桃―もうひとつのツ、イ、ラ、ク (角川文庫)

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レビュー : 72
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041835159

作品紹介・あらすじ

近畿地方の田舎町。長命商店街の娘、田中景子は、京美の"グループ"に入りたくてたまらなかった。"可愛い女子のグループ"に。Jみたいな子が入れて、なぜ自分は入れないの?私とJは何が違うの?同級生Jへの嫉妬に苛まれながらも、初恋にときめいたあの頃を景子は回想する。「青痣(しみ)」。『ツ、イ、ラ、ク』のあの出来事を6人の男女はどう見つめ、どんな時間を歩んできたのか。表題作「桃」を含む6編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「ツイラク」の後日談というか、スピンオフ作品。国語教師と14歳の女生徒の秘密の関係。ツイラクのときから女生徒はともかく、国語教師がいやらしく思えてあまり好みではない。

    桃の味が、感触が、思い出させるあの頃のこと。

    我が家にはお中元等で桃バブルが訪れるのですが、好きなのに最近桃アレルギーの可能性が浮上して悲しい。キウイ、メロンに続き、桃までも…!?悔しい、コンポートにしてやらう。

  • ツ、イ、ラ、ク好きなら寄っといで!!

    表題作の「桃」は、32歳になった隼子が14歳の頃を思い出すお話。
    切なくて、いやらしくて、キュンキュンしちゃう。

    意外に良かったのは「汝、病めるときも、すこやかなるときも」の頼子ちゃんと塔仁原のお話。
    奥手な感じの頼子ちゃんも、それなりに青春してたんだなぁと嬉しく思えたし。それと、口に出さなかったけど、女の勘がなかなか鋭かったのが驚き。

    あ〜、続編出ないかなぁ♪

  • ツ、イ、ラ、クを読んで衝撃を受けた。
    一度しか読んでなくても、内容を覚えていられるほど。
    なので、これは見つけたとき是非とも読みたいと思った。
    細かいことは忘れているので、スリルは味わえなかったけど、2人の関係を羨ましく思った。
    生活の全てを踏みつけても、会いたいと思えるほど好きな気持ち。
    憎らしく思いながらも、可愛くてたまらないと思ってもらえるほどの少女の魅力。
    全てが羨ましい。

  • 「ツ、イ、ラ、ク」のサイドストーリー。
    主人公2人が墜落していた頃、ささいな仕草や表情で周りの人間は気付いてたんだ。
    隠していても意識してない所にそういうのは出るんだよなぁ。

    夏目の歪んだ性癖の描写が怖いくらい真に迫っていて、
    女性がこういう視点を持っていることに驚く。
    作家というのは選ばれた人のみの職業なのだと改めて思う。

  • 『ツ、イ、ラ、ク』の登場人物たちによる連作短編集。

    『高瀬舟、それから』は『ツ、イ、ラ、ク』の最中の出来事を河村の目線から辿る。
    表題作の『桃』は正直物語として意味不明だったが、32歳になった隼子が河村と再会する前に過ごしている茫洋とした日々を切り出したのだろう。

    この2作以外は、『ツ、イ、ラ、ク』の主人公2人を近くから、遠くから眺めていた人の物語である。

    『青痣(しみ)』は隼子に嫉妬心を抱いている同級生が過去を回想する形で、詩的な表現が多かったが一番等身大で素直な物語だった。

    『ツ、イ、ラ、ク』がどれくらい刺さったかで、この作品の評価は決まるだろう。
    あとがきに書かれているように、読んでいないなら意味がわからない部分が多いと思う。
    あの出来事の裏ではこんなことが動いていたのか、と合わせて読むと鮮やかに感じる。

  • 『ツ、イ、ラ、ク』を読んだ後、それと対になる話があると知って急いで注文した。『ツ、イ、ラ、ク』を読んでいないと本当の意味がわからないのではないかと思うぐらい不親切な話だと思う。なのに魅力的なのは、やはりこの作品が『ツ、イ、ラ、ク』と対になっているからなのだ。

  • 「ツ、イ、ラ、ク」のあの出来事を6人の男女はどう見つめ、どんな時間を歩んできたのか(本編あらすじより)を描いた6編収録。

    「青痣(しみ)」が結構読むのつらい。
    「ツ、イ、ラ、ク」の時にも感じた女子の嫌な生々しさ健在で、
    嫉妬とか性的なものへのぼんやりした憧れとか男子への媚びる気持ちとか、そいういうの全部隠して目を背けて自分は綺麗だと思いこみたいそういう気持ちまで、とてもしっかり描かれております…。
    ああ、ちょうわかる、目を逸らしたい…。

    「世帯主がたばこを減らそうと考えた夜」はホモと噂されていた夏目先生の話。
    解説で男の人が「泣ける!」と言っていたが、この話に共感されると女としては非常に複雑な気持ちになるデスヨ。
    外見キラキラな少女は中身ドロドロで、
    エロの話ばっかりする少年は中身ピュアでキラキラなんね、
    とか思わされる話。
    間違ってない気もするけど、何かそれも悲しい。


    憧れとか夢として描かれるほわほわした恋愛はほぼありませんが、
    時間や肉体関係といったものを避けない生身の恋愛模様が描かれております。
    読もうかな、と思う方は「ツ、イ、ラ、ク」読後にドウゾ。

  • 恋とは“堕ちる”もの。
    「ツ、イ、ラ、ク」の続編作品です。
    彼らあるいは友人達の、その後やあの時どうしていたかなどが書かれています。
    続編を読むと本編自体をまた読みたくなりますね〜!

  • 前作の「ツ、イ、ラ、ク」を読まずに読んでしまったのが失敗だった。

  • 『ツ、イ、ラ、ク』の番外編。

    短編で、『ツ、イ、ラ、ク』の出来事に少しでも関わった人物が主となって裏側を語るのだけど、立場も年齢も時代もバラバラ。
    「青痣」なんかは誰が、誰について語っているのかなかなか分からなかったけど、とても引き込まれる。

    私は準子と河村先生がやっぱり好きだから、この2人の物語は永遠に読める気がする。
    共感とか、親近感とか、そんな感じでは全然ないんだけど、むしろ次はどんな想定外のことをしてくれるんだろうという、自分とは違う考えの人の行動に興味があって。
    あ、この時の行動はこんな意味があったのか、、ということが多いからかもしれない。

    本編でも短編でも、書き方のリズムが独特で、それは目線がコロコロ変わるからでもあって、それが奥行きを持たせてるのかも。

    「高瀬舟、それから」と「桃」が好き。
    準子は「なかったこと」にしたのか。それは後悔しているからなのか、後悔しているとしたら、何に、誰に対して。

    何冊も続編を書いて欲しいし、ずっと『ツ、イ、ラ、ク』の世界に浸っていたいと思わせられた。
    ★3.5ぐらい。

    20170129

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著者プロフィール

姫野 カオルコ(ひめの かおるこ)
1958年、滋賀県甲賀市生まれの小説家。青山学院大学文学部卒業。大学在学中から雑誌ライターとして活動。大学卒業後、画廊勤務や事務員アルバイトを掛け持ちしながら小説を執筆。1990年、持ち込み原稿から刊行された『ひと呼んでミツコ』で単行本デビュー。 
『ツ、イ、ラ、ク』『ハルカ・エイティ』『リアル・シンデレラ』でそれぞれ直木賞ノミネート。そして2013年『昭和の犬』で直木賞受賞。その他代表作として、映画化された『受難』など。

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