海の鳥・空の魚 (角川文庫)

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本棚登録 : 601
感想 : 83
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041853016

感想・レビュー・書評

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  • 寂寥…何とも言えない満たされない寂しさを感じる。短編が20入っているのだけど、どの人物もみんな素直なようでひねくれていて(←いい意味で)しみじみと人間らしい。読んでいるうちに涙がにじんでしまいそうになる。不思議なんだけど家族の大切さや脆さ、壊れやすさを感じる。作品中に散りばめられた「希望」や「家族」。

    鷺沢さんの作品、もっと読みたいなと亡くなってしまってから思うことが多くなった。色々な作品に満たされぬ思いと、それをふり切って明るく頑張るぞ~!というカラッとした気合がチラッと見えるような気がする。人柄がにじみ出ているように思う。

    「明るい雨空」「月の砂漠」「あたたかい硬貨」「星降る夜に」「横顔」「卒業」が好き。あとがきと群ようこさんの解説がまた素晴らしい。感動します。

  • 鷺沢萠は初めて読む。
    大変申し訳ないのだが、最初は「あれ?思ってたのと違う…」と言う感じだった。
    それから暫く、忙しくて読めずにいて、3日ぶりに読んだ。良かった。

    日々の小さな出来事を切り取って書いているだけなのに、どうしてこんなにノスタルジーな気持ちになるんだろう。
    懐かしさや切なさ、そして後悔やら何やら…
    どこにでもいそうな、でも個性が光る登場人物たちの気持ちが、そーっとそーっと心の中に入ってくる。
    そんな不思議な心地よさがあった。

    私のお気に入りは、ポケットの中と柿の木坂の雨傘。思わず目頭が熱くなった。こういう話に、私は弱いのだ。

  • 概ね評判が良いようですが、残念ながら私にはその良さを受け取る事が出来なかった。

  • 鷺沢萠さん作品を読むのは初めてだ。
    日常の中でふとした一瞬を切り取ったような短編集。

    冷たくてかたいのに暖かくてほっとしてしまうような、不思議な文章。
    コンクリートに囲まれた街中で、足元のアスファルトを割ってたんぽぽが花を咲かせているのを見つけた時の気持ちに似ている。

    「グレイの層」と「金曜日のトマトスープ」が好き。

  • 20篇の掌編集。ふっと気分がよくなるような硬質な優しさのある話が多い。「明るい雨空」はイイ話というわけではないが、折りに触れて思い出す。

  • 表紙の絵が素敵なので手に取りました。

    萠 鷺沢
    めぐむ さぎさわ
    という名前
    にも驚きを感じました。

    群ようこ
    さんが解説を書いていますが,納得できました。

    内容は,すべて短編で,21あるので一度読んでみるのがよいと思います。

    最初の「グレイの層」

    著者の姉かもしれない登場人物。
    最後のページをめくると,ただ一行。
    「ねえ,わたし、あなたと結婚したい」

    すごい。ここまで余韻を残して断言できる展開に唖然とした。
    この人の本をたくさん読んでみようと思いました。

  • なんか疲れていて、3個目の傘がなくておじいさんの傘が、ってところで悲しい下りがありそうで読めなくなってしまった。

  • 20の超短編集。鳥なのに海にいるような、魚なのに空にいるような。不安定で、小さな罪悪感もあって、居心地の悪い、そんな日常も捨てたものではないと思わせてくれる作品です。

  • 高校の教科書に載っていたのがメメちゃんとの出会いでその作品が収録されてるのがこの一冊で。あれからずいぶんと時がたったが、若さゆえの照れや精一杯背伸びしている感じ、大人の世界に足を踏み入れ始めた時の期待と不安とかそういう気持ちの揺れを思い出して、胸のあたりがキュっとする。

  • 純文学の入り口のような本だった。

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著者プロフィール

1968年東京生れ。(~2004年)上智大学在学中「川べりの道」で文學界新人賞受賞。『駆ける少年』で泉鏡花文学賞を受賞。『スタイリッシュ・キッズ』『私の話』『ウェルカム・ホーム!』など著書多数。

「2021年 『少年たちの終わらない夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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