奇子(上) (角川文庫)

  • 角川書店 (1996年6月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784041851296

作品紹介・あらすじ

呪われた出生を背負い、運命にもてあそばれる奇子。地方旧家、天外家の人々を核に、激動の戦後史を背景に、哀しくもたくましい奇子の運命を描いた感動巨編。

みんなの感想まとめ

呪われた出生を背負った主人公の成長と、彼女を取り巻く家族の暗い背景が描かれた物語は、読者に強い印象を与えます。地下牢で育つ奇子の姿は、恐怖と不気味さを感じさせつつも、その運命に引き込まれる要素が満載で...

感想・レビュー・書評

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  • 地下牢で成長する奇子。
    暗く黒い汚れきった家族。
    恐いけど読み進めてしまう問題作。

  •  人のエグいとことか、怖いとことかが出過ぎてて怖かったです。
     登場人物全員がやばい人なのに、自分は他のキャラに比べたら正常やと思ってる感じが、めっちゃ不気味でした。ぎょえー

  • 何とも気がそがれる作品…わかっていたけれども…

  • 手塚作品の中でも一部で評価が高いので読んでみたが、あまりこういった話は好みではない。しかし手塚先生の描く女性は本当に柔らかそうで、可愛いし、美しい。

  • 観ていたドラマにこの作品と下山事件が出てきて
    久しぶりに読みたくなった。
    とてつもなく面白い
    ミステリーとインパクトのある絵と奇子という悲劇の少女の怪しい美しさと何もかも面白い

  • NHKの「100分で名著 手塚治」で知って初めて読んだ。なんとおぞましい家族だろうか。復員兵の仁朗が暗殺事件に関与したことをきっかけに、天外(てんげ)家の中で殺人事件が次々起きていく。家族の犯罪や淫らな親子関係の秘密を隠ぺいするために、4歳の少女、奇子(あやこ)が土蔵に23年も閉じ込められて育つという物語だ。親兄弟や親戚、天外家のことを思ってとったはずの登場人物のそれぞれの行動が、ことを悪い方悪い方へ導いてしまう。このマンガは、戦後日本のどこにあってもおかしくない家族を登場人物にした、手塚治虫らしい人間の闇を描いた物語だ。

  • 国分寺の、とある古い名曲喫茶店は窓があまりないせいか、昼間でも店内はほの暗い。
    私語や携帯が禁止の店内なので、静かに考えごとや執筆をするのにぴったりで、それに飽きると店内にある小さな本棚に手を延ばす。

    そこで見つけたのが「奇子(あやこ)」。

    戦後の下川事件、松川事件、三鷹事件を発端にし、戦後のアメリカと日本の従属的?関係を描きながら、惑わされる天外家の人々の話である。

    地方旧家である天外家の父親、傲慢で淫乱な作右衛門。
    戦争から機関し、のちにGHQ秘密工作員となる、次男、仁郎。
    家を継ぎ資産を受けつぐことを狙う長男、市郎。
    長男の嫁、悲しい女、すえ。
    次女 志子は明るい性格でムードメーカだが、家に黙って「アカ」の活動に加わっている。
    弟、伺郎はしっかりとした理論家。
    そして奇子は、すえが義理の父親との間にもうけさせられた娘。

    奇子は存在を隠され土蔵で育つ。

    一度読み進めると、読むのが止められない麻薬のような本。

    昭和史をしらないのでいまいち掴みにくいところがあり、学び直さなくてはと思いました。

  • ザ・プロファイラーを観て、ちょっと前から軽く手塚治虫ブーム。今までちゃんと全巻読んだことがあるのは『火の鳥』『ブラックジャック』『アドルフに告ぐ』『アラバスター』『MW』、ぐらいです(オススメあったら教えてください)。
    本当は『ブッダ』をちゃんと全巻読みたいなーと思ってたんですが、図書館にあったんで『奇子』から。いわゆる黒手塚とか裏手塚とか言われる作品群の中でも有名なひとつですが、注意して書いておきたいのは手塚先生の弟子筋は藤子F・Aもそうだし、富野総監督も黒富野白富野あるからなぁ、ということがひとつ。
    あとここらへんの作品は、掲載誌がビッグコミックなんで、裏とか黒とかではなく単純に大人向け作品、社会派手塚なんじゃないかなと思います。火の鳥ですら人肉食でてくるし…。
    その上で、僕と後輩のふたりともがベスト1と思ってるのはやっぱり『アラバスター』(の、ロック)ですね。あれ手塚先生本人は嫌ってるみたいですけど(あたりまえだ)。

    さて奇子ですけど、まずこれの特徴といえばエロ描写ですが、手塚先生の絵ってあんまりエロくないんですよ(特に乳首と足首の描き方)。象徴の岩のシーンなんかは笑ってしまう。それもあって、火の鳥のチヒロとの(精神的な)セックスの方がよっぽどエロい。この路線、社会派エログロ手塚の完成形は晩年に近づいた頃の作品『アドルフに告ぐ』なんじゃないだろうか?と、ふと思わされました。
    (下巻のレビューに続く)

  • 呪われた出生と無知、無邪気ゆえの魔性。

    白痴美と言うか…ジョージ朝倉の「溺れるナイフ」のコウちゃんと少し被る設定だけど、男女が逆になるとより暗いなー。

  • 「東京都青少年の健全な育成に関する条例」が、大きな問題になっています。

    この「奇子」は、どうなるのでしょう?
    わたしは、17歳の時から20年、熱心に何度も読み返しています。
    女子高に在籍していて、たまたまでしょうが、何人ものクラスメイトが所持していて、色々な話をすることを提示してくれた作品でもあります。

    大変危険な改正案にしか感じません。

  • 田舎の閉塞感・戦後の混沌とした日本・近親相姦などなど。
    果てしなく暗い。えぐい。えろい。
    人間の「負」の部分を余すことなく描ききっています。
    そんな中で外の世界も知らずに閉じ込められて育った奇子は、
    傷ひとつなく美しく育つのだけどその常識・概念はひどく歪んでいた。
    もちろん周りの人間も。
    ・・・みたいなおはなし。

    手塚のこーいう暗いおはなしが大好きなわたしにはスマッシュヒットな作品でした。
    無知だからこその淫婦。奇子えろすぎる。

  • 全集で全巻読んだ.
    ---
    齋藤飛鳥が紹介していた。https://fashionbox.tkj.jp/archives/1351093

  • 大東亜戦争後。
    復員して帰って来た実家は、物凄く狂気じみている事に気付く仁朗。
    妹と紹介された奇子は、実は腹違いの妹。母親は兄嫁。
    奇子は一族の体面のために肺炎で死亡したことにされ、天外家の土蔵の地下室に幽閉されたまま育てられる。
    無垢のまま、美しく育つが、人として欠けている。それは常識。

    登場人物の性格と利害関係が複雑に絡み合い、世間に知られることなく時は過ぎてゆく。

    国鉄三大ミステリー事件や朝鮮戦争等を背景にしている。

  • 最初はまた政治の話かと思ったが、それどころではなかった。
    いい意味で久しぶりに裏切られた漫画。
    田舎の古さと悪さがこれでもかと襲いかかってくる。
    まともな人間がいやしない。

  • 『#奇子(上)』

    ほぼ日書評 Day620

    手塚治虫の問題作、Kindle Unlimitedにて。

    1972年の作。迷宮入りとなった、戦後の国鉄総裁失踪・轢死も題材としながら、地方の名家におけるタブーに切り込む。

    下巻は、意外な結末が待っているそうなので、これも楽しみだ。

    https://amzn.to/3PnIZNP

  • 久々読みだが、鮮やかに人間と時代を描き出していて、本当に見事。手塚作品でも、一番好きな作品の一つ。歴史ものに終始しないのがすごいよね。

  • 手塚治虫さんの漫画なので
    一応読んではみたけれど
    暗いなぁ。人殺しの描写も普通に出てくるし
    何ともいえない悲しい気持ち。

  • こんなこともあったんだろうなあ、と昭和を感じる。

  • もう完全にドロドロさせることそれ自体を目的に描いているとしか。。これが日本の田舎であり、田舎はこの国の象徴。下巻で救いがあるのかしら。

  • かなり大人向けのマンガです。
    戦後の田舎の旧家が舞台なんだけど、いばりくさった戸主が長男の奥さんに生ませた娘さんがいちおう主人公の奇子(あやこ)ちゃん。
    死んだことにされて土蔵で育てられるの。
    で、彼女が外に出ることによって一族に不幸が訪れる…と。

    なんだか山岸涼子さんの『日出処の天子』の番外編『馬屋古王女』ってコレがネタ元なんじゃないかなぁ?
    実の兄弟間で妹を争って、結局最後は一族滅亡ちっくなところがそ~っくり!

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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