F―落第生 (角川文庫)

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レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041853047

感想・レビュー・書評

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  • どれも短くて読みやすい短編や掌編。この人は本当に、「宙ぶらりん」な人を書くのが上手い。ふわふわ宙に浮かんでいるように見えて、みんなそれなりに「宙ぶらりんに」しがみつくのに必死なのだ。

  • 鷺沢萠の本の中で一番好きな本。この本は短編集なんだけど、「シコちゃんの夏休み」がいい。これを初めて読んだとき、シコちゃんに強く強く憧れた。
    悲しいこととか何か大変なことを人に話して聞かせて「すごいね」って言わせることが、恥ずかしいことだって思うようになったのはこれを読んでからだと思う。
    あとがきに鷺沢自身の言葉で「F」(落第生)でもいいって書いてあってね、それがわたしには御守りとか呪文のように、今でも響いている。
    鷺沢萠どうして死んじゃったのかなあ。どうして死ななきゃいけなかったんだろう。ときどきその理由がわかるような気がして、でもときどき、本当にわからないって思う。

  • 鷺沢さんの本は、Fが初めて。高校の図書室で借りたこと、覚えています。
    最初の話があまりにも良い。でも、他の作品もいつまでも色褪せない。
    たとえ「A」をもらえなくたって、人間はこんなにも素敵なんだと思える。
    大好きな短編集です。

  • ここに出てくる女の子たちの人生はみんな、泥沼。
    だけど、誰一人ヘコたれず、めげない。
    背中を押して励まされたような気持ちになります。

    いとう

  • 今は亡き鷺沢さんの作品。

    どこかダメな女主人公たちの恋愛模様。
    つい自分と照らし合わせてしまいます(^ω^ ;)

    「家並の向こうにある空」は
    高校時代にテストで出題されて読みました。
    最後の「重たい色のコートを脱いで」も切なくていい。

  • お前って呼べるように、俺も頑張るよ。

  • 「「A」ばかりの人生なんてつまらない、などと言う気は毛頭ありません。そうできる条件と幸運にさえ恵まれたのなら、泣かないほうがいいし痛みや悲しみは経験しないほうがいい。後悔なんて、する必要がないほうがいいに決まっています。
     けれど、人々がよく口にする「後ろを振り返るな、後悔だけはするな」ということばにも、やはり私は簡単に頷くことができません。常に常に「前」だけを向いて生きていくことが、そんなに正しいこととは思えないからです。
     欲しかった「A」をもらえず、「A」どころか「B」にも「C」にも手が届かずに、「F」を取ってしまったのなら、してもしても足りないほどの後悔の原因が自分の歩んできた道のどこかにすでに存在しているのなら、気の済むまでそれを見つめ気の済むまで後悔したっていいじゃないか、と思っています。
     そんなふうに後ろをときどき振り返りながら、おずおずと、おっかなびっくりに歩いていっても構わないと思うのです。前を向いていなくても、胸を張って顔を上げて歩いていなくても、強くなくても優しくなくてもカッコ悪くても構わないと思うのです。ちょっとずつでも歩くことを止めさえしなければ。」あとがきより。

著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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