火の鳥 5 復活・羽衣編 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 705
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041851050

感想・レビュー・書評

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  • 本角川文庫版では2巻にあたる未来編であくまで脇役として登場する猿田博士の助手ロビタは、その物語において「私もあなたに使えて60年、老いぼれてしまった…」というセリフを吐く。5巻にあたる本巻においてはそのロビタ自身の誕生秘話的な流れで物語が流れてゆく。

    実際に発表されたのも未来編が先とのことなので、角川文庫もこの脇役→誕生秘話的な順を気に入ったということなのだろう。ここの部分は自分としても意見が一致する。

    羽衣編は火の鳥の中ではめずらしく他編にあまりからみあわない、独立したお話だとずっと認識していた。人形浄瑠璃かなにかの舞台をみせるような手法が新鮮で、木下惠介版の「楢山節考」(1958) を観たときも「おお、これは手塚さんにみせてもらった手法。」とあまり驚きはしなかったりした記憶がよみがえる。発表順から判断する限りは木下惠介が先駆者だったということになるのだが。

    で、その「羽衣編は独立章か?」という問いかけにはその後の望郷篇(角川文庫版でいうところの次巻に収録)にて、初出の連載誌COMの休刊などが影響した結果多大な改稿がなされ、元あった関連性が薄れてしまったという話がWikipediaにも記されており、こちらはこちらでオリジナル版の存在が気になったりもする。

    さ、次いってみよぅ!

  • 事故死から人造生命として復活した少年。人間が悪意ある無機物に見え、ロボットの少女に恋をする。どちらかといえば歴史ものが面白いが、SFの古典的テーマでもあるね。人間の知能がAIに奪われ、情愛や理性が失われたら、それでも人間らしく生きているといえるのだろうか。

  • 復活編 90点
    羽衣編 84点

  • 復活編
    一度死亡し、人工的な物質により生き返ったレオナは、人間が奇妙なものに、ロボットが美しく見える。実際、この時代の人間は、大事なものを忘れているかのように描かれている。逆説的なものの見方によって、大事なものはなにかを考えさせられる。
    ロボットのアイデンティティや権利を描いた、当時かなり先進的な作品。ロビタの集団自殺の謎が、レオナの行く末に結びついていて、この大きなうねりに感動した。

    羽衣編
    舞台の漫画化という実験的な作品。羽衣伝説にうまく火の鳥をからめている。ここでもやはり、未来には戦争が起こっている。

  • 2012年12月13日読了。事故により身体組織を人造素材に交換したレオナと、召使ロボット「ロビタ」の集団自殺(自己破壊)の行動の因果を描く「復活編」、「天女の羽衣」説話を戯曲風の構成でSF的に語る小編「羽衣編」を収録。『火の鳥』は日本古代を舞台にしたエピソードもいいが、私の趣味ではSF的なエピソードが非常に好み。主人公レオナのたどる運命は悲劇的としか言いようのないものだが、人間の幸せ=機械の幸せではないもの、世の中に絶対的な基準はないよなあ・・・など考えさせられる。よいSFにはいつも自分の価値観を揺さぶられるものだ。「羽衣編」には火の鳥が出てこないが、このエピソードは尺の都合で入れちゃったものなのか?これはこれでいいのかな?

  • 「おねがいだ ぼくを人間かロボットか
     どっちかにはっきりさせてくれっ! 先生!
     …… ぼくはロボットになりたい…… ……」

  • 鳳凰編(前編)

  • 復活編大好き!レオナが犬投げるとこ超可愛いです>< 羽衣編ラストこわい

  • 火の鳥以上の傑作に、ぼくはまだ出逢っていません。

  • 僕が初めて読んだ手塚治虫作品は、『火の鳥 異形編』でした。当時小学校低学年だった僕にとっては、『火の鳥』は怖い作品、そして大人の漫画として印象づけられ、その後、そのスケールの大きさに圧倒されながらも読み漁ったものです。

    日本人はなぜこんなに漫画が好きなのか、外国人の目には異様にうつるらしい。なぜ外国の人はこれまで漫画を読まずにいたのだろうか。答えの一つは、彼らの国に手塚治虫がいなかったからだ。

    1989年2月10日、手塚治虫が亡くなった翌日の朝日新聞・天声人語のこの一節を、彼のライフワークであった『火の鳥』を読み返すたびに思い出します。

著者プロフィール

手塚治虫(てづか おさむ)
1928年11月3日 - 1989年2月9日
大阪府生まれ、兵庫県宝塚市出身の漫画家、アニメーター、アニメーション監督。その功績から、「漫画の神様」とも評された。1946年デビュー以後、漫画を表現とストーリーでもって魅力的な媒体に仕立てる。『ジャングル大帝』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『どろろ』『ブラック・ジャック』『アドルフに告ぐ』など、世に知られる多くの代表作があり、アニメ化・実写化された作品も数知れない。

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