風のささやき 介護する人への13の話 (角川文庫)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年7月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041835166

風のささやき 介護する人への13の話 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 著者自身が経験を通し、またそんな中で出会った人々を自身の中で再構築して出来た物語。
    高齢化社会になり介護問題が日常茶飯事に取り上げられるようになった。しかし自分に関係のないことならば、出来ることなら目を背けておきたい問題でもある。あるとき突然、介護に関わっていたということもあるだろう。この本の中では今のような高齢化社会になる前から介護に関わっていた人の話、若い頃から関わらざるを得なかった人の話等もたくさん出てくる。読んでいて辛い、かわいそうと思ってしまう。私自身は家族に辛い思いをさせたくないと思うが、こればかりは自分の意志通りいくとは限らない。
    また自分が介護に関わりを持つようになると、負い目、後ろめたさを感じるという気持ちもよくわかる。これは当事者でないとわからない、体験者でないとわからない感情だろう。
    この本は介護に関わっている人に優しい目線を送る、そして自分だけではないのだという励ましになる作品だ。

  • 要介護の家族を持つ十三人の独白で構成された連作掌編集。
    『日経ヘルス プルミエ』(日経BP社)の連載を単行本にまとめた一冊です。
    各編には独白をする人のプロフィールが示され、あたかも一般人の投書を読むような体裁になっています。この工夫により、僕は親しい人の話を聞くように読むことが出来ました。

    読み終えて思うのは、作中でも述べられるのですが、
    「実際には、聞く機会の無い話なのだろうな。」
    でした。
    おそらく、僕が毎日通っている職場にも、この本の語り部のような毎日を送っている人がいるのだろうと想像します。しかし、彼らは、同僚がお盆休みの計画を「スペインに行ってくるんだ。」と明るく話すのに対し「あら、良いわね。行ってらっしゃい。お土産よろしくね。」と同じく明るく返答しながら、心の中では「普段は他の家族に任せている分も盆休みは私が引き受けなくっちゃ。」と、要介護の家族と、他の家族のことを気遣った盆休みの計画を決心し、その決心は、人に話すことなく、日常を過ごしているのだろうと想像するのです。
    自分が自宅で介護をしているお話は、積極的に話して盛り上がるような内容ではありませんし、理解できない人には特殊な人として敬遠されるだけがオチになるような恐怖があると思います。
    ですから、僕が実生活を送っていると、この本のような独白を聞く機会は無いのだろうと想像するのです。

    そして、僕はこの本を読んでいる間は、ただ彼らの話を聞いて、
    「こういう人もいるのだ」
    と、理解するのに務めました。

    人に優しく、とは誰もが思う事だと思いますが、想像出来ない人の苦労に共感することは出来ず、優しく接することは出来ません。
    この一冊は、こういう人もいるのだ。と、僕の理解を一歩進めたような気がします。
    先ずは、
    「お話を聞かせてくれて、ありがとう。」
    これが、僕がこの一冊を読んでの感想でした。

  • 2015 4/14

  • 字も大きくて、すぐ読み終わる。
    でもこの登場人物たちの介護人生は続いていく。(ほとんど実話らしい)

    絶えず身内の誰かが病気でずーっと介護に明け暮れてる大学生とか、(伯父とか叔母の世話までしてるってどんだけ血縁関係が強いんだろ)
    友達と会っていても、”介護があるから”って言っても不自然な年齢じゃなくなったからそれが嬉しい、とか。
    介護だけの人生じゃあ、あんまり虚しいから出合い系サイトで知り合った人にロストバージンするとか…。

    ほんとに身につまされる逸話ばっか。
    日本はこれから益々高齢化が進むということは、こういう人たちも増え続けるということだ。

  • 「もう私のことはわからないのだけれど」という単行本が文庫化してタイトルが変わった。
    この本は介護をしている人たちの詳細プロフィール付きブログリレーのようだ。
    どこから読んでもいい、どこで読み止めてもいい。

    それぞれ、こんな思いをしているのかと正直驚いた。
    ありきたりの言葉が嬉しかったり、逆にチクチクしたり、
    自分だけ楽しんだりしちゃバチがあたるなんて思ったり。
    赤裸々な内容がとてもリアルに感じられる。

    「みんなにもいいことあるように、おれ、鶯が啼くたび、お祈りしとくから。」

    なぜかとっても心に沁みた言葉だった。

  •  当たり前、という言葉の重さを知る。
     これを創作として読める、というのは財産なのかもしれないね。

  • 実話とフィクションが織り交ざっており、深刻になりすぎずに読める。それが「介護」とマッチしているように感じた。

  • 薄かったのでさっさと読んで売ってしまおうと思いましたが…そうなった時にまた読みたくなるような予感がありとっておくことにしました。綺麗事ではない現実と感情があるのだなぁ。

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