ばるぼら (下) (角川文庫)

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レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041851333

感想・レビュー・書評

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  • 【あらすじ】
    美倉洋介がかつて都会の排泄物とさえ形容した、あのさえないフーテン娘バルボラが仮面を脱いで正体をあらわした。それは、あまりにもみごとな”女”への変身であった。バルボラは現代に生きる魔女なのか?美倉はバルボラと結婚を決意したが、式の当日思わぬ邪魔が入ってしまった…。バルボラの消えた美倉の部屋は空虚だった。そして彼の名声も急速に失墜していく。(169文字)

    【感想】
    上巻よりも、さらにおもしろかった。
    『ブラック・ジャック』のようなエピソード形式だった上巻にくらべ、下巻ではすべての章がひとつの物語となる構成になっている。バルボラの設定やオチの付け方など、なんだかんだで手塚治虫の話は理に落ちる。不穏さや謎に満ちたまま、不条理や崩壊に進んでいってもおもしろかったと思うが、この作品は理に落ちてくて嬉しかった。
    バルボラが”女”を見せるシーン、とてもよかった。一瞬で顔や姿が変わってしまうバルボラ。女を見せるときに「正体をあらわした」と表現するのがおもしろい。普段女性は自分の中の”女”を隠しているんだろうか。どうだろうか。手塚治虫が男だからこう表現するのだろうか。他の作品でも同じような表現をみたような気がする。
    第12章「回帰」冒頭の冷めた夫婦生活が異常にリアル。なにかしら手作業をしながでしか会話をしないのがリアル。決して夫婦二人は顔を合わせて会話しない。
    この作品は手塚治虫のキャリアが低迷していた時の作品だ。その時代に、見向きされない芸術、作者が死んでもなお生き続ける芸術、そして最後には作品がヒットする作者を描いていたと考えるととてもツラくなった。(493文字)

    【メモ】
    ・手塚治虫のなかで暴力と言えば、平手打ちなんだるか?やたらと出てくる。
    ・結局、バルボラとばるぼらの使い分けはわからなかったなぁ…
    ・上巻でもあったが、歪んだビルやタイルなどは表現主義の影響なのかな?(100文字)

  • 手塚治虫の作品。
    その中でもこれは狂気や禍々しさや怖さがある。
    でもそれに惹きつけられる。

    2012.4.3読了

  • 黒魔術などが出てきてうさんくさいオカルトがからみ、最終的には物語冒頭に戻る。
    前半の方が好きだけど、これは連載期間とか決まっていたのか?しばりがあってそこに合わせて描いている感じもするが、うまく展開させていると思う。

  • 手塚治虫の作品には、たまに背筋が凍るような(もしくは悪意が隠されているような)怖い描写や構成から成るものがあるのですが(個人的には、『ビッグコミック』に連載された1970年代前半の作品に突出して多い気がする)、「ばるぼら」もそんな作品のひとつです。悪趣味な魅力とでも言うのでしょうか、登場人物の思想的な偏りかた(?)も相まって、怪談の様相を見せています。

  • ぶっちゃけなにがなにやら以下略。ミューズ?え?ミューズ?みたいな。

  • 「MW」とこれははずせません。

  • ばるぼらは芸術家にとって失ってはならない“何か”のメタファーとして描かれていると思った。成功するまでの純粋で素朴な情熱。成功後の努力と良心。それらを失うことはすなわちばるぼらを失うこと。。

  • 芸術ってこうかもね。

  • 実験的にテクニックだけでこいういうカンジ(私小説のような文学作品スタイル)で、どうよ?なんて作ったにしては重すぎるし、遊べていない。手塚先生としては、山に埋めたり。海に投げ捨てたいくらいかもしれん。そういう作品ほど、なぜだか妙なエネルギーがある。
    手塚版 「ベティブルー」。3点。 天才のXXXXは紙一重なんていいますが振り切った部分にメロメロなわけです。
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    手塚治虫ブランドを逆手に取り効果的に奇妙な作品に仕上げているとしたら・・・<BR>
    手塚治虫おそるべし お手上げです。

  • 芸術の神の娘「ばるぼら」に運命を翻弄されてゆく幻想作家。芸術とはどんな存在なのか?膨大な作品群を生み出した手塚治虫が問う。「芸術はその時の流行によって価値が決められてしまう」というセリフのあるラストの話がひどく印象深いです。

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著者プロフィール

1928年、大阪生まれ。漫画家。戦後漫画界の巨匠にして日本TVアニメの始祖。1989年没。代表作に『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『火の鳥』『ブラック・ジャック』他多数。全400巻の個人全集を持つ。

「2018年 『いばら姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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