サヨナラおもちゃ箱 (角川文庫 た 26-2)

著者 :
  • KADOKAWA
3.63
  • (4)
  • (4)
  • (6)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 38
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041819029

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • リリコが大切にしていた犬の人形を壊してしまったタコ。
    ところが、ある晩、リリコがふと目覚めると隣りに寝ているはずのタコが消えてしまっていた!!
    驚くリリコの前に現れた一人の少年。彼は人形たちがタコを連れ去ったとリリコに告げた。
    リリコは、タコを救いに、そして、自分自身を捜しに不思議の扉のむこうへ旅に出た......。
    リリコとタコと<愛>をめぐるファンタジー童話!!

    大好きな本です。
    小学生の時に初めて読み、面白くて夢中で読みました。何回読んでも飽きません。

  • 新婚ほやほや、夫のタカカズことタコと二人暮らしをスタートさせたリリコ。しかし一週間も経たないうちに二人の仲はギクシャクし始める。そんななか、陶器の犬のペコをタコが壊してしまった夜、タコは“リリコ人形”率いるおもちゃ箱の人形達にさらわれてしまった!? タコを救出するため、リリコと犬少年のペコ、サボテン少年のサボタンたちの冒険が始まる。摩訶不思議な国々を訪ねる一行はタコを取り戻すことが出来るのか? ファンタジーな作風でおなじみのシンガーソングライター・谷山浩子の初の長編ストーリー!

    読みたい本ってのが、積読いっぱいのくせになくて……どうも読書欲を失って久しいようで。でも何か読んでないと気持ち悪くて最近浩子さんのコンサートに行ったし、積読してる浩子さんの崩そう、薄いからすぐ終わりそうだし。と手にとったのがこちらでした。
    浩子さん初の長編らしい。まさしく「おもちゃ箱」のタイトルにふさわしくいろんな人形やぬいぐるみが住むオカシくて不思議な国が舞台。次から次へと繰り出されるヘンテコなキャラクターにナンセンスな展開は実に浩子さんらしい。浩子さんのヘンな曲をそのまま小説化してしまったかのようです。竹取の国の人形を収穫するのなんて「お人形畑」を思い出した。
    犬少年のペコ、サボテン少年のサボタン、ハリガネ人形のプーキーとリリコが旅するのはちょっとオズの魔法使いみたいですね。特に好きなのは鉱物区のエピソードで婚約指輪と結婚指輪がリリコを助けてくれて、クライマックスでも鍵となるところ。
    ラスボスのリリコ人形であるミトセは怖かったけど切なかった。リリコがタコを助ける時、わたしは人間だから人間と一緒に生きたい、でも寂しくなったときはあなたたちを思い出す、だってあなたたちはわたし自身だからって言ったのに感動した……いつも思うんだけど浩子さんはファンタジーを大事にしながら、ちゃんと人として現実を生きることも大事に考えてるんだよね。これは前に読んだお昼寝宮お散歩宮でもひとりでお帰りもそうだなって思ってる。
    エピローグは切なかったなーでもほっこりした。後書き読んでエー浩子さんそんな感じで小説書けちゃったの、と驚いた。わたしももっとラクに小説を書きたいものだ。

  • 新婚の主人公さんと夫さん、主人公が大切にしていた人形たち、をめぐるファンタジーというかメルヘン中長編。
    とてもシンプルな探し物のお話で、文章もやわらかくて軽く読めるけど、それだけまっすぐ伝わってくるこころのファンタジーです。
    まとめ部分はちょっと急ぎ足だったかな。良くも悪くも小さなお話だね。

  • リリコのところに旦那さんのタコが転がり込むようにして始まった新婚生活だが、リリコは自分の場所が侵食されるような気がしてきてしまい、モヤモヤ……。そんなリリコの気持ちを汲み取ったリリコの宝物たちが、夜中にタコを捨てにいってしまった。慌ててリリコはタコを助けに、自分の心の世界へ旅立つ。
    う~ん……。谷山浩子にしてはポップな要素が強い。最後もかなり丸くおさめている。サボタンがかわいい。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

シンガーソングライター。東京都出身。1972年にシングル「銀河系はやっぱりまわってる」、アルバム『静かでいいな~谷山浩子15の世界~』をキングレコードからリリースするなど、早くからその才能を発揮する。現在までに40作品以上のオリジナルアルバムをリリース。その独自の高い音楽性は根強いファンを獲得している。
NHK「みんなのうた」「おかあさんといっしょ」やCF、また「オールナイトニッポン」をはじめとするラジオ番組のパーソナリティー、童話、エッセイ、小説の執筆など、その活動範囲はますます拡大している。近年は、映画『ゲド戦記』の挿入歌「テルーの唄」、映画「コクリコ坂から」の劇中挿入歌の楽曲提供を担当するほか、斉藤由貴、手嶌葵、持田香織(Every Little Thing)、声優の豊崎愛生、今井麻美、上坂すみれへの楽曲提供など作家としての活動も著しい。
2022年4月にデビュー50周年を迎え、コンサートや執筆など精力的に活動している。谷山浩子公式YouTubeチャンネルで、音声のみの番組「谷山浩子のSORAMIMI ラジオ」配信中。

「2023年 『ヒロコとニャンコと音楽の魔法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

谷山浩子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×