キッチン (角川文庫)

著者 :
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レビュー : 1589
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041800089

感想・レビュー・書評

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  • 【あらすじ】
    唯一の残された家族だった祖母の他界で、一人ぼっちになってしまったみかげ。
    何故か急に、祖母の行きつけの花屋でアルバイトをしていた雄一の家に居候することになった。雄一やその親との交流を通し、みかげはゆっくりと孤独から救われていくのだった。
    しかし、共同生活を終えて間も無く、ふたたび親しい人の死が起きる。ゆるやかに支え合うみかげと雄一は、その曖昧な関係を確かめ合うように、食事を共にするのだった。

    【好きな台詞・シーン】
    p.135 本当のいい思い出はいつも生きて光る。時間がたつごとに切なく息づく。いくつもの昼と夜、私たちは共に食事をした。
    (中略)
    「どうして君とものを食うと、こんなにおいしいのかな。」
    (中略)
    「きっと、家族だからだよ。」

    【こんな人にオススメ】
    ✔️人の死や孤独について、重く悲しい話ではなく、あたたかな話を通して考えを深めたい人
    ✔️美しい日本語表現を楽しみたい人
    ✔️吉本ばなな初挑戦の人
    ✔️料理や食に興味がある人

  • 文庫を買って20年ぶりに読み直したけど
    すっかり内容は忘れていて
    まったく新しい気持ちで読みました

    ばななさんの物語は常に生と死が隣り合わせで
    特に死の闇の深さ、どうしようもなさが随所に出てくる
    もし喪失したばかりの当事者だったら
    読めなかったかもしれないな

    それでも当時を振り返らずにはいられないし
    自分のこころとからだが
    どれほど苦しんで
    乗り越えたかどうかもわからないまま
    今日ここにいるのか
    そのあたりのことが物語として描かれていると
    自分に起きたあれやこれも
    客観的に捉えられるかもしれないね

    別の本も読んでみようかな
    死人ばかり出てきてうんざりするまでは

  • 読んでいて悲しいはずなのに温かくなるのは
    キッチンだけだと思う

  • かけがえのない人を失ってしまった主人公が、「孤独」「死」と隣り合わせの日常の中で、人の淋しさ、優しさに触れ、心を潤わせていく物語。

    1.2編のキッチンは、たわいない日常の中で、雄一、えりこさん …様々な人と繋がり、固まった心が少しずつ息を吹き返していく。じんわりとストーリーに吸い込まれていき、読みやすかった。
    3編のムーンライト・シャドウは、「死」の精神世界が、ファンタジーっぽく展開し、私にはちょっと馴染みにくかった。

    生きなければいけない、前を向きたい、そんな時にオススメしたい1冊でした。

  • 某所読書会課題図書.「キッチン」では,桜井みかげが祖母をなくして,田辺雄一の家に転がり込む所から話が展開するが,雄一の母えり子が男であるのが,妙な感じではあるものの,なぜがしっくりくる.事件といえば,雄一の友達の奥野が現れる所だが,周りの人たちの支援で乗り越える.「キッチン2」と題された「満月」では,えり子が死ぬが,雄一との付かず離れずの関係が続く.最後の"カツ丼"事件が楽しい.「ムーンライト・シャドウ」では等・柊兄弟にさつき,ゆみこ,うららが出てくるが,さつきとうららの出会いからほのぼのとした話が展開する.なぜがホッとする感じだ.

  • たぶん13歳か14歳の時に読んだ本。
    あれから数年経って、また数回読んだけど
    未だに何がここまでわたしの心を揺さぶるのか解らないまま。
    ただ読み終えるとどうしようもなく切なくなる。
    よしもとばななさんの物語はいつだって命の終わりを思い知らされる。

  • 心の片隅に閉まっておきたい物語。

  • 有名な作品をいまさらながら読了。この方の言葉選びはやはりとてもやさしくて綺麗だな、と思います。大切な人を亡くした孤独を抱えながらあやういプラトニックな関係を保つみかげと雄一の関係性が、かなり不安定で歪なのにこのやわらかな言葉遣いで丁寧に包んでいます。読むと優しい気持ちになる本です。

  • ばななさんの作品はいつも死生観をどう持つか考えさせてもらえる。

    そして死との向き合い方に正解なんてものはないんだって気づかせてくれる。

    「今を力強く生きる」、「今を大切に生きる」なんてありふれた言葉しか出てこないのが悔しいけど、作品を読んでそう思った。

    「私は幸せになりたい。長い間、川底をさらい続ける苦労よりも、手にしたひと握りの砂金に心うばわれる。そして、私の愛する人たちがすべて今より幸せになるといいと思う。」

    まだ胸が痛むなか、さつきが次へと向かうこの言葉が好きです。

  • 再読。10代の頃読んだ時の感想を全然覚えていないけど、セーラー服のくだりだけは覚えていた!あの頃はどんな感想を持ったのだろう。先日読んだ「哀しい予感」と同じく、前に進む物語。

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著者プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

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