プロメテウスの乙女 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 152
感想 : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041879948

作品紹介・あらすじ

近未来、急速に軍国主義化する日本。少女だけで構成される武装組織『プロメテウス』は猛威をふるっていた。戒厳令下、反対勢力から、体内に爆弾を埋めた3人の女性テロリストが首相の許に放たれた……。

感想・レビュー・書評

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  • 「国家は急にはおかしくならない。まだこれくらい大丈夫と思わせながら少しずつ、少しずつ間違った方向に向かっていく」「日本人は一度決まってしまうと順応する」というような記述があったが、まさにその通りだ。そうして70年前、戦争へと進んでいったのだろう。
    社会風刺がこれでもかというほど効いた、重く哀しく救いがないサスペンス。ただ、プロメテウスの存在がどことなく漫画的なのが赤川次郎さんらしい。確かにあり得ない社会だと思うし、さすがにこんな世の中にはならないと思う突拍子もない設定ではあるが、だからこそところどころにある真理をつく言葉ににはっとさせられる。
    80年代の本だが、今読んでも面白かった。今の日本の状況と重ねて読んでしまう。

  • 赤川次郎と2度目の出会い。文章はそんなに好きなわけじゃないてすが、やはりストーリーテラーですね。なのに、変に人情に傾けないのもいいですね。緊張感がはりつめてるわけではないのに、緩まないってさすがです。とりあえず、中村佑介を使うという、角川の戦略にまんまと乗っかってます♪

  • 20歳以下の女性だけの私設護衛隊、それがプロメテウスの乙女。
    武装して、政治体制の規律を取り締まる。

    政商の娘が首相から直々に勧誘され、入会する。

    爆発物を使った暗殺計画が進行していて、
    実はその一味でもある。

    赤川次郎作品は、突拍子もないところが、
    社会派小説として暗くなりすぎないところかもしれない。

  • 今読んだらいまいちだなあ でもやっぱり素敵 この映画に主演する夢を見て起きてにやにやしてたら遅刻した

  • 何というか言葉の出ない話ですね、、、
    全体的にはシリアスなんだけども、赤川さん自身は登場人物の心情を細かく記しているわけではなくて淡々と起きたことを書いている感じなんですよねえ。それなのにやっぱり感情移入しちゃうところがすごい。
    赤川作品は他の話もそうなのですがもう惜しげもなくあまりにも淡々とパンパンパンパン人が撃たれていくとこがあります。私もそこらへんのところは慣れて(え)人が死んでもあまり感慨がないのですが(え)よく考えたらすごく怖いことだなぁと思いました。人一人殺されてもびくともしない世の中なんて絶対嫌です。特に赤川作品の登場人物(特に女性)は素敵な人が多いのでそういう人が蹂躙されていくところを読んで胸にグッときました。

  • ざらっと読んで軽く凹むには最適の一冊。

  • "急速に軍国化する日本を止めるべく、三人のテロリストが首相暗殺を謀る物語。"

    今の日本のことを言われているようで、どきりとする。こんな社会にはなって欲しくない。絶対に阻止する必要がある。

  • プロメテウスの乙女は、17〜20歳の少女たちの集団で、銃で武装し、社会の害虫を排除したり反政府活動を取り締まるというストーリー。過去に読んだ「三毛猫ホームズ」などの赤川作品と打って変わって、シリアスそのものの近未来的サスペンスだった。

    ちなみに本書はクーリエジャポン編集長の手紙で薦められていて、気になって読んでみたもの。結局何だったの??と思い返すと、2014年の流行語大賞にもなった「集団的自衛権」から連想されたテーマなのでは。軍国化した10年後の日本の近未来への警告、正義という名のもとに、洗脳が洗脳でなくなってしまう社会。ナチス政権時と違って、プロパガンダの力以上に個々のメディアの存在感が増している今日ではあるけれど、プロメテウスの世界は、人間の本質が変わらない限り、意外と簡単に起こり得ることなのかも知れない。

  • 30年以上前の出版当時に読んだ時、再軍備が進む日本の近未来の姿を書いた小説として印象に残った。ここ数年の隣国との小競り合いが散発する状況のもとで、この本のことを思い出したので再読してみたが、期待外れだった。中学生の初読の時は面白いと思ったのだが、安直な展開と薄っぺらいキャラクター描写に幻滅。話のプロット・材料は興味深いだけに残念。

  • 「プロメテウスの乙女」は、本来なら学校に通い、恋をし、眩しい青春を送っていたであろう少女たちだ。そんな彼女たちも正義の名を借りれば人を殺すことだって厭わない。
    そして軍事主義化していく日本に立ち向かう3人の女性テロリスト。これもまたごく普通の、どこにでもいるような社会に不満を持つ女性たちなのである。
    それもこれも作中に描かれた歪んだ日本が原因なのだが、あながち夢物語と言えなくもないのではないか。

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著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。1976年、「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。

「2021年 『夫は泥棒、妻は刑事21 泥棒たちの十番勝負』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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