グミ・チョコレート・パイン チョコ編 (角川文庫)

著者 :
制作 : 江口 寿史 
  • 角川書店
3.68
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本棚登録 : 1464
レビュー : 127
  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041847107

感想・レビュー・書評

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  • 引用 頁二八八

    カッと目を見開き、呟いた。
    「山口美廿子に追いつくために」
    (中略)
    引き出しの奥には、紙袋に詰めた山口美甘子のブルマーが入っていた。いつぞや山之上の机からこぼれおちたものだ。
     ふと賢三は、紙袋を引き出しの中から取り出した。
     袋を開け、中をのぞいた。
     ふくふくとした藍色の体育着が、気絶した小動物のように眠っていた。
     指でつつくと、弾力が心地よかった、
     つまんでゆっくりと、賢三は袋の中からブルマーを引っ張り出した。
     少年は同級生のブルマーを、しげしげと見つめた。
     いつか吉祥寺の映画館でかいだ美甘子の香り、シャンプーの匂いを、賢三は鼻に感じたような気がした。
     その時賢三は、思った。
     急に彼は、こんなことを思った。
    「もういいや」
     山口美甘子のブルマーを見つめながら、賢三はもうどうでもいいやと思ったのだ。
    「オレには何もできないんだ。オレが今までやってきたことは全て無意味だったのだ。もういいや」
     だから賢三は決めた。たとえ地獄が凍りついても、彼女でだけはすまいと思っていた賢三だが、
    「美甘子でオナニーをしてやる。あの小生意気な娘を、どろどろのべちゃべちゃにしてやる。泣いたってわめいたってかまうものか。全身の穴という穴にポコチンを突っ込んで、ぬぬぷぷぬぬぷとぐちゃぐちゃのべっちゃべちゃにしてやる!!」
     左手にブルマーを握りしめたまま、右手でベルトを手際よく外した。一瞬、誰かに見られている気がして振り向いたが、もちろん誰もいない。ホッと息をつき、そして賢三はまた、ポコチンを握りしめた‥‥‥。

  • 青春のすべて2

  • ヌード披露により、美甘子退学。
    賢三との別れのシーン。
    賢三仲間4人は屋根裏で自分BOXのライブを見る。
    美甘子はジョニーズの羽村と親しくなる。
    賢三たちはバンド名を決め、それぞれの役割を決める……。

    といったあらすじ。
    好きな女の子にさえコンプレックスを感じる賢三が、いじましい。
    また美甘子パートの登場により、美甘子の内面も描かれるようになった。

    あいかわらず自分BOXは魅力的。

    中央線よ、あの娘の胸に突き刺され
    という友部正人のフレーズが妙に頭に残った。

  • 小野耕世の名前が出てきてビックリした

  • 2016.1

  • 前作がすべての青き性春時代を送る性少年のオナニー小説だったのに対し、本作では次第に青春小説に向かって行く。
    オナニー小説から青春小説に立て直しが図られているのが本作であり、『グミ・チョコレート・パイン』を立派な青春成長小説として成立させるために必要な道具立てのすべてが本書には詰め込まれていく。

    三部作の第二作というものは、スターウォーズでいえば『帝国の逆襲』。
    作者もあとがきで述べているように、この第二作というモノは起承転結でいうと非常に難しい。
    『承』で終わってはモノ足りず、次の『転』まで読者を引き留めていけない。『転』まで描ききってしまうと、第三作目でのスペクタクルが無くなってしまう。
    本書では『転』の冒頭くらいで終えている。なので捕まえられた気持ちの持って行きようが無く、次はまだまだ?と次作への期待が引き摺られるのだ。
    帝国の逆襲はダースベイダーにルークは自分の息子だと言われ、動揺を隠せずに逃げたところで終わり、本作はなんとっ!?

    左手にブルマーを握りしめたまま、右手でベルトを手際よく外した。一瞬、誰かに見られている気がして振り向いたが、もちろん誰もいない。ホッと息をつき、そして賢三はまた、ポコチンを握りしめた……。
    主人公の賢三がついにオナニーネタとして禁じていたヒロイン山口美可子をズリネタに、やるんか?やってしまうんかっ??やりよるんかっ???
    という場面で非情にも終わるのである。

    .........ラストシーンをおいてなおやはりオナニー小説から脱していない。
    が、そんなことは無いのである。
    ここに至る道中、「不条理なほどほとばしってしまう抑えようのない激情」を抱くボンクラ共はもはや背中すら見えないほど先を進んでしまった山口美可子を追いかけるべく、さらなる懊悩に無駄な日々を費やし、ついに自己表現の一つの形であるバンド活動という形を見出すのである。

    はたして、美可子に追いつくことはできるのか?
    美可子はさっさと大人の階段を三段飛ばしで駆け上がっているぞっ!どうするどうなるボンクラ共っ???

    ということで第三作パイン編に続くのである。

  • チョコ編の一番最初の山口と大橋君の
    踏切のシーンが一番切なくて大好きなシーン
    だったりするんだけれども、
    だんだん大人びていって自分の手の届かない
    くらいスター街道驀進していってえっちで
    大人びた山口になっていっていく感じの様が
    どうにもこうにも読むのが胸痛くてセンチメンタル。
    どんだけ山口山口って言いながら涙流して読んだのか
    わからない。センチメンタルな青春小説の王道。チョコ編。(ちなみにパイン編はさらにその上を行く。)
    チョコ編までは純情パインなままでぎりぎり読めるかな
    ぎりぎりあうと!
    そんな感じです、はい。

  • ラッシャー木村はえーらーいー!

    ホラあんたのアイデンティティーは!?
    ホラあんたのロックンロールは!?
    オレンヂペニス!
    オレンヂペニス!
    オレンヂーペニースォー!!


    ナゴム~仏陀L・シスベリの頃の筋少がよいなぁと思っていたら、ナゴム時代の筋少が絡むんで釈迦やらオレンヂ・ペニスやら出てきました。
    と同時に、前回も触れましたがこの本が出た当時はいわゆる'90年代筋少とくに『レティクル座妄想』の頃なので、世界観が最も近いような気がします。(前回『飼い犬が手を噛むので』を引用したのはただの偶然だったけど、話に絡んでくるのでびっくりしました)
    僕がリアルタイムで耳にしてたのはこの頃なんですがタイアップ楽曲が多かった(『UFOと恋人』)。その面しか知らなかったせいか、'90年代筋少にはあまりハマれず、当時聴いていたのは人生の方。レーベルメイトなんで人生ネタも数多く出てきます。

    2作目チョコ編、擬音がやたら多いのが嫌で今回はダメかなー★3.5ぐらいだなーと思いましたが最終章でめちゃくちゃ泣かされました。
    こんなものに共感してちゃダメだろと自分でも思うんですけど。

    グミ編の感想で書き忘れてましたが、ほぼラノベと同じような内容で読み易いです(滝本竜彦なんかも影響受けてるそうですが)。
    擬音が多い点もラノベと共通してると思う。

    小説の時代設定はたぶん'82年。他ジャンルの作品もそうですが'82・3年以前のものと'84・5年以降のものはそこで線が引かれたように作風の差を感じることが多いです。なので'82年というのはひとつ興味深いところ。
    (「さんまのまんま」ゲストにオーケンが出た回、youtubeで見たらめちゃくちゃ面白かったです。)

    この小説が書かれた頃は筋少結成の'82年から約10年後なんで、'82年の筋少と'90年代の筋少(主人公達のバンド)が対峙する・・・というような構造でもあるのかもしれません。

  • 前編よりこっばずかしさは無くなったぶん
    インパクトが弱くなって、怒涛のナナメ読み。
    次編が気になる。

  • わたしが夢中になってやっていること、本当は意味なんてないのかな、賢三と一緒に、わたしも今とても不安な気持ちです。 パイン編を読んで、この気持ちよ晴れてくれ!

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