仄暗い水の底から (角川ホラー文庫)

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レビュー : 108
  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041880029

作品紹介・あらすじ

巨大都市の欲望を呑みつくす圧倒的な「水たまり」東京湾。ゴミ、汚物、夢、憎悪…あらゆる残骸が堆積する湾岸の「埋立地」。この不安定な領域に浮かんでは消えていく不可思議な出来事。実は皆が知っているのだ…海が邪悪を胎んでしまったことを。「リング」「らせん」の著者が筆力を尽くし、恐怖と感動を呼ぶカルトホラーの傑作。

感想・レビュー・書評

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  • あの「リング」の鈴木光司の本なので、「きっとホラーなのだろう恐ろしいのだろう読むのヤーメタ」というのは非常に勿体ない、水にまつわる短編及び連作短編集。「仄暗い水の底から」というホラー映画があるものだから、余計敬遠する人がいそうなのが残念(ちなみに、同名映画はこの本に収録されている「浮遊する水」という短編を映画化したもの)。しかし自分は、あえて"ホラー"とは言わないでおきます(カテゴリはホラーにしてるけど笑)

    「浮遊する水」は母子にまとわりつく失踪した少女のぬめぬめとした気配が感じられる、湿度の高いホラー小説ですが、それ以外の短編は、時には怪談であったり、怪異であったり、不思議であったり、親子の遺志であったりと、バリエーション豊か。これをひとまとめにしてホラーと銘打つのはちょっと憚られます。

    個人的なお気に入りは、「孤島」「海に沈む森」の2作。後者なんかは、本書のプロローグとエピローグにもつながってゆくのですが、胸を打つ力強さがあります。自分自身が父親なので、余計にそう感じるのかも知れないけど。

    とにかく、鈴木光司=「リング」としか知らない方には、ぜひ読んで頂きたいタイトルです。ホラーに偏り気味ではあるし、水という題材なので湿度は高いですが、短編だけに密度も高い。これを読めば、鈴木光司にホラー作家というレッテルを貼ってしまうのは、とても勿体ないことであると感じられるはずです。

  • リングやらせんが流行っていた頃、なんで人がお金を出して怖い思いをしたがるのか全く理解できませんでしたが(笑)小説を読むとホラーでもなんでもなくて、人間そして家族を描いています。面白かった。

  • ドキュメンタリー『怪談人』で作者の鈴木光司さん自ら、タイトルにもなっている『仄暗い水の底から』の発想の原点を語っていたのをきっかけに読了。更にこのシンプルな文章を映像化できることに、驚かされる。なんでもかんでも、詰め込み過ぎればいいという訳ではなさそうですね。

     この本は東京湾を舞台とした8編の短編が、プロローグとエピローグに挟まれるという構成が採用されている。このプロローグとエピローグは、独立した1つの作品になっている。孫と散歩する老婆は東京湾に漂着したゴミともいえるものに物語を想像する。収録作『海に沈む森』では流れる水に、主人公が自らの最後のメッセージを託すのだが、孫と散歩する老婆にリンクする辺りは流石に絶妙。

    全編、物理的にも心理的にも湿度が高い作品となっている。日本のホラーの定義は、どこにあるのか私には分からないが、そんなことはどうでもいいでしょう。ただ、鈴木光司作品を文章でお楽しみください。明日から、あなたも水になにかを見るかも知れません。

  • 東京湾近郊が舞台の水にまつわるホラー作品集です。映画化されているようですが原作が
    短編だとは思ってもみなかった。短い話を膨らませたのだろう、それはもはや別物ですね。

    じわりとした怖さのある話ばかりでなかなか面白かったです。マンション給水塔のくだりは
    真梨幸子さんの「孤虫症」を思い出した。色々な物語を読み漁っていると日常生活の中で
    ふいにその内容が頭に浮かぶ事がある。誰かに話したくもなるが「給水塔の中にさぁ~」と
    小説の話をしたところで共感を得られそうにないので、ひっそりと脳内で処理しています。

  • 水をテーマにしたホラー短編集。東京湾とか、夢の島とか、関東周辺に住んでる人はリアルな情景と重ね合わせて色々思ったりする作品なんだろうか。

  • まさかの短編集で期待してた感じとは違ったけど嫌いじゃない

  • まとわりつくような水のお話し群。
    孤島、穴ぐら、解説がまた良い。

  • '99.5読了。
    怖さだけなら文字より映像の方が怖いはずだが、これは小説の方が絶対怖い。

  • 2008年3月26日読了。

    東京湾と水にまつわるホラー短編集。
    水死体どしどし浮いてくる話ばっかり(ーー;)
    だが全部が全部ホラーってわけではないらしい。

    少し違う最後の話。息子が幼い頃に死別した父と、息子とのつながりというか。他がちょっと悲壮なあまり救いようのない話なだけに、これは胸に迫るものがある。
    一見関連なさそうなプロローグ、エピローグと繋がって全体を纏めている。こういう手法も面白い。

  • 『ただ怖いだけじゃ、ホラーなんかじゃない』

    びっくりするほど良かった。

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著者プロフィール

千葉中央メディカルセンター勤務。認定理学療法士(代謝)、呼吸療法認定士、糖尿病療養指導士、住環境福祉コーディネーター2級。

「2018年 『リハビリのプロがすすめる 健康寿命を延ばす1000冊』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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