蕎麦屋の恋 (角川文庫)

制作 : 戸田 ノブコ 
  • 角川書店
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本棚登録 : 187
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041835128

作品紹介・あらすじ

秋原健一、四十三歳、ふつうの会社員。波多野妙子、OLを辞めた三十歳。それぞれに過去の小さくも苦い思いを抱えた男と女は、通勤の京浜急行で出会い、途中下車した駅の蕎麦屋でせいろをすすり、ただテレビを観る。淡く、不思議な甘さに包まれながら-。爽やかな感性の触れあいを描いた表題作他二編収録。日常に潜むふとした喜びやせつなさを掬い取った可憐な短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 読み始めた前日に、京急に乗って葉山まで行ったので、ご縁を感じる本でした。

  • 2015 2/15

  • 姫野さんの本は2冊目。ツ、イ、ラ、クで受けた衝撃には遠く及ばず、あっさり目でしたが、これはこれで面白かった。少しファンタジックな現実味に欠けるふわふわしたお話ですが、女性の視点がさっぱりしているのに比べて、登場する男どもの疑似恋愛体質ぶりが面白かったです。

  • 3品の短編集。感性が心地よい。やはり表題作がいい。こういう恋もあるんだ、と新しい発見をしたような気分になった。

  • 二冊目の姫野カオルコである。
    当時小学生の頃、購読していた雑誌で推薦されていた『変奏曲』を読んで(あれは小学生が読むべき本ではまったくなかった)以来。

    あらすじを読んでこんなしっぽりした話を書くのか、と思ったけれど、案の定淫靡なテンションの作品だった。
    具体的な描写はないけれど。

    表題作の『蕎麦屋の恋』は、43歳のサラリーマンと30歳の料理人を目指し脱サラした女が親密になっていくまでを描いている。
    二人は京急線ユーザーで互いに存在を知っていて、ふとしたきっかけで言葉を交わすようになる。
    ただ二人が接触するのは後半部で、男女それぞれの過去に起こった出来事を掘り下げている。

    男はなんでそんなに?というほどモテる。
    彼に魅力を感じきれず、なんか違和感があった。ここまでモテる設定にしないほうがよかったのではないかと思う。
    女の方は、父親の歪んだ教育観に多大な影響を受け、”TVを誰かとみる”ことに異様なほど価値を置く。
    恋愛というもの、女性であることがピンときていない感じの女と、プレイボーイの男(と彼がこれまで出会ってきた女達)のズレがよかった。
    ただ、タイトルは『テレビの恋』の方が内容的に正しいのではないか。まったく風情はないけれど。

    『お午後のお紅茶』
    バイセクシャルの美容師が自身の過去を振り返る物語なのだが、”ポプリ”という名で自然派を気どりながらもポーズだけで中身がズレているレストランとその女店主の滑稽さを描いている、らしい。
    というのも解説を読んで、ああそうなのかと思ったから。
    こういう系の物語はイマイチピンと来ない。

    『魚のスープ』
    結婚三年目の夫婦がスウェーデン旅行をする話。
    夫は”平均的ないい夫婦”である自分と妻の現状に満足していて、そろそろ子供も作ろうと思っているが、それは妻への愛情や子供への欲求よりも”あるべき姿”になることを求めている印象がある。
    その理由が物語でわからなかったのがイマイチ入り込めなかった。
    スウェーデンに赴任している女友達との微妙な綱の引き合いと、妻への覚めた目が印象的だった。

  • 直木賞受賞作家を、図書館で借りる。価値観のギャップが面白い。例えばバイセクシャルであることのような驚く話がさらっと、炬燵でTVのようななにげない話がガツっと描かれる。世間に囚われない軽やかさがいい。

  • 製薬会社の経理部課長、秋原。43歳の平々凡々な男なのに、新入社員のお嬢さまやら年上のキャリアウーマンやらにやたらともてる。
    一方コックを目指す31歳の波多野妙子は家庭の団欒に飢えた一風変わった女性。
    二人は通勤に使う京浜急行の中で出会い…。
    二人のキャラクターも出会い方も直球の恋愛小説とはほど遠いのだが、なぜか和む。
    表題作の他に収められている「お午後のお紅茶」と「魚のスープ」もなんとも言えないおかしみがある。解説(石田衣良氏による)にもあるが、作者の好き、嫌いをやわらかく、だけどストレートに伝えてくるあたりが心憎い。

  • 書店で4位だったかになっていたし、読みやすそうな厚さだったので購入。
    文章って、作者さんによってそれぞれ書き方の特徴があるじゃないですか。
    姫野さんの本を読むのは初めてだったので、新しい文だな、と思いました。
    3つの短編が入っていたのですが、どれも「うーん…」って感じ。
    登場人物に共感できなかったせいかな…。

  • お午後のお紅茶がものすごく笑えた。

    あそこまでひどいところに行ったことはないけど、お店をやっている人は大なり小なりこだわりがあるんだと思う。それが行き過ぎると他人に迷惑をかけるもんだと思うと、笑える。
    でも、自分も気をつけないとなぁ

  • 3つの話が入った短編集。

    解説にもあったが、姫野作品らしい、恋愛や価値観を懐疑的に読者に投げかける話だった。

    気張らずに楽に読めたが、パンチは少なかったかなあ。
    ただ、リラックスして読めた。

    強いて言うなら、石田衣良の解説だけが不満。

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著者プロフィール

姫野 カオルコ(ひめの かおるこ)
1958年、滋賀県甲賀市生まれの小説家。青山学院大学文学部卒業。大学在学中から雑誌ライターとして活動。大学卒業後、画廊勤務や事務員アルバイトを掛け持ちしながら小説を執筆。1990年、持ち込み原稿から刊行された『ひと呼んでミツコ』で単行本デビュー。 
『ツ、イ、ラ、ク』『ハルカ・エイティ』『リアル・シンデレラ』でそれぞれ直木賞ノミネート。そして2013年『昭和の犬』で直木賞受賞。その他代表作として、映画化された『受難』など。

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