する視線が自分のそれと重なり、「人はその人を生きるようにできている」のだと。逃れようと頑張っても結局はそうなってしまう自分の生まれや育ちからくる人生を受け止め、歩み、時たま見られる美しいものを大切にしていくしかないのだ。「起きて、着替え、また現実の一日へスタートする。くりかえり、くりかえしスタートする。」
    もう生きてはいけないくらいどん底の状況でも、生きる。必ず。

  • ドストエフスキーをひとしきり読んだあとに飛び込んできた小世界。もっと悪いことが、もっともっと悪いことが起こる、と邪推しながら読んでいくが、作者はそれを文字にしない(し、物語そのものに暗いトーンをまぶすことを良しとしなかったと思う)。

    みかげが雄一の家を出なければならないと決めたのは、そのありがたさを知りたかったからだと思う。

    この小説はいかにも時系列順に書いてあるようにも見えるが、不思議なことに、イベントの順序をある程度入れ替えることができる可能性を秘めている。氷の刀ではらわたを抉られるような描写があるかと思えば、時間の不確定性が全体にふんわりとした印象をもたらしながら、のっぺりと話が進んでいく。

  • 独特のリズムを持つ文体で、大切な人を失い続ける主人公の物語が綴られています。タイトルにもなっている台所が、物語の随所に舞台として登場するのは、大切な人を失い世界がどれだけ変容しようとも、相変わらず人はものを食べ、日常を送って生きることを続けていかねばならず、その「食べること」や「日常」の象徴として台所が描かれたのかなとぼんやり思いました。好みの分かれるテンポの文体が、個人的にはとても心地良かったです。

  • ふーんって感じ。もう一回読んでみよ。

  • 再読。大好きな小説。
    概ね間違ってない記憶だった。

    こんな大人になって読むと
    色合いが変わって見えるものだ。

    暗くもなく、明るくもなく、
    現実と夢を行ったり来たりする
    不思議な色合い。

    読みながら、この本が発売された頃を
    思い出したりもした。

    私はあの頃と何か変わったのだろうか。
    わからないけれど。

    ま、変わってるよね。20代じゃないし。

    初めて読んだときは、
    自分と同じ年齢の人がこんなの書くんだぁと
    びっくりしたことを覚えている。

    最近のばなな女史の作品はどんな感じなんだろう
    アムリタくらいまではついて行ったんだけどなぁ・・・

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プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

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