バイバイ (角川文庫 さ 24-5)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041853054

感想・レビュー・書評

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  • 人なんて信じるものではない。なんて思考になったショーリだが、大体みんな人を信じているのだろうか?こっ酷く裏切られた事の無い私でも、人は信じるものではないと思っている。裏切らない自信がないからだ。
    嫌われたくない?好かれたい?寂しいから?人に自分の事を解ってもらいたいと思わない?
    解説を読んでもどう捉えればいいのかわからない。

  • 3股男、ショーリの物語。

    はたから見て、ひどい男とされる彼だが
    どうしてもそうは見れない。

    相手の事を観察して、相手が求めている事を感じ
    そのために全力を尽くさなければならなくなってしまった
    そんな男は
    多くの女に気に入られるだろう。
    当たり前だ。
    自分が求めていることをしてくれる人がいたら
    その人といたいと思ってしまうのは。
    人間の正直な気持ちだろう。

    きっと、女たちは素晴らしく幸せな体験をしたことと思う。
    人を信じるというのは確かに快楽かもしれない。
    それを味わわせてもらったという事実だけで
    幸せだと思うんだけどな。

    そんなことは、一般常識では思われないんだろうけれど。
    他に人の感想を見ていても
    納得できない意見のほうが多数だし。

    でも、私は
    ショーリにはその後も
    沢山の女と仲良くなって欲しい気がした。
    朱実を不幸から引き上げたのはショーリだ。
    きっと彼に出会っていなかったら
    彼女は不幸を引きずり続けたことと思う。
    その後、ショーリによってより傷ついたとも言えるけど
    事実、彼女は一時は幸せを味わっている。

    残念なのは、ラスト。
    よくわかんない。
    もっとすっきり終わらせればいいのに、と思ってしまった。

  • ショーリは極端だけども、わたしも、あと今の恋人もたぶん考え方は似ているんだよなあ。
    あとぜんぜん関係ないけどショーリって名前の知人いたな、いまどうしてんだろ。


    人を信じるのは狂気の沙汰だ。ふつうのことではない。ではふつうから狂気の沙汰へと、その一線を人に超えさせるものは何なのだろう。

  • 浮気者の言い訳のお話

  • 誰もが自分が一番で、誰かの一番に自分がなることはない。
    それ以外は簡単にひっくり返るもので、だから人を信じてはいけないのだけれど、だからといって嫌われるのも怖くて、いつも「バイバイ」を言えずに、その場その場を取り繕ってしまう。
    女性にとって、そんな勝利の態度は業腹ものだろうけど、多分、男女関係なく、誰にでもそういうところはあるものだと思う。

  • 同じ著者のエッセイ「ありがとう」で触れられてるのを見て。何年かぶりの再読。幼い頃から親戚をたらい回しにされ、嫌われないことを第一義に掲げ、好意を断れないうちに、嘘を重ね、三人と同時に付き合ってしまってる主人公。人を信じるなんて灰皿を食べるようなものだ、人を信じてはならん、という祖父の言葉どおりに生きてきたが、そんな主人公を信じる、というある種の狂気が強く印象に残り、また一筋の光を感じさせながらの読後感だった。

  • 中学の先輩に当たるかたの著書。母の後輩でもあるので、手に取りました。個人的には好きになれない作品で、気持ち悪い、嫌な感じと思う表現がありました

  • 主人公が自分とは真逆なので、そういう人の心情が細かく描かれていて面白かった。
    人の内面を描くのがうまくて、先が読みたくてあっという間に読み終わりました。

  • 主人公の此の男、やっぱり好きになれないな(一部は同族嫌悪かもしれないけど)

  • 「人に嫌われたくない」けど「人を信じるのは狂気の沙汰」だと思っている主人公。自分の居場所とか立ち位置とか身の置き場がわからないまま、曖昧に浮かんで流されてふわふわしてる、そんな人を書くのがやっぱうまいなあ……

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著者プロフィール

鷺沢萠(1968.6.20-2004.4.11)
作家。上智大学外国語学部ロシア語科中退。1987年、「川べりの道」で文學界新人賞を当時最年少で受賞。92年「駆ける少年」で泉鏡花賞を受賞。他の著書に『少年たちの終わらない夜』『葉桜の日』『大統領のクリスマス・ツリー』『君はこの国を好きか』『過ぐる川、烟る橋』『さいはての二人』『ウェルカム・ホーム!』など。

「2018年 『帰れぬ人びと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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