イグナシオ (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
3.24
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本棚登録 : 252
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041898055

感想・レビュー・書評

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  • 洗礼名・イグナシオという混血の青年が感情と理性の狭間で揺れ動き、殺人を重ね、神・生・祈への狂おしいまでの欲求を追い求めるお話。

    宗教的なものに興味をそそられる場面はありましたが、現実味に欠けすぎている面も。
    それとも現実とは意外に非現実的なものなのか。
    ただ、イグナシオのむき出しの欲望は誰もが理解できるはず。

  • 暴力は嫌いだけど、暴力的なものは嫌いじゃない。セックスと暴力って結局人間の根本なのか、と思わされる。「疾走」同様、彼の不幸(と一言ではいえないが)はどこからやってきたのだろう、と考えてしまう。

  • どぎつい内容だが、スピード感とリアルさがある。

  • 破戒的、暴力的だけど、宗教的。ペシミスティックでもあり、紫色の小説だった。イグナシオが様々な人と出会い、愛や温もりを知るたびに、その自我は密かに、しかし確実に崩壊へ進んでいく。差別を定義するのはすごく難しいけど、あいつに言われるのはいいが、こいつに言われると腹が立つ、と超主観的に説明していたイグナシオの理論には共感できる。多分、差別なんてそんなもんだ。深く、エグい。

  • まぁいつもの花村節。
    療養中に読むものではなかったかなー。

  • 「ゲルマニウムの夜」の元本だそうです。
    美形で賢くて性格が曲がってて・・・って、
    ラノベかマンガみたいなキャラクタ設定だなあ。

    ・・・・
    でもどんなに茶化しても、やっぱり信仰心って美しい。

  • 世間から隔てられた修道院で育てられた賢く美しいイグナシオが輝き、果ててゆく物語。

    性的な描写がものすごく多いエロ小説っぽいのに、なぜか読んだ後に目をつぶって余韻を味わいたくなるような、祈りをささげたくなるような不思議な物語。
    イグナシオは天使だったんだと思う。
    きっと、今の時代に天使は不適合なんだろう。

  • 3.5

  • 偉く暴力的な小説ですが、反面とてももろく純粋な話でした。

  • 原題は「聖殺人者イグナシオ」。芥川賞受賞作「ゲルマニウムの夜」の原型ともいわれる作品。
    教護院で育った主人公のイグナシオは、抜きん出た美貌と知能を持ちながら、生きるべき場所を探しあぐね、暴力や殺人によってのみ精神の解放を味う。
    冒頭から親友をバットで殴り殺すという衝撃的なシーンが展開される。暴力と性行為にまみれたかなりグロいストーリーながら、なぜかその彷徨に純粋なものを垣間見てしまう。一見強かでありながら何かにすがるように生きるイグナシオに対して、精神的に揺るぎがなく、自立した女たちの存在もまた物語の中枢をなしている。

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著者プロフィール

1955年東京生まれ。89年、『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。その後、特異な感性で話題作を次々と発表。98年、『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、『ゲルマニウムの夜』で第119回芥川賞、2017年、『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞を受賞。著書に『笑う山崎』『ブルース』『ワルツ』『弾正星』『ロック・オブ・モーゼス』等多数。

「2018年 『ニードルス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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