F―落第生 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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本棚登録 : 387
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041853047

作品紹介・あらすじ

ポジティヴに生きることだけが、決して正しい生き方じゃない。後悔したって、前向きじゃなくたって、少しずつでも歩くことさえ止めなければ、大丈夫。恋において、友情において、仕事において-。人生のなかで何かに「落第」してしまった女の子たちへ贈る、短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 痛々しくてでも一生懸命な登場人物ばかり。帰れぬ人々よりは少し軽い雰囲気がするけれど、場面を切り取る鋭さや確かさは変わらないと思った。

  • 大学生のときに(たぶん、10年前くらい)に読んだ本を再読。
    レビューはなぜか書いていなかったようだ。

    大好きな鷺沢萌さん。
    彼女が描く登場人物はどこか温かくて愛おしい。

    「シコちゃんの夏休み」
    「家並みのむこうにある空」が特に好き。

    けれど今…
    と続く下記の引用は、この本の1番好きな箇所。
    (家並みのむこうにある空)

    ”たったひとつの出来事で映画みたいに人生が変わるだなんて、あり得ないとずっと思っていた。”
    (P112)

  • 何をもって、いつをもって「落第」とするかはわからないなあ・・・

  • タイトルの通り、この話に登場するのはいわゆる「F」評価を受けそうな人生を送っている女性たちだ。
    でも、やっぱり悲壮感はない。
    鷺沢先生の作品では度々書いている(と思うのだが)ことなのだけれど、どんなにどん底でも泥沼でも、どの主人公たち(もちろん、他の登場人物も)も、生きている。
    どこか胸のすくような、「ああ、明日もがんばろう」という気持ちにさせてくれる。
    底抜けに明るくもないし、底から這いあがるような話でもない。
    いい意味でドライで、爽やかで、なんだか読みながら、「うん、そう、うん。」と頷きたくなる。
    最近、そんな気分を味わいたくて、鷺沢先生の本、読んでいる気がする。

  • 綿密な話が語られている。それぞれに抱えた「事情」をあたたかな距離で見守り、程度の差があれ、応援している。元気をもらえた。『シコちゃんの夏休み』が特に良かった。『家並みのむこうにある空』『岸辺の駅』もいい。

  • 生き方が下手な、「落第」してしまった女性たちの短編集。

    「家並みの向こうにある空」「重たい色のコートを脱いで」がすきかなあ

    男の子たちの行動がさらっと描かれてなかなか読めないのがよかった。

    啓一はいい意味で期待を裏切ってくれたし、
    達彦は裏切ってくれなかった。








    以下引用


    「おまえって、呼べるよう努力するよ」(p114)

    誕生日だけじゃなくて、もう、もう会えない。(p186)

  • 【本の内容】
    ポジティヴに生きることだけが、決して正しい生き方じゃない。

    後悔したって、前向きじゃなくたって、少しずつでも歩くことさえ止めなければ、大丈夫。

    恋において、友情において、仕事において-。

    人生のなかで何かに「落第」してしまった女の子たちへ贈る、短編集。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    Fとは成績表で「落第」の印。

    損を承知で姉のために一肌脱ぐヒロイン、だめんずに付け入られてばかりのヒロインなど、人生の合格点をもらっていると言い難い女たちを描いた短編集。

    夏休み前の成績表に一喜一憂するのは子ども時代で卒業。

    自分で始末をつける女たちがカッコいい。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 40の足音を聞くようになった現在では、落ち着いて読むことができるけれど、若いときは本当に胸が痛くなるほど共感した。
    胸をかきむしられるような切なく辛い表現がなんともリアル。

  • 再読。やはり勝利者より敗北者の物語が肌に合う。気持ちが手に取るようにわかるのは、経験値がそうさせるのか作者の力量か。基本的には傷持つ身の女が、それでも最後に一条の光を見いだせる結末ばかりなのでハピエンではある。「忘れられなくて」は「最後の一文」小説かも。良品

  • 女性が主人公の短編集。最後の話にぞっとした。大人になってもいじめはあるのか……。夢も希望もないね。

  • 家並みの向こうにある空が一番良くて。ダメな男ばっかり好きになってた主人公が、普通の男と付き合って、自分に無関心っておもって辛かったんだけど。辛くて家を出て、もう別れようって伝えようとしたら、家から消えたことを心配してくれた彼がやってきて。薄っぺらだなんて思った自分がバカみたい…なんて、ステキな話だった。人生なんて、そんなちょっとしたきっかけで動いてるもんだから。

  • 夜中のファミレスで手紙を書く場面が印象に残っています。

  • どれも短くて読みやすい短編や掌編。この人は本当に、「宙ぶらりん」な人を書くのが上手い。ふわふわ宙に浮かんでいるように見えて、みんなそれなりに「宙ぶらりんに」しがみつくのに必死なのだ。

  • 日常風景のスケッチなのかな。地味だけどがんばっている人たちのいろいろ。
    しかしくだらないとも共感ともつかない話が多くて「うーん」・・・

  • Fは不可のF。だから、落第生。
    鷺沢萌好きなんだけど、死んじゃったんだよね・・・。

    「家並みのむこうにある家」で最後に啓が千夏をむかえに来ていた言葉に感動した。

    むかしならその展開を信じて読んでいるだろうに、今の私は全く逆を予想していた。
    だから、嬉しい最後の啓の一言。

    「おまえって呼べるよう努力するよ。」

    涙がでちゃった。

  • 2010年1月28日購入。

  • 鷺沢さんの本は、Fが初めて。高校の図書室で借りたこと、覚えています。
    最初の話があまりにも良い。でも、他の作品もいつまでも色褪せない。
    たとえ「A」をもらえなくたって、人間はこんなにも素敵なんだと思える。
    大好きな短編集です。

  • ここに出てくる女の子たちの人生はみんな、泥沼。
    だけど、誰一人ヘコたれず、めげない。
    背中を押して励まされたような気持ちになります。

    いとう

  • 今は亡き鷺沢さんの作品。

    どこかダメな女主人公たちの恋愛模様。
    つい自分と照らし合わせてしまいます(^ω^ ;)

    「家並の向こうにある空」は
    高校時代にテストで出題されて読みました。
    最後の「重たい色のコートを脱いで」も切なくていい。

  • お前って呼べるように、俺も頑張るよ。

  • 人生の落第生の話を集めた短編集。この主人公たちは身近にはいないような類の人たちだけど、どんな優等生でも社会の中で落第している部分はあると思った。全て完璧で自信過剰みたいな人間とは仲良くはなれないかな。面白みがないかと。何かしらを悩んでいてこそ魅力がある。
    思春期のトラウマを描いた話では、共感できる表現があって気に入った。
    話の並べ方も良い。

  • 普段男性作家の書く男性主人公の小説を読む事が多いので女性作家の女性主人公の当然女性視点の小説というのは新鮮で良かった。共感できるところが少ない分客観視できてそれはそれで面白かった。

  • 最初にであった鷺沢作品。
    できなくたって、うまくいかなくたっていいじゃない
    なんとかなるさ〜

  • 落ち込んだ時に読んだから、なんだか少し心が洗われる心地がした。考えてみれば、私も人生の落第生。何かの局面で、成功したことなんてほとんどない。それでも人間は生きなきゃいけなくて、実際に生きている。それは自分だけではないのだ、と感じることによって我々は日々を過ごせているのかも。

  • がんばってるのに、うまくいかない。
    幸せなのに、どこか虚しい。

    そんな愛すべき「落第生」の女性達が登場する短編集。

  • 専ら、浴室で。全編に渡って流れる透明感が私をそういう気にさせるのかしら。

  • だめだめでもいいじゃん。<br>
    綺麗じゃなくても賢くなくてもいいじゃん。<br>
    一生懸命生きててもさ、運がいい悪いってきっとあるよね。<br>
    背中をぽんぽんと叩いてくれるような本で<br>
    私はとても好きです。<br><br>
    こんな優しい本を書く人が<br>
    どうして自ら命を絶たなければいけなかったんだろう。<br>

  • 鷺沢萠の本の中で一番好きな本。この本は短編集なんだけど、「シコちゃんの夏休み」がいい。これを初めて読んだとき、シコちゃんに強く強く憧れた。
    悲しいこととか何か大変なことを人に話して聞かせて「すごいね」って言わせることが、恥ずかしいことだって思うようになったのはこれを読んでからだと思う。
    あとがきに鷺沢自身の言葉で「F」(落第生)でもいいって書いてあってね、それがわたしには御守りとか呪文のように、今でも響いている。
    鷺沢萠どうして死んじゃったのかなあ。どうして死ななきゃいけなかったんだろう。ときどきその理由がわかるような気がして、でもときどき、本当にわからないって思う。

  • 短編集。どこかマイナスな気持ちをかかえた登場人物たち。最後の話はすっきりします。

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著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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