- 角川書店 (2005年4月23日発売)
本棚登録 : 445人
感想 : 53件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784041853108
作品紹介・あらすじ
あなたはあたし、あたしは、あなた。どこにでもいそうな中年男と、日本人離れしている容貌の二十六歳の女。寄り添い、抱き合い、慈しみあい、二人はごく自然に求めあっていった――。
みんなの感想まとめ
テーマは愛と自己受容であり、登場人物たちの関係を通じて、読者は自らの過去や思考を振り返る機会を得ます。物語には中年男と若い女性の寄り添う姿が描かれ、彼らの間には独特の魅力が存在します。感想の中には、登...
感想・レビュー・書評
-
著者最後の恋愛小説との事。
『さいはての二人』は中々良かった。
朴さんの中に自分を見つけて、自分の生い立ちや過去や考えている事を振り返り、朴さんを通して自分自身を受け入れていく。穏やかに好きな感じが、いいなと思った。
俯瞰してみると、変な男にハマったな…なんだけど、その人にしかわからない、それなりの良さがあって、誰しもが、パズルのピースみたいに、この人がいい!と思う瞬間があるんだと思う。
本人が良ければいいじゃない、一度きりの人生なんだから…かな詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本屋さんのPOPにて、絶版で購入できるのはここだけと、書かれていて気になって購入。
しかも400円でびっくりした。
一番好きなのは表題作のさいはての二人で、発売された当初にはきっとツインレイなんて言葉はまだなかったと思うけど、読みながらこの二人はツインレイだと、私は思った。
アンニュイだけど冷静、客観的な文章で、著者の他の作品も読んでみたいと思った。 -
初期作品とずいぶん違うのですね。
雰囲気は同じだけれども。
初期作品は、書くことによって、自分の中にある理解しきれない何かを、理解しきれなくてもそのままに解放していた感じ。
対してこの短編集では、理解しきれないものという本質に蓋をして、本来なら叶わない願いを塗り重ねている感じがします。蓋をしているから、仮に叶ったように見えても、おそらくそれは本当の意味では本人の腑に落ちていない。だからこれらの作品は切ないのだと思うし、初期作品の寂しく鋭いきらめきが私には感じられなかったのだと思います。 -
今、ふたたび、鷺沢萠。
と、いう、啓文堂書店さんのコピーに惹かれて。書店の働きかけで、絶版本を復刻するって、粋な試みだと思う。そして、このチョイス。痺れる。
生きていたら、今をどんな風に書いたのかな。どんな風に苦しんだのだろう、彼女は。こんなにも才能があるのに。 -
アメリカ人の父親と日本人の母親を持つハーフの美亜。
父親は誰かわからず、母親も再婚により今は連絡をとっていない状態。
被爆2世の朴さんと知り合い、お互いの孤独を癒していく。
最後は朴さんの死で終わり、ミアに新しい命が授かる。
確かにアメリカの核爆弾が違う種類で2回も落とす理由は「試したかった」ということなんだと思う。
戦争は人を人として見ることはないんじゃないかな。
悪い悪くないというのではなく、価値観が破壊される。
人としてみてしまえば、全員の精神が狂ってしまう。
ありえない状況でありえないことが起こり、感覚を麻痺していく。
人間をコントロールするのって簡単なんだろう。
常に起こってしまったことに対してなにを言っても始まらない。
起こったことにどのように対処するか、そこが大事。
私は孤独ではない。
でも幸せでもないように思う。
感情なんて日々流動的で永遠に孤独な人はめずらしい。
面白かったと思う。
-
夜の本屋で見つけて、「あ、持って帰らなきゃ」って思って買いました。
-
3.8 恋愛小説ではあるが、救いの3つの物語。生きていくことは辛いことの方が多いが、それでも生きて行こうと励ます内容。作者もこう考えていたのかもしれないと顛末を知っているだけにそう思ってしまう。生きて行くことは意味がある。結論はそうありたい。
-
表題作、すごすぎないか。情報開示がうますぎるし、全部わかってから二人の交流を思い返すと、涙が出そうになる…………。それでいて、二人の抱える過去が安易なびっくり要素にはなってない。
いや、すげえよこれ。すげえ。 -
主人公の生い立ちは悲しいものもあったけれど、どの話も主人公たちが前向きに生きていこうとする気持ちを持って終わっていて後味が良かった。
-
3つの短編集
「さいはての二人」美亜の生い立ちは悲しく、それでも親を憎んで恨んでいない所が、凄いなと思った。朴さんと幸せになって欲しかった。
「約束」サキが不憫でならない。行雄が故郷から逃げ出した時は、ひどい男だと思ったけど、サキに会う為だと思ったら、少しは納得。
「遮断機」悔やまれる人生なんて多々あり。おじいは本当に素敵な人だったんだろうな〜
全体的に信じられない事が起こっているけど、実際はこんな事が起こっているのかな?と思いました。 -
-
壮絶な生まれと不幸な生い立ちを持つ男と女の話。
男が死んだ後に残された女が持つ家族への思いがせつない。 -
美亜とパクさんの物語。さいはて、というのは、2人の心に映った世界のことだと思った。どこにいても、何をしていても、そこは、さいはて。そんな心で生きる二人が、出会えて良かった。そんな物語。
-
「さいはての二人」、凪良ゆうの「流浪の月」を思い出した。男とか女とか関係なく、こんな関係に憧れちゃう。
-
3つの短編、いずれも社会に出て数年、30前後の男女が主役、その主人公を取り囲む人達との関係と心持ちが興味深く、面白い。
-
これ、すごくレビュー描きづらいんです・・
すごくもやもやします。
今の私にとって、いいもやもや感なんだ、ということは
なんとなく分かります
でも言葉にできません
ただただ、
声にもならないため息が
身体を通っては流れていく感じ
魂がぎゅーっとなります
また時間置いて読んでみるつもりです -
今の私に必要だった本
-
【本の内容】
「―この男は、あたしだ…」美亜がはじめて朴さんと会ったのは、所属していた劇団が潰れたのを機に、新橋の飲み屋『スタア』で働きはじめて一週間経つか経たないかの頃だった。
三日にあげずに店に顔を出す朴さんに、美亜はやがて「あたしと同じものを持っている」と、強くひかれていくのだった…。
家族との繋がり、自分の居場所、死について描いた、著者最後の恋愛小説集。
[ 目次 ]
[ POP ]
孤独を抱え家族の温もりに飢えたもの同士の恋。
でもその恋は寂しく切なく、それでいて純粋で清らかで希望も感じます。
誰にでも孤独の穴を塞ぎ、自分が生れてきた喜びや感謝の気持ちを感じさせてくれる人は必ずいると思えるのです。
恋愛小説というよりも家族小説、人間小説という方が適当かもしれません。
もう、鷺沢さんの新作を読むことはできない。
だから私は、寂しいとき、自信をなくしたとき、大事に大事に読んでいます。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
人と繋がっている、そのもろくも強い縁は自分にもつくることができるだろうか。
胸が苦しくなる、温かさにも、苦悩にも。 -
人物としては多分友達になれないと感じるのに、作品にはどうしようもなく惹かれてしまう作家やアーティストがいる。鷺沢萠 はその一人である。いろいろな評伝を読むかぎりでは、きっと仲良くなれない人なのだが、彼女が描く物語はとても深く僕の世界に入り込んでくる。
表題作である「さいはての二人」、若さゆえに人生の壁と向かい合えない男が出会う少女との短編「約束」、ひたむきに生きてきた三十路の女性が家族を考える「遮断機」の三編を収録。
僕はもう彼らのように将来への不安や過去の傷とも向かい合うほど若くはない。でも、だからこそ、彼らが作中で気づき、前を向いて生きていこうとする姿に強く心を動かされる。
一人であることと孤独であることは違う。人は誰しも人生において深い魂の交わりを感じることがある。その強さを感じることができるのは、人並み以上に感受性が高い若い時代だけなのだ。
ぜひ20代の方に手に取っていただきたい名作である。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
鷺沢萠の作品
