黄昏の悪夢: 自選恐怖小説集 (角川ホラー文庫 23-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041804056

感想・レビュー・書評

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  • 清水さん久々に読んだ。
    味わいある短編集。。

  • 唯我独存。「これを読めば同じことを考えている人がいるってことがわかるよ」と、母に勧められた。
    P156
    「みんなが、存在しているふりをしてぼくを騙しているんじゃないか」
    この部分と全く同じことを長い間考えていた。
    多分、こんなことを考えているのは自分だけだろうと思い、どこか恥ずかしくて母に言うまで、この考えを誰にも話したことはなかった。
    しかし、僕が生まれる以前から唯我論というのは存在していたので、人間が考えることは結局みんな一緒なんだなと少し安心し、少し落胆もした。

    全体としてどの話も読み応えがあり、夢中になって読めた。「靄の中の終章」は自分まで記憶があやふやになっていくような気がした。
    復讐病棟は世にも奇妙な物語で放送されていたものと展開が違い、どちらかというと放送されたもののほうが怖かった。

    ホラーといいながら、グロテスクな内容ではなかったので読みやすかった。

    一番怖かったのは…


    唯我独存の主人公の下の名前が僕の名前と漢字は違うが同じだったことだ。

  •  図書館から借りました

     日常ホラー。短編集。

     老いと、痴呆を扱った、リアルな怖さ。
     病院で、リアルでおきることはまずないにしろ、けっしてないとはいいきれない怖さ。
     隣の家に届け物に来た女の、変な言動と押しつけられた食べ物。その隣に住んでる当の男が主人公に問う。「あの女、包丁とかもってなかった?」怖いだろうなー、けっしてないことはない、闇だから。

  • なんとなくジワジワと恐ろしくなっていく感じが清水義範らしくて良かった。

    特に『黄昏の悪夢』『霧の中の終章』『復讐病棟』は何気ない恐ろしさなのでなおさら怖い。

    また、『こわい話』でスティーブンキングの小説の恐ろしさは暴力への怯えである、といっていたのは成る程と思った。

  • このほん、たなぞうでは誰も見向きもして無いだろうなぁ、と思って検索してみると案の定です。みなさん、清水義範の作品は面白いですよ。よく言えば変に難しい書き方は絶対にしない。実に解りやすい文章/小説を読ませてくれる作家です。で、この本は自選の「こわいお話短編集」なのですが、こわい 言っても本格的なホラー小説ではありません。SFも入った清水義範が思う「こわい設定/結末」の作品集です。面白いと思います。

  • 「唯我独存」

  • おもしろかった!

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著者プロフィール

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により第62回中日文化賞受賞。『永遠のジャック&ベティ』『金鯱の夢』『虚構市立不条理中学校』『朦朧戦記』等著書多数。また西原理恵子との共著として『おもしろくても理科』『どうころんでも社会科』『いやでも楽しめる算数』『はじめてわかる国語』などがある。

「2021年 『MONEY 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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