花嫁の指輪 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
3.17
  • (0)
  • (1)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 19
感想 : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041813096

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • エッセイのような香りの8つの短編。
    特に「遠い記憶」と「夏の終り」は心に残りました。

    ■遠い記憶
    元彼女が映った写真が同封された手紙を、赤い自転車に乗り持参した初対面の女性に招かれ、男が彼女の家を訪れます。
    初めて訪れた広い家で落ちつかず、腰をあげようと思いつつ、彼女にひきとめられ、ついつい時を過ごしてしまう1日の不思議な物語。

    ■夏の終り
    横田基地でアメリカ人に混じってバンドに参加している20歳の<僕>。
    すたれゆく音楽と、もうひとりの日本人メンバー<原口>の転身。英語が達者な原口なしでは、<僕>はバンドにとどまることができません。

    どこか投げやりな男性が登場する淡々とした作品が多いのに、
    彼にどこか惹かれてしまうのは、その日その日を生きている実感が伝わるからです。

    時代背景は違っても、先の見えない日々をおくる若者の虚脱感は、力強さこそありませんが生々しさが感じられます。

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

沢野ひとし(さわのひとし):1944年愛知県生まれ。イラストレーター、エッセイスト、絵本作家。第22回講談社出版文化賞さしえ賞受賞。著書に『中国銀河鉄道の旅』(本の雑誌社)、『人生のことはすべて山に学んだ』(角川文庫)、『ジジイの片づけ』(集英社クリエイティブ)、『真夏の刺身弁当 旅は道連れ世は情け』(産業編集センター)ほか多数。絵本に『だんごむしのダディ ダンダン』(おのりえん 作/福音館書店)、『しいちゃん』(友部正人 文/フェリシモ出版)など。

「2021年 『そらと うみと ぐうちゃんと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

沢野ひとしの作品

ツイートする
×