キッチン (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 13855
レビュー : 1589
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041800089

感想・レビュー・書評

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  • キッチン
    ことばのチョイス、風景の描写、散りばめられたユーモア、全てが丁寧で優しく美しく、読み進めるのがもったいないと思えるほど好みでした。
    予想を次々と軽く超えてくる重さや悲しさも、さり気ないけれど強い筆力で読み手に決して絶望させることなく読み続けさせる。最後のシーンの言葉のやりとりに涙が溢れた。

    美味しいものを一緒に食べることってとっても素敵なことなんだと思った。

    ムーンライト・シャドウ
    辛くて辛くて悲しかった。
    だけどそれだけじゃなかった。
    悲しいファンタジーのようなお話だったけれど、それでも日々は過ぎるし、あとがきにかかれていたように、どんな深い悲しみも時間がたつと同じように悲しくはないはずだって思えたし、生きるっていうことをとても考えた。

  • 風が吹いている気持ちいい夜に読むと最高〜〜〜!!!!

  • 吉本ばななさん、初めて読んだ。
    近い人の死を乗り越える、2件の話構成。
    感性フルな作家さん。好きになった。

    1件目。主人公はこの世で一番台所が好き。どこのどんなのでも、それが台所であればつらくない。いつか死ぬ時が来たら、台所で息絶えたいと思う。心を安らかに保つ場所が、彼女にとっては台所。一般的ではなさそうな場所を、それでいいとして設定するところがまず、いい。

    30年も前に書かれた本に、愛した女性の死を乗り越え性転換した男性を登場させるところも、いい。万年筆と恋人に対する愛情が同質な人もいるかもしれない、という表現で、愛の質や重みを本人以外が量ることなどできないと触れるところも。
    生まれてからずっと幸せを生きる人がいる一方で、主人公は死を孤独を常に近くに感じて生きてきた(と、本人は思っている)。切り立った崖っぷちを歩き、国道に出てほっと息をつき見上げる月の美しさを知ってしまった主人公は、だからこの先も後者の生き方をしたいと思う。いい。

    2件目。突然恋人を失った主人公。恋人と兄を失った、恋人の変わった弟。大事な人を失っても日々は続いていくから、ちゃんと切り替えなきゃいけないという普通の話なのだが、その境地に至るまでの描き方がいい。主人公の最後の語りが特に好き。

    2件とも、多様性をそれでいいとして、むしろ魅力的なものとして描いている。いい。日に当たって生きる人にはもしかするとわからない次元の感性が描かれている。死を乗り越える話なのに、暗くないところも好きだ。

  • キラキラがちりばめられてる。


    んー!
    ムーンライト・シャドウの方が好きかも。
    素敵な言い回しや、描写や、表現が沢山あって、
    凄く好きだった。
    何度も何度も読み返したい。

    そののちのこと
    も良かったなあ。

  • よしもとばななさんの言葉使いのファンです。
    共感してくださる方、コメントなんでも待ってます。

    「その人はその人を生きるようにできている。
    幸福とは、自分が実はひとりだということを
    なるべく感じなくていい人生だ。」
    *この本は、本文のこの言葉に尽きます。
    更に、「なるべく」と言ってるところが、吉本ばななさんの配慮とか気遣いがみれて、深いなと思います。

    「いやなことがめぐってくる率は決して変わんない。
    自分では決められない。だから、他のことはきっぱりと、
    むちゃくちゃ明るくしたほうがいい」
    *この言葉には希望を見せられます、こういう生き方過ごし方をしたいとずっと思って生きてたので、答えあわせしているみたいでした。

    「もうたくさんだと思いながら見上げる月明かりの
    心に染み入るような美しさを、私は知っている。」
    *うわー、わかるわ。と思った言葉。
    感性の豊かさを教えてもらいました。

    「くせ毛を治したくてドライヤーをかける
    ばかみたいにまじめな鏡の中の顔も知っている」
    よしもとばななさんは愛のある人なんだろうと察しました。

  • 2回目読了。
    人の死と、そこに佇む場所を絡めたストーリー。心にグッとくる作品だ。また読み返すだろう。

  • 何度も読んでいるのに登録してなかった
    学部のころ友達が言及していたので手にとったくらいの本だったけど、気づけば何度も読んでいる。深夜に文学的な気持ちで目が覚めて読み始め、そのままカラスが鳴く頃に読み終えるということをやっている。
    ここに描かれているものの懐かしさについてや悲しさや愛しさの感じ方を自分の中に見ては、世の中まだまだ捨てたもんじゃないかもしれないと思わせてくれる。こんなふうに瞬間の心の動きを切り取れる人の本をもっと読みたい

  • これ以上ないと言うくらいの辛い出来事が、人生には度々起こる。
    そういう誰にも起こり得るどうしようもない理不尽に対して、その痛みを和らげるための方法を筆者自身も必死に模索している姿勢を感じました。
    あまりの優しい物語りに感動したし、他の作品も読んでみたいです。

    いつかは来てしまうだろう自分にとって大切な人がいなくなってしまった時に、
    もう一度読む様覚えておきたい。

  • 若い頃に一度読んでたけど、こんなにいい小説だったか。

    大切なものを、より大切に思える作品だと思った。‬

  • 中学くらいに初めてこの本で現代文学的なものを読んで、それまで読んでいたものとの字体や次元の違いにとまどった。でもなぜかそれまでの自分とはかけ離れているけれどなんとなくわかるようなさみしさや強さを感じる世界に憧れ、ずっと手元に置いている大切な本。

著者プロフィール

吉本ばなな(本名:吉本 真秀子 よしもと まほこ、旧筆名:よしもと ばなな)
1964年、東京都生まれの作家。日本大学芸術学部文芸学科卒業。卒業制作の「ムーンライト・シャドウ」が日大芸術学部長賞を受賞。また「キッチン」で第6回海燕新人文学賞を受賞、デビュー作となる。
1989年『TUGUMI』で山本周五郎賞を受賞。1996年イタリアのフェンディッシメ文学賞(35歳以下部門)、1999年イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門を受賞。2000年『不倫と南米』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。その他代表作に、映画化された『アルゼンチンババア』などがある。
海外での評価が高く、著作が多くの国で翻訳されてきた。

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