グミ・チョコレート・パイン グミ編 (角川文庫)

  • 角川書店 (1999年7月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041847077

作品紹介・あらすじ

五千四百七十八回。これは大橋賢三が生まれてから十七年間の間に行ったある行為の数である。あふれる性欲、コンプレックス、そして純愛との間で揺れる”愛と青春の旅立ち”。青春大河小説の決定版!

みんなの感想まとめ

青春の葛藤と成長を描いたこの作品は、主人公たちの自意識過剰な姿勢が共感を呼び起こします。読者は、賢三やカワボン、タクオの思春期の苦悩や成長を通じて、自身の過去や感情を重ね合わせることができるでしょう。...

感想・レビュー・書評

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  • 俺のことが書かれている、と思う、思っちゃう。
    グミチョコパインを読んでいる間だけは私の一人称は私ではなく俺になり僕になる。

    俺は他とは違うと思いながらも何も成し遂げられず、そう思う自分だって何も成し遂げていないくせに…他のヤツが出来ることが出来ないから自分は非凡だと信じ込んで逃げてるだけのくせに…と心の片隅で感じつつ現実から目を背けるために、自分の平凡さに気づかない為に理屈っぽく話して他の誰も見ていなさそうな映画を見て本を読んで。

    けどやっぱり、やっぱりいるんだ、美甘子みたいな奴が。
    一生追いつけないんじゃないかと思う。
    自分のちっぽけさを呪うし行動力の無さや勇気の無さにがっかりもする。
    けどその悔しさを忘れたくはない。
    チョコを出し続けてやろう。
    きっと継続は力になるよと背中を押してもらった気がした。

    賢三の、カワボンの、タクオの、山之上の自意識過剰さが私には分かる。
    痛いほどわかる。
    見る前に飛べ!じゃないけど語らずとも感覚でわかる。
    だからこう、感想もフワッとしてしまうけど、周りと比べたり、自分ってダメだなーってふと感じて立ち直れそうもなくなってしまったときにバカやってる彼らの姿を思い浮かべて頑張りたい。
    私も頑張るよ。

    賢三たちの知識量や馬力はすごくて、暇さえあればSNSを見ちゃうような浅い知識しか手札にない私は彼らの少し後ろを追いかけていくしかないみたい。
    それでもチョコを出し続ける。

    残念ながら私の高校時代には賢三と違いカワボンやタクオのような友達はいなかったし、そもそも私に周りを見下せるほどの知識量も鼻からなかった。
    今は周りの人の知識量や馬力に圧倒される日々だけど、まだまだ自分はいけるぞ、と信じていたい。
    勘違いしていたい。
    だから彼らをちょっとした心の友として、レイトショーを見に行くとき寂しいなーってときとかに、頑張る理由の一つにする。

    なんか思考がまとまらずぐちゃぐちゃ!ってしてしまったけど、なんで私の考えてることが分かるんだ?というくらい、登場人物たちに握手を求めてしまいたくなるような感覚に陥った。

    マドンナ美甘子やじーさんの登場の仕方も最高。

    • kulaさん
      懐かしい。また読もうかな。
      懐かしい。また読もうかな。
      2025/06/16
  • オーケン、わかるよー

  • 前半部分はテンションについていけずあまり楽しめませんでしたが、登場人物の人となりがわかり、それに親近感を抱くことが出来てからは終わりまですぐでした。
    文学としての文章とは程遠いながらも、若い時の自分は他の人とは違う、違うはずだ、違っていてくれという自意識過剰が力ずくで表現されていて主人公達と同じようにもんもんとしていた自分の若い頃を思い出しました。
    終わったと思ったら続きが2作もあるんですね。
    今度は最初から楽しめそうです。

  • まず、簡単に感想を書けるようなレベルの本じゃないと思った。

    もちろん純文学ではない。
    どちらかというとエンタメ小説、大衆小説だと思う。
    でも、アートだと思う。

    下らないことがたくさん書いてある。無駄な言葉の垂れ流しにも見える。(前半にオナニーという言葉がどれだけ出てきたことか、ギネス認定される数だと思う。)
    ストーリーも大したこと起こらないし、男子高校生が女の子に片思いしていて、バンド組みたいと思っている。というだけの話。

    前半はバカバカしいなと思いながらも、ページをぐいぐいめくってしまう自分に不思議を感じる。中盤、主人公が山口美甘子に映画館で会うあたりからマジックが効きだし、物語は最後まで疾走し、私はもう主人公たちの一員になったように、わくわくしてしまう。

    この小説は、すべてのイケていない野郎どもを肯定する暖かさに満ちている。
    かけがえのない純粋さを持て余す、永遠の無駄遣い。そこに優しい目が向けられている。

    ロジカルに表せない何かを、下らないおしゃべりで見事にフレッシュに表現している、オーケンの小説表現の偉大さに脱帽。

    食わず嫌いで、ずっと存在は知っていたけど読まなかった本。「なんてもったいないことをしていたのだろう。」というのが正直な感想。

    もともと私は10代の頃、筋肉少女帯の大ファンで、オーケンのオールナイトニッポンも聞いていたし、筋肉少女帯の歌詞カードも一生懸命読んでいた。
    そのオーケンが、小説を書いたと聞いたとき、なんだか気取った純文学のようなもの、もしくは少し暗いアングラの江戸川乱歩のバッタものみたいなのを書いたんではないかなと、偽物感がただよってそうだな、と思い込み、読みたくないとずっと思っていた。

    読んでみて上記の思い込みとまるで違う小説であることに驚いた。
    「当時のオーケンのオールナイトニッポン聞いているみたい。」と思いつつ、それが小説になっているということの新しさに気付く。

    書いてある内容は「文学的」に表現しようと思えば、他に上手い人はいくらでもいるだろうし、実際そういう才能に恵まれた人たちが小説家になっていると思う。
    だけど、オーケンはそこを目指しているわけではなさそうだ。

    このわらっちゃうようなしゃべり口調が、このお話しに最適なのではないかと思う。真摯に、青春の、人間の大切さなスピリット、人のぎこちなさを描き出す。

    オーケンは自分のダメさ加減などをある程度演出して、面白おかしく話すのが上手いから、自分のみじめさを売り物にするヒモのような口のうまい人間のような気もする時がある。昔TVで芸能人たちが議論する番組で、オーケンが自分のウツのような状況をしゃべっていたら、大貫妙子が「私、こういうこと言う人、大っ嫌いなの」と嫌悪感丸出しで怒ったのをよく覚えている。
    大貫妙子が嫌いなのも、わかるなーと。当時思った。

    でも、この小説にはそんなエグみが、感じられない。なんだか水墨画の様に(内容は全然そんなに清くないが)、スーッと入ってきてしまう。

    私の好きなロックと映画に情熱かける話だし、趣味がグッとくるところだったり、世代が私よりは上だけど、何となく空気感が近しく感じるところだったりも、大きく惹かれる要素だと思う。

    ロックバンド、映画名などは、クスっと微笑んでしまうような小ネタが満載でそこも楽しめるところ。ただ、「なんとなくクリスタル」や村上春樹などの固有名とは違うあまり意識的ではない、固有名の使い方ですが。

    とにかく「食わず嫌いで一生読まない」なんてことにならなくてよかった。
    この本を貸してくれた人に感謝。

    しるこドリンク、知ってるけど、飲んだことない。
    いつか飲もう。
    そして、主人公たちに近付けるといいな。
    おっさんにも、そう思わせられる、貴重な小説。

  • 大人たちは高校生を楽しい時期だと言うけれど、当事者たちはもがくように生きてるんだよなあ、でも大人になると眩しく見えるものなんだなあ、青臭いっていいな。

  • これでいいのだ!ではなくこれでいいのか?な人生。
    必死に日常に抗ってる姿が過去の自分、今の自分と深く重なりました。
    周りが妥協したり、納得するとこまで行っている中で必死に「俺には何かが出来る。」ともがいてる日々。
    いつか、これでいいのだ!で終われる様に進み続けます。

    カワボン、羽馬俺は君たちと飲みたい!!

  • 高校生ぶりに読。グミチョコパインまとめて。

    これは俺たちの物語なんだよな。「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」をかかえる俺たちの。

    大人になったいま、改めて読んでよかった。忘れちゃいかんね。ありがとう大槻ケンヂ。

  • 読む目が止まらず読み始めてからノンストップで読んでしまった。
    銀杏BOYZの「17才」という曲の歌詞に出てきていたから17才に読もうと思い、17歳のうちに購入
    こんなに自分の気持ちを代弁してくれた小説は初めてだ
    ロックが好きだし本を読み賢くなろうという気持ちも、周りのミーハー共とは私は違う、思慮深い
    などと似たような考えを持っている登場人物達がリアルには居ない同じ趣味を持った友達のように思えて嬉しくなってしまった
    登場人物がニマニマする時は私も一緒にニマニマしてしまうし、ドキドキする時はドキドキ、喧嘩をしている時はカワボンと同じ目線で見守っている
    大槻ケンヂさんの登場人物として語るのではなくあくまでも語り部として書いていく書き方も、すごく読みやすいし時折頭の中で考えるバカっぽいしょうもない下ネタで自分を窘め恥じるのも本当によくやる。し面白い!飽きがこない!
    小説、ロックは好きだが映画はそこまで見たことないので明後日の放課後名画座に一人で行って見ようと思う。

  • 山口美甘子が私が高校時代に好きだった子にそっくりです。とても淫乱な女の子でした。あの子は羽村とニャンニャンをしたのでしょうか。あの子が幸せならそれでいいと思える本です。

  • 中学にハマって聴いたゴイステのミネタカズノブがなんかの曲でこの本の事を言っていて、読みたいなーと思って読んでいなかった。
    たまたまブックオフに110円であったので購入。

    懐かしかった。自分も中学や高校の頃、ブランキージェットシティを聴いてからロックにハマり、めんたいロックにハマって、レンタルCDショップで大量にCDを借りていたのを思い出した。
    父親には、ジミヘンも知らんのか?三大ギタリスト、三大キングも知らんのか?と言われてそのあとブルースやら色々聴くようになった。兄貴にはロックやら教えてもらった。
    そうやって、若い頃は本や映画は見ずに音楽を聴き、音楽にハマっていたのを思い出させてくれた。

    もっと早くこの本を読んでいたら小説や、映画にももっと早く興味が持てたかもしれない。し、当時聴いていた音楽の中にあるエッセンスのような何かを感じ取れたかもと思った。

  • これを学生の時に出会っていたら楽だったろうと思う。大人になっても子供の時に読んでもきっと楽しく読めると思う!!すち

  • まとまった感想はパイン編に書きたいが……。

    なぜグミ・チョコレート・パインなんだろう?
    自分の地域ではグリコ・チョコレート・パイナップルだったが。
    想像。
    グリコは商標にひっかかるから?
    チョコレートとパイナップルの数が同じで劇的じゃないから、
    チョコレートをぶっちぎり一位にするために、パインにした?
    グリコ・チョコレート・パイナップル=3・6・6
    グミ・ショコレート・パイン=2・6・3

    とりあえず美甘子はいい女だ。
    カーペンターを知っている女子と話ができるなんて……!!
    カーペンターズじゃないよ、ジョン・カーペンターだよ! 
    賢三、おまえ勘違いしているんじゃ!? 
    美甘子みたいな子はそういう間違いをして名画座に来たりするんだよ!
    と胸中叫んだものの、
    美甘子はなんとC級ホラー好き、映画全般に詳しく理論派、
    ハーシェル・ゴードン・ルイスなんて知っているという!
    しかも「ともだちはみんな下らない人ばかり」というメンタリティを持っている!! 
    俺と同じだ!

    こういう女性と、私も出会いたかった。

    • GMNTさん
      ジョンカーペンターもヒッチコックホークス主義だから、ヌーベルバーグと近いからオシャレなんだよね〜と女の子をだまくらかして観せたいと常々思って...
      ジョンカーペンターもヒッチコックホークス主義だから、ヌーベルバーグと近いからオシャレなんだよね〜と女の子をだまくらかして観せたいと常々思ってますが、観たあと100%嫌われますよね笑。
      2016/07/14
    • knkt09222さん
      GMNTさんへ
      要らぬうんちくをついつい出してしまいたい欲求ってありますよね!わかります!
      んで女の子に引かれるという。いつものパターン...
      GMNTさんへ
      要らぬうんちくをついつい出してしまいたい欲求ってありますよね!わかります!
      んで女の子に引かれるという。いつものパターン。
      2016/07/14
  • 秋葉原で連続殺傷事件の時に伊集院光さんが、
    「オナニーしてればいいんだ、死ぬほどオナニーしてたらそれでいいんだって、それでいいんだって大きな声で言ってやれば良かったんだ」
    というような事を、凄く凄く悔しそうに噛みしめるように言っていた。
    大槻ケンヂも多分、そういう事を言う人だと思う。
    青少年もそうでない人も、ぜひ。
    読んで、布団にくるまって悶絶した方、きっと同志です。

  • 少年たちが他の人間とは違う特別な何かになろうと必死にもがく感じが過去の自分を見ているように刺さった。何者にもなれなかったとしても 青春を拗らせてろくな大人になれなかったとしても、それはそれで自分の人生を粛々と生きていかねばならない

  • 俺のために書かれた小説だと割と本気で思ってる。

  • グミチョコ読んでた青春を
    今すぐ肯定したいんだ

  • 何者でもない学生が、何者かになろうと必死になる様子が描かれている。

    読みやすくて面白いが、20代後半の自分には感情移入しずらく、学生時代に読みたかったなと感じた

  • 自分は他とは違う
    自分は何か特別だ。

    誰もが抱きそうな想いを胸に青春時代を這うもクラスでは冴えない部類で教室の隅っこにいるような男の子たちのストーリーと、学校で表面的には周りに合わせながらも本心では周囲に全く興味がないクラスのマドンナ的存在で多くの人に囲まれている美甘子たちを中心に話が進んでいく。

    グミ編のみの感想だが、続編が気になる。
    自分は何か特別に違いない。
    そんな想いに葛藤して何かを表現しようとしたり、体現しようとする、この気持ち。沁みる、熱い。
    だけど、どこか甘酸っぱかったりドロドロしていたり読んでいて楽しくなる。

  • 日々オナニーのことで頭がいっぱいの高校生大橋賢三、ロックと小説と映画を愛する。同じく内向的な友人カワボンとタクオと酒を飲みダラダラしていた。クラスのマドンナ美甘子が実は映画だと知り、、、そして仲間でロックバンドを作ろうと考え、、

    薬師丸ひろ子、中森明菜、痙攣しながら歌うジョー・ コッカー、GORO、エロトピアなど大槻ケンヂの頃の青春キーワードの出まくり。(よくそんなに覚えてる)

    賢三のちまちました内面(=大槻ケンヂの内面?)の、あーそれわかる、自分も同じだった感と、いや、そこまでいつもエロいこと考えてなかったぞ感の組み合わせ。

    賢三と比べればまだ自分の方が健全(?)な青春を過ごしたのだろうか。ということはあまり重要でなく、どんどん頁をめくらせるリーダビリティと、「グミ編」 のラストを読むと、次の「チョコレート」が気になるということの方がよほど大事なはず。

  • 大貫ケンヂの自伝的な小説でもあり、ロックや映画に対する思いが伝わってきます。

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著者プロフィール

1966年、東京都生まれ。ロックバンド「筋肉少女帯」のボーカルとして活動を開始。物語性とユーモア、狂気を併せ持つ独自の歌詞世界で特異な存在感を示してきた。
音楽活動と並行して、エッセイ、小説、詩など文筆活動も展開。著作は各方面で高く評価され、星雲賞を2年連続して受賞。歌と文章のあいだを自在に行き来する表現は、多くの読者に支持されている。

「2026年 『幻と想 03-25 大槻ケンヂ自選詩集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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