- 角川書店 (1999年2月23日発売)
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感想 : 38件
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784041898055
みんなの感想まとめ
衝動的な殺人と彷徨を描いた物語は、並外れた美貌と知力を持つ混血少年イグナシオを中心に展開します。彼の周囲には、修道女や高級娼婦など、複雑な背景を持つ3人の女性が存在し、彼らとの関係が生々しく描かれてい...
感想・レビュー・書評
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私は花村作品では『ブルース』『眠り猫』『二進法の犬』『ゴッド・ブレイス物語』が好きだが、その4作に匹敵するノンストップ・エンタテインメント。
花村の芥川賞受賞作『ゲルマニウムの夜』はこの『イグナシオ』を焼き直したものと言われていて、花村自身もそのことを認めている。
『ゲルマニウムの夜』は私も発表当時読んだけれど、「焼き直し」とは感じなかった。最初の舞台(修道院とは名ばかりの、非行少年の教護施設)が共通で、よく似た場面も登場するけれど、作品としてはまったく別物だと思う。
この程度の類似で「焼き直し」と批判されてはかなわんだろう、という気がする。2作とも、花村自身の実体験(児童福祉施設での生活)に根差しているのだし。
並外れた美貌と知力を兼ね備えた悪魔のごとき混血少年・イグナシオが衝動的にくり返す殺人と、あてどない彷徨(逃亡とはちょっと違う)を描いている。ストーリーはかなり強引で粗削りだが、イグナシオが愛する3人の女性の描き方がたいへん生々しく、鮮烈で素晴らしい。
3人のうち1人は修道女で、もう1人は日韓混血の高級娼婦……という、一歩間違えば安手のポルノになりかねない人物設定。それでも3人とも、血が通った女性としてのリアリティを具えている(男にとって都合のいい描き方ではあるが)。花村は、艶めかしく女を描くのがうまいなあ。
そういえば、この作品は1996年に映画化されている。私は未見だが、イグナシオ役がいしだ壱成だというだけで、観なくても失敗作とわかる(笑)。
いしだ壱成では白人との混血には見えないし、凄みのある美貌というわけでもないし、並外れた知力をもつようにも見えない。絵に描いたようなミスキャスト。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
暴力は嫌いだけど、暴力的なものは嫌いじゃない。セックスと暴力って結局人間の根本なのか、と思わされる。「疾走」同様、彼の不幸(と一言ではいえないが)はどこからやってきたのだろう、と考えてしまう。
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スピードに飲み込まれていく小説だ。
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内容(「BOOK」データベースより)
神父や修導士の厳しい監督のもと、社会から完全に隔離した集団生活―修道院とは名ばかりの教護施設で、混血児イグナシオは友人を事故に見せかけ殺害した。修道女・文子は偶然現場を目撃するが、沈黙することをイグナシオと約束する。“人を裁けるのは、神だけです。”静謐に言い放つ文子にイグナシオは強く女性を意識し、施設を脱走する最後の晩、初めて文子と結ばれる。そして、己の居場所を探して彷徨い新宿歌舞伎町に辿り着いたイグナシオは、新たな生活を始めるが…。 -
どぎつい内容だが、スピード感とリアルさがある。
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破戒的、暴力的だけど、宗教的。ペシミスティックでもあり、紫色の小説だった。イグナシオが様々な人と出会い、愛や温もりを知るたびに、その自我は密かに、しかし確実に崩壊へ進んでいく。差別を定義するのはすごく難しいけど、あいつに言われるのはいいが、こいつに言われると腹が立つ、と超主観的に説明していたイグナシオの理論には共感できる。多分、差別なんてそんなもんだ。深く、エグい。
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まぁいつもの花村節。
療養中に読むものではなかったかなー。 -
「ゲルマニウムの夜」の元本だそうです。
美形で賢くて性格が曲がってて・・・って、
ラノベかマンガみたいなキャラクタ設定だなあ。
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でもどんなに茶化しても、やっぱり信仰心って美しい。 -
世間から隔てられた修道院で育てられた賢く美しいイグナシオが輝き、果ててゆく物語。
性的な描写がものすごく多いエロ小説っぽいのに、なぜか読んだ後に目をつぶって余韻を味わいたくなるような、祈りをささげたくなるような不思議な物語。
イグナシオは天使だったんだと思う。
きっと、今の時代に天使は不適合なんだろう。 -
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3.5
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偉く暴力的な小説ですが、反面とてももろく純粋な話でした。
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原題は「聖殺人者イグナシオ」。芥川賞受賞作「ゲルマニウムの夜」の原型ともいわれる作品。
教護院で育った主人公のイグナシオは、抜きん出た美貌と知能を持ちながら、生きるべき場所を探しあぐね、暴力や殺人によってのみ精神の解放を味う。
冒頭から親友をバットで殴り殺すという衝撃的なシーンが展開される。暴力と性行為にまみれたかなりグロいストーリーながら、なぜかその彷徨に純粋なものを垣間見てしまう。一見強かでありながら何かにすがるように生きるイグナシオに対して、精神的に揺るぎがなく、自立した女たちの存在もまた物語の中枢をなしている。 -
101120(s)
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わかりやすい展開だし、
文章もいたって読みやすいんだけど、
どこか入り込めず。
なぜだ。
感想を一言で言うなら、
神様なんて、いない。
それに尽きます。
☆☆★ ホシ2.5つ -
リアルな情景が浮かんでくる。セックスやグロテスクな描写をふんだんに使用してる反面、一種の爽やかさも持っていると思う。
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確か花村萬月自身もカソリック系の施設に居たとかで、修道院の描写がかなりリアル。神様と暴力がてんこもりで、いつものごとく生々しい世界が繰り広げられる。救いのなさも含め、読んだときの衝撃は忘れられません、、
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最後のオチがあってくれて、自分には救いになった。
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『王国記』シリーズを読む前にこっちを読むべきだったかな、と少し後悔。向こうのシリーズはまだ文庫の2巻までしか読んでいませんが。
ここでこういう選択をしたら、こっちに行くのかな。読んでない人には訳が分からないだろうけれど。
まあ、言ったとおりに『王国記』を読み終わっていないから、逆の選択をした結果もまだ良く分からないが。 -
花村萬月さんの特徴『暴力とセックス』が出ているハードボイルド作品。理性より本能が勝る。
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著者プロフィール
花村萬月の作品
