ドールハウス (角川文庫)

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本棚登録 : 273
レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041835050

作品紹介・あらすじ

理加子は29歳になっても髪をのばすことも、気ままに電話することも両親から禁止されている。そんな彼女の前に江木という男が現れ、強引に接近してくる……。「毒親育ち」を扱った先駆けの小説。

感想・レビュー・書評

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  • 姫野カオルコさんの処女三部作の第1巻
    両親の特殊な身勝手な考え方に縛られている理加子
    どうして?どうしてそこまで・・・と
    腑に落ちず、落ち着かない気持ちで読み進める
    普通って何だろう、
    普通って、楽ってことかな
    未熟な恋をして傷ついて
    やっと本当の気持ちに気がつく理加子に
    ホッとして読み終わった

  • いわゆる毒親をもつ主人公の成長物語。恋人との出会いと別れを通じて成長していく。

  • 普通の恋愛小説と思って読んでたら、普通の恋愛小説ではなかった、というか恋愛小説と思って書かれては無いんですね これ。

    ちゃんと伏線はあったけど、何も疑わずに読んでた、普通に結ばれるエンドかと思ってた。

    主人公は、親から逃げる為に、相手の男性を無理やり好きだと思い込んでる。感じかな
    親からも、相手の男性からも逃れることで、自分を確立できたね。

  • 読んでいてもどかしく、苦しくも、最後の主人公の痛快な笑いによって、読後は救われる小説。題名の通り、まさに現代の『人形の家』か。

    あとがきにあったように、未熟を掬う(救うではない)物語である。的確に描写する=掬うほど、救いになることはない。その順番を間違えてはいけない。

  • 家族との距離感が歪なもの。
    それは枠から外れた部外者が見たらわかるけれど、その中に入っているドールハウスの人形たちは気が付かないのだろうな。
    江木がどうしようもなくダメな男だとは思わない。普通の男だ。自分が心地よいほうに傾いていくのは仕方がない。
    どうしようもなくダメなのは里加子の方だ。彼女の家族の方だ。でも仕方がない、普通って難しいよね。
    最後が救いのある終わり方で良かった。
    一人暮らしをして、彼女の親が顔をしかめる不良なことをいっぱい経験してねとエールを送りたい。

  • 私も父親に性を封じられ生きてきたので、よく分かる。そのせいで内なる健やかな性が私の中でねじれているのも気付いていた。


    きみだけには夢を語ろう、今まで何人もの女に見せてきたのだろう、技巧として見せるわけではなく、彼の内の健やかな性の神経は無意識に女に媚態を示し得るのだ。

    だが、見せかけて、さりげなくにおわせる行為にたまらない不潔さを、リカコは感じた。

    女になりたい。
    すねたりむくれたりウィンドーに飾られた赤いハイヒールが欲しいと言ったりしてみたかった。頭脳ではなく肉体で考えるひとときが欲しかった。

  • 毒親に支配され縛り付けられた29歳の女性が主人公の物語。
    一人の男性と出会ったことで良い方向に変わって行くと思ったが…。
    今後に幸あらんことを、と願ってしまいました。

  • この人の本は毎度毎度世界観がすごい。なんとも言えない感じなんだけど、視点というか何というか。普通という目線を、普通じゃない視点から描くっていうすごい技法。

    なんか自分が普通なのか普通じゃないのかわからなくなるほどに、何が普通か基準がズレてくる。

    どこの視点が普通で違うのかわからなくなる。

    どんな風に展開するのか、ラストまで結構ハラハラします。なんとも言えない、アルミホイルを噛み続けるようなイヤーな、ずーっとイヤーな感じのままオチまで続く。

    すごく嫌なんじゃなくて、なんか?ん?嫌だなぁ嫌だなぁて、ラストまで思わせ続ける、そんな別種な一冊です!!!

  • 家族という呪縛から逃れていく過程を描いた作品は何度か読んだが、この「ドールハウス」は地味ながらもリアルな感じがする。主人公が自分の常識が世間とは違うということに気づくシーンとか、友達とのコミュニケーションに自身をなくすところとか。子供の頃、親にドリフの番組を見させてもらえなかった子がクラスで話題についていけなかったりする的な、小さなことだけど子供にとってはカルチャーショックだったりする。そんな各家庭という文化差がまるで異国の文化のように感じたりしたなあ。そういう意味で恋愛というものは、すごい破壊力のあるライフイベント。主人公に遅れた反抗期がくるきっかけとなったのだから。

  • "ふつう"ではない異常な家庭で育った理加子が、普通の人生を求めて自立を志すところで物語が終わります。
    確かに普通ではない家庭ですが、昨今の日本の社会を見渡す限り、きわめて異常とは言い切れない、あり得るのではないかと思ってしまう。
    江本の様な情けない男も"ふつう"に居そうだ。

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著者プロフィール

作家

「2016年 『純喫茶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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