キッチン (角川文庫)

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レビュー : 1592
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041800089

感想・レビュー・書評

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  • ばななさんの作品はいつも死生観をどう持つか考えさせてもらえる。

    そして死との向き合い方に正解なんてものはないんだって気づかせてくれる。

    「今を力強く生きる」、「今を大切に生きる」なんてありふれた言葉しか出てこないのが悔しいけど、作品を読んでそう思った。

    「私は幸せになりたい。長い間、川底をさらい続ける苦労よりも、手にしたひと握りの砂金に心うばわれる。そして、私の愛する人たちがすべて今より幸せになるといいと思う。」

    まだ胸が痛むなか、さつきが次へと向かうこの言葉が好きです。

  • 目を背けてしまうことも多いけれど、死は身近にあって、それは突然訪れる。もちろん、そこには逝ってしまった人の無念もあるけれど、残された人の寂しさもある。そんな、残された人の心境を生活感を出しながら描いた一冊。

  • 吉本ばななのキッチンが死生観が表れている小説だという話を聞いて、昔読んだはずなのにそういう印象は残っていなかったので、気になって読み直してみた。当時、読んだ本の感想をいちいち残していたんだけど、この小説だけ見つからなくて、きっとそれは言葉に表現されている感情ひとつひとつの意味合いをきちんと解釈できなかったからかなと思う。登場人物たちの思うところまで到達できない。感情の機微の表現がとても細かくて、共感することもあるけれど、そこまで深く考えてしまうのか、と驚いたり、理解に苦しんでしまうこともある。また何年後かに見返したときに、もっと深く、共感できたらよいな、と思う。でも、最後のカツ丼みたいなこと、まああるよね。

  • 再読。10代の頃読んだ時の感想を全然覚えていないけど、セーラー服のくだりだけは覚えていた!あの頃はどんな感想を持ったのだろう。先日読んだ「哀しい予感」と同じく、前に進む物語。

  • しばらくぶりに再読。「満月ーキッチン2」が特によかった。自分の持てなかったものを持っている女性たちに対する視線が自分のそれと重なり、「人はその人を生きるようにできている」のだと。逃れようと頑張っても結局はそうなってしまう自分の生まれや育ちからくる人生を受け止め、歩み、時たま見られる美しいものを大切にしていくしかないのだ。「起きて、着替え、また現実の一日へスタートする。くりかえり、くりかえしスタートする。」
    もう生きてはいけないくらいどん底の状況でも、生きる。必ず。

  • 積読本。静かに静かに読み終えました。これからも大切な本になってくれそうです。ありがとう、ばななさん。

  • 読み終えた後にカツ丼が食べたくなりました。笑

    「苦難」と「喪失」がテーマの短編小説。
    自分の状況と重ねて読むと心がズキズキと痛みましたが、力強い言葉が数多く散りばめられていて、少し背中を押されたような気がします。

    後書きにて、「克服と成長は個人の魂の記録であり、希望や可能性のすべて」だと吉本さんは述べております。そして、これ伝えるためだけに小説書き続けているのだと。

    本当にそれがストレートに伝わってくるお話でした。

    えりこさんマインドがとにかく素敵。

  • 役名:田辺雄一

    この微妙な生暖かい救われる雰囲気を映像化できるのは彼しかいない。見たい。

  • 何度読んでも、また読みたいと思う。静謐さに包まれたい時に。ひとり、眠れない夜に。

  • 吉本ばななで指折り

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著者プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

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