ボクはこんなことを考えている (角川文庫 お 18-3)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041847039

作品紹介・あらすじ

ノストラダムスやコックリさんから、恐怖体験、映画、寺山修司まで。ロック界屈指の文学青年・自称『野狐禅』野郎オーケンが、のほほんと放つ珠玉のエッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 大槻ケンヂのエッセイである。以上。

    まず考慮すべきは、初出は1990年代の初頭で、単行本が1993年、文庫本が1996年という、いわばバブル崩壊前後に出たものであり著者20代後半という年齢であるということだ。

    時代のものとはまた別の、とにかく読みやすい文章であるし、『栗ご飯』なる、『サラダ記念日』以降のアノ頃のエッセイにありがちなサブタイトルがこっ恥ずかしいのはともかく、当時のエッセイスタイルに加えて、著者の若さというものが、文章を直接的にさせているのではないかと思う。

    今のようにネットで何でもという時代でなかったからこその、有るものを消費して、古典から新しいものまで映画でも本でも取り入れる。フランスの古典映画や寺山修司、ラブクラフト、かと思えば当時の最新作『ツイン・ピークス』からなにからまで取り込んでいるスタイルは、現代の同世代には難しかろう。

    一方で、UFOや超常現象などについてのツッコミ本やプロレス雑誌など、今とはまた別方向のサブカルに入っていくのは、当時の文化を知らない人にはわからないだろう。雑誌「噂の真相」ラジオ「北野誠のサイキック青年団」などのアノ頃の雰囲気がそのままで非常に面白い。

    また、有る種のスノッブ的な趣味なのか、深堀りの末なのかはわからないが、辞世の句などの本にまで言及しているのは、少々驚いた。『めぞん一刻』でも何度もネタにされているアレが、東京オリンピックのマラソン選手円谷幸吉の辞世の手紙が元ネタだったのだな。有名らしいが知りませんでした。

    今の人には、ブンカジンぽくてムズカシソウと思ったりするかもしれないが、今でも通じる話ばかりである。

  • 随所に偏見らしき語り方が仄見えるのだが、基本的には大槻さんは多様性の人なんだと思う。

  • プロレス、宇宙、宗教、井上陽水、反抗期、、ととにかく話題は幅広いです。が、面白いだけじゃなく、ちょっといい話をしてくれるのがとてもいい。特に20代後半か30歳くらいで反抗期が終わる話は、涙なしに読めません。世の中おもしろいことたくさんあるなと希望?がもてるエッセイです。笑

  • 【恋をするな。仲間になれ!】

    大槻エッセイにしては比較的に攻撃色が強い。バンド好きの勘違い女が読んだら気分を害すであろう一冊。

    こんな僕でもやっぱり音楽の世界に憧れたときがある、本書の中に出てきた勘違い女たちとたいした差がない。むしろもっと悪い気がする。

    今思うのは、恋人より仲間になったほうが、バンドとは長く付き合っていけるということ。苦しいのは君だけじゃなくて、バンドも同じくらい君の熱すぎる情熱に苦しんでいるのだ。と誰かに御節介を焼きたくなった。今も大して成長できてないのだけど。

    それ以外にも、ちょっと読んでクスって笑って、心の薬になる作品。

    薬は苦くて当たり前だ。
    悪い病気は早く直して、外で笑おう。

  • かなーり古いエッセイですけれども、面白かったです! というか、後書きでオーケン氏が述べているようにまさに電車の中、あるいはお風呂の中で気軽に読める一冊ですね…! オーケン氏の、ほんわかした人柄が全編に渡って感じられる作品となっております…!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    けれどもまあ、解説者の方も述べておられましたけれども、のほほんとしているようで意外と色々なことを考え、そして悩んでいることも窺い知ることができます…オーケン氏のエッセイ、久しぶりに読みましたけれどもイイ塩梅で心の清涼剤になったような気がしなくもないような、そんなハッキリとしない、曖昧模糊とした読後感を残してくれましたさようなら。 ←え?? 社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 笑っちゃいました

  • 俺が大槻ケンヂを尊敬していることは周知の事実、
    でもないようなので、この場をかりて宣言します。
    俺はオーケンを尊敬してるぞー。悪いかコラ!ハゲ!!

    そんな僕の思想の師の1人、大槻ケンヂなのですが、
    本当に多くのエッセイを書いていてエッセイ集が
    一体何冊出てるのかすらわからないので
    僕も全部は読んでません…。

    でも古本屋で見つけるととりあえず買う。んで読む。
    このエッセイ集は、当たり!

    もちろん他の作品と被ってる部分も多いんだが、
    数多くのエッセイ集の中でもタイトル通りオーケンの
    思想的な核心部分、トロの部分が集められています。

    特にUFO考察とプロレスネタ、そして
    「恋を知らない少女達~FANCY FREE STRAWBERRIES~」
    の項は鉄板。

    他人の頭の中を覗いてみたい方、どうぞ。
    コッチ側にきたら、飲みましょう。

  • 「ボクはこんなことを考えている」3

    著者 大槻ケンヂ
    出版 角川文庫

    p50より引用
    “今では想像もつかないが、ジャズやマンボだって絶頂期には
    カウンターでオピニオン興奮剤だったのだ。”

    ロックミュージシャンである著者による、
    著者が愛してやまない事柄について書かれたエッセイ集。
    プロレスについてからマイナーな映画についてまで、
    穏やかな文体で時にコミカルに書かれています。

    上記の引用は、
    タイアップについて書かれた項の中の一文。
    マンボはまぁ盛り上がる感じはしますが、
    ジャズはしっとりとしているイメージが強い為、
    かなり以外に思いました。
    ロックミュージシャンなのでもっと突飛で過激な内容が、
    これでもかと書かれていると思っていましたが、
    驚くほど普通でまともな内容だったので、
    少し拍子抜けしてしまいました。
    顔にひび割れを入れていた人とは思えない、
    穏やかでまっとうな意見だと思います。

    ーーーーー

  • 「のほほんエッセイ」
    時事ネタ多くてわからん話は多い。
    UFO大好き著者のカオスな随想集。

  • 他作にも見られる、のほほんな日々のエッセイなんだけど、かれのエッセイには外れがない。似たような感じのものが多くてごっちゃになるのだが、適度に楽しんだ記憶が。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。82年ロックバンド「筋肉少女帯」ボーカルとしてデビュー。その後もロックバンド「特撮」でも活動。その特異なキャラクターは音楽だけにとどまらず、映画、テレビ、小説やエッセイなど多岐にわたる分野で人気を集める。著作「くるぐる使い」「のの子の復讐ジグジグ」は2年連続で星雲賞を受賞。また『グミ・チョコレート・パイン』シリーズのほか『ロッキン・ホース・バレリーナ』『縫製人間ヌイグルマー』『いつか春の日のどっかの町へ』など著書多数。

「2022年 『夜の夢こそまこと 人間椅子小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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