ワルツ(上) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.97
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本棚登録 : 108
感想 : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041898116

作品紹介・あらすじ

終戦直後の新宿。街の殆どが瓦礫と化し、明日の行方も見えぬ混乱の中、三人の男女は出逢う。僅かな金と煙草で組事務所の襲撃を請け負った特攻崩れの城山龍治。朝鮮人であることを隠しながら頭脳と美貌でのしあがろうとする林敬元。疎開先で強姦されそうになり東京へ流れてきた天涯孤独の生娘・岡崎百合子。苛酷な運命に抗いながら見えない糸で絡まり合っていく三人の壮絶な人生を描破した、昭和スペクタクル小説、ここに開幕。

感想・レビュー・書評

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  • 知人と同時に読み始め、大興奮の小説だった。
    主要人物三人の熱い魂に胸揺さぶられた。
    作者の戦争への洞察が鋭い。

  • 憎しみいっぱいに人を愛すとはどういうことか。花村先生の本を読むたび思う。愛されたいと思わない恋愛はフィクションでしかない。リアルな恋愛はえげつない。憎しみと向き合えるのか。

  • 話自体は退屈せずに面白く読めた。文章も読みやすい。
    ゲルマニウムの夜で感じたような一種のカタルシスを覚えることはなく、ただのエンタメ小説と言ってしまってもよい。

    結局のところ、この小説で分かったのは
    ・情婦を米兵に殺害された報復名目で殺人行為に快楽を覚え
    ・隙がなくて殺害できないと称して米兵の輪姦を指を加えて何回も見る性癖を持ち
    ・居候していていた愛人をヒロポン中毒にして殺害し
    ・親分婦人を通夜の場で親分の死体の横で犯し
    ・風来坊を気取って裏切り、不意打ちで殺人する
    イケメン無罪の任侠の欠片も持ち合わせない在日朝鮮人が戦後のヤクザ親分だ、
    ということか。

  • 終戦直後の新宿での話。
    任侠モノと言えば確かにそうなのだけれども、わずか70年前の東京をこの目で見ているかの様な描写に、ついつい任侠モノだと言うことを忘れてのめり込んで読んでしまいました。

    ちなみに私、映像での暴力シーンが本当に苦手で
    血なんか出ちゃったもんなら即座にテレビを消す。
    他人の血を見ることも苦手なら、自分の血ですら
    うわぁ…となるくらい血を見るのが苦手です。

    でも何故か文字なら平気なんです。
    多分、頭の中で血が出てくるシーンにモザイクをかけているんでしょうね。

    この小説は割と暴力的。でもって性描写も中々凄いものがあります。
    苦手な人は苦手だろうなぁと思うジャンルですが、私は500ページ以上ある本をまさに一気読みで読んでしまいました。

    軸になる三人がそれぞれ出会い、中巻でどうなるのかが楽しみ。

  • 一時期、自分の中でヤクザにものすごく興味があったので読んでみた!なんとも…。続きを飲んだらハマるのかもしれないけど、文章がくどく感じる。

  • 204.8.10ー57
    花村満月炸裂のエログロさや、戦後の混乱期の悲惨さの中にも、これは大人の為の任侠世界を舞台とした童話ではないかと思わせるものがある。

  • これからもよろしくお願いします。

  • 終戦直後が舞台の極道小説。

    花村萬月さんは昔から好きな作家で、
    「ゴッドブレイス物語」「皆月」「ゲルマニウムの夜」あたりを読んでました。
    まー、とにかく暴力と性を描かせたら一級品なんですが、
    最近ちょっと丸くなったのかな?

    「ゲルマニウムの夜」の頃はなんというかこう、
    鋭利なものを突きつけられるような緊張感があったのですが
    本作ではちょっと角が取れて、暖かさみたいなものが混ざり、
    若干のメロドラマ的描写も許容されてます。

    とはいえ読ませる力はすごい。


    戦時中は鬼畜米英などと言っていた日本政府が
    戦後はアメリカに媚び、
    自ら特殊慰安施設協会なる売春施設まで作って
    ろくに仕事の内容も知らせないまま集めた1000人以上の婦女子に
    米兵の相手をさせたとか。(数ヶ月後には自殺者が出た)
    時代に絡んだ結構大事な話も出てきます。

    上巻は今のところ儚げな任侠ばなし。
    これから怖気をふるうような超展開があるのかどうか。
    果たして。

  • 戦後すぐの東京が舞台。上中下巻の上を読了。

  • 女も感じる任侠物

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著者プロフィール

1955年東京都生まれ。1989年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。1998年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、同年「王国記」シリーズの序にあたる「ゲルマニウムの夜」で第119回芥川龍之介賞、2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『ブルース』『笑う山崎』『二進法の犬』「百万遍」シリーズ、「私の庭」シリーズ、『浄夜』『ワルツ』『裂』『弾正星』『信長私記』『太閤私記』『花折』などがある。

「2020年 『帝国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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