バイバイ (角川文庫)

著者 :
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感想 : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041853054

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  • 人なんて信じるものではない。なんて思考になったショーリだが、大体みんな人を信じているのだろうか?こっ酷く裏切られた事の無い私でも、人は信じるものではないと思っている。裏切らない自信がないからだ。
    嫌われたくない?好かれたい?寂しいから?人に自分の事を解ってもらいたいと思わない?
    解説を読んでもどう捉えればいいのかわからない。

  • 3股男、ショーリの物語。

    はたから見て、ひどい男とされる彼だが
    どうしてもそうは見れない。

    相手の事を観察して、相手が求めている事を感じ
    そのために全力を尽くさなければならなくなってしまった
    そんな男は
    多くの女に気に入られるだろう。
    当たり前だ。
    自分が求めていることをしてくれる人がいたら
    その人といたいと思ってしまうのは。
    人間の正直な気持ちだろう。

    きっと、女たちは素晴らしく幸せな体験をしたことと思う。
    人を信じるというのは確かに快楽かもしれない。
    それを味わわせてもらったという事実だけで
    幸せだと思うんだけどな。

    そんなことは、一般常識では思われないんだろうけれど。
    他に人の感想を見ていても
    納得できない意見のほうが多数だし。

    でも、私は
    ショーリにはその後も
    沢山の女と仲良くなって欲しい気がした。
    朱実を不幸から引き上げたのはショーリだ。
    きっと彼に出会っていなかったら
    彼女は不幸を引きずり続けたことと思う。
    その後、ショーリによってより傷ついたとも言えるけど
    事実、彼女は一時は幸せを味わっている。

    残念なのは、ラスト。
    よくわかんない。
    もっとすっきり終わらせればいいのに、と思ってしまった。

  • 浮気者の言い訳のお話

  • 誰もが自分が一番で、誰かの一番に自分がなることはない。
    それ以外は簡単にひっくり返るもので、だから人を信じてはいけないのだけれど、だからといって嫌われるのも怖くて、いつも「バイバイ」を言えずに、その場その場を取り繕ってしまう。
    女性にとって、そんな勝利の態度は業腹ものだろうけど、多分、男女関係なく、誰にでもそういうところはあるものだと思う。

  • 同じ著者のエッセイ「ありがとう」で触れられてるのを見て。何年かぶりの再読。幼い頃から親戚をたらい回しにされ、嫌われないことを第一義に掲げ、好意を断れないうちに、嘘を重ね、三人と同時に付き合ってしまってる主人公。人を信じるなんて灰皿を食べるようなものだ、人を信じてはならん、という祖父の言葉どおりに生きてきたが、そんな主人公を信じる、というある種の狂気が強く印象に残り、また一筋の光を感じさせながらの読後感だった。

  • 中学の先輩に当たるかたの著書。母の後輩でもあるので、手に取りました。個人的には好きになれない作品で、気持ち悪い、嫌な感じと思う表現がありました

  • 主人公が自分とは真逆なので、そういう人の心情が細かく描かれていて面白かった。
    人の内面を描くのがうまくて、先が読みたくてあっという間に読み終わりました。

  • 主人公の此の男、やっぱり好きになれないな(一部は同族嫌悪かもしれないけど)

  • 「人に嫌われたくない」けど「人を信じるのは狂気の沙汰」だと思っている主人公。自分の居場所とか立ち位置とか身の置き場がわからないまま、曖昧に浮かんで流されてふわふわしてる、そんな人を書くのがやっぱうまいなあ……

  • 「人は大切な事をいいかげんにしているうちに自分でも知らない自分を作ってしまう」
    …とは解説の引用なのですが、
    これは主人公を通して徐々に見えてくる大筋のテーマのようなものを、
    上手く要約されているなと思いました。

    読み手によっては嫌な話で終わってしまいそうな気配もするのですが、
    鷺沢さんの本を読む度に、人間を描くのが上手だなあとつくづく感じます。

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著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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