- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041852101
作品紹介・あらすじ
高校三年の天馬安寿子は陸上部のスター。怖いもの知らずで美人。加えてそのさっぱりした性格で学内の人気者だ。人生が順風満帆に見える彼女にも、人知れぬ悩みがあった。幼なじみ・舞の恋人である一平に密かに惚れていたのだ。しかも泣きたいくらい熱烈に。しかし、一平のようなクールでつかみどころのない男は決して自分に振り向かぬことも安寿子は知っていた…。地方都市に暮らす高校生達の、切ない恋愛と友情の輝き。ノスタルジー豊かな傑作青春小説。
感想・レビュー・書評
-
古本屋でとても懐かしい本と再会した。地方都市の高校生たちを描いた、「想い出させてあげよう」
前作の「想い出にならない」とともに何度も読んだ本。
帯の「好きになったのは、親友の恋人‥」という言葉を見ると恋愛がメインのようだけど、多感な時期の高校生たちの心の有り様に重きが置かれている気がする。
周りの友人や家族との関係、卒業後に進むべき道はどこかなど、自分でも扱いきれない葛藤やもどかしさと懸命に向き合ってる姿に、同年代だった当時は憧れと共感を持っていたのかな。大人になった今は、憧れとは少し違うまぶしさを感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
天馬安寿子の格好良さ。
"思い出させてあげよう"に籠められた潔さ。
堀田さんの作品に出て来る人々は、それぞれがそれぞれの優しさを持っていて、優しさとは弱さでなく柔らかさだけでもないこと、強さとは攻撃性でなく完璧性でもないことを感じさせてくれる。
読んでいる内に作家さんに実際にお会いして話を聞きたくなってしまう、世界観の源に触れたくなる魅力。 -
揺れてるよね~、という感じの小説。高飛びやってて、とっても格好良くて人気もあるんだけど、その分、人知れず悩みも深い高校生の女の子が主人公。幼なじみの彼氏?に恋しちゃうんですな。
同じ登場人物で視点を変えたシリーズものがあるそうですが、読んだことないかも。ひょっとしたら本棚の奥から出てくるかも知れません。
ちょっと、台詞のやりとりとかがしんどいのと、名前が凝りすぎててしんどいのが、自分には合わないところかも。 -
クールな感じで、カッコいい天馬安寿子という女の子が主人公のお話。
これは「想い出にならない」の続きのお話です。
本の帯に書いてある「好きになったのは、親友の恋人・・・。せつない青春小説」
って書いてあったのが決めてで、読んでみました。
実は、長年仲良くしていた友達の彼氏を好きになった経験があるからです。
でも、中身は、そこらの少女漫画のような内容ではありません。
高校生ならではの悩み、進路や恋愛、友情などの悩みをかかえている天馬安寿子。
でも、彼女をとりまく友人たちも同じ悩みを一人一人抱えている。
家族との会話や、友人との会話を通して、
天馬安寿子だけでなく、他の登場人物も
少しずつ成長していく過程が見られる。
また、登場人物、一人一人の個性が強いので
天馬安寿子が主人公ということを、ときどき忘れてしまう。
一方で、この小説の書き方が面白い。
著者の目線での気持ちを踏まえながら書かれている文章もあれば、
登場人物の目線で、それぞれの心のうちを描いている部分もある。
全体的に、ほんわかムードの作品です。
こってりな恋愛小説でもないし、
こってりな青春小説でもない。
ただ、誰にでも感じたり、体験したことのあることが
たんたんと描かれている作品だと思います。
そのなかでも、登場人物の個性が強いため
会話や心の変化の部分で面白さを感じる部分もあり
読みやすい作品だと思いました。 -
【2005.05.15.Sun】
高校3年生の天馬安寿子は美人で性格も良く、学内の人気者である。彼女を中心として高校3年生の若者たちの揺れ動く心を爽やかに描き出している。友情、恋愛に悩みながらも目の前には進路という壁が立ちはだかっている高校3年生。その心は崩れやすくデリケートだ。そんな彼女たちが少しずつ前向きになり、自分の将来を見つめていく様子はとても心が温まるものがある。私にもこんな時期があったのかな…とふと思う。青春というのは振り返るものじゃなく、自分の心の中に吸収されていくものなのかもしれない。校舎で交わした一言一言が将来への土台となっていくような。
-
格好いいって大変だ。美しい少女はどこか少年に似てる。
著者プロフィール
堀田あけみの作品





