ワルツ(中) (角川文庫)

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  • KADOKAWA (2011年9月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (560ページ) / ISBN・EAN: 9784041898123

作品紹介・あらすじ

占領下の新宿。一人で愚連隊組織を壊滅させた城山は伝説の存在となる。一方、己の暴力衝動を抑えられぬ林は米兵狩りを始める。二人は館岡組の庇護下にある百合子に強く惹かれていき……。運命の歯車は更に加速する。

みんなの感想まとめ

愛と欲、義と情が交錯する極道の物語は、前半の緩やかな時間から中盤以降に一気に加速し、エグい展開へと突入します。登場人物たちの複雑な感情が絡み合い、特に城山と林の運命が交差する様子は緊迫感を生み出します...

感想・レビュー・書評

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  • 「なんで俺の紋が、丸に三柏だってことを知ってるんだ」

    尾津組親分、尾津喜之助が定めたマーケットにおける販売価格の取り決めは〈仕入れ価格×一・二=小売価格〉というものであった。

    「要は、日本の家族制度はヤクザの親分子分にみられるように、世界にとってもっとも危険な存在なんだとさ。親分に対する絶対的な服従、すなわち父親に対する絶対的な服従だな。その究極に天皇制があるというんだ」

    林さんは謎多き修羅である──。そんなことを思うと、雨に濡れて冷えた軀の奥が熱くなってきた。

    「今日、九月二十六日仏滅の日に、ようやく姐さんの仇を討つことができました。親分、腑甲斐ない我々をお許しください。申し訳ありませんでした」

     紘子といいましたか。城山組姐です。とっさに城山の前に立ちはだかり、銃弾をその身に受けたそうです。身を挺して弾よけとなったわけですね。

    「はい。踊り子です。単純に賽と略す場合も多いのですが、栗山の兄貴は昔気質の博徒ですから踊り子と仰ったのでしょう」

    「いま、広間で準備しているのは通し盆茣蓙と呼ばれるものでございます。盆茣蓙中央北側に中盆と壺振りが並んで座ります。その向かいに姐さんが、つまり親分が座ります。中盆壺振りの左右に半座と呼ばれる半方の座る席があり、親分側の左右に丁方の座る丁座がございます」

    丁半賭博は古来より九半十二丁と称されてきた。賭場に出入りして最初に教えられるのが、賽子の四角六面は天地東西南北をあらわすということと、九半十二丁である。

    つまりふたつの賽がだす目は全部で二十一あって、そのうち丁が十二あり、半が九つあるというのだ。

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    占領下の新宿。城山は彼を慕う血気はやる若者に担がれ、城山組をたちあげる。新宿へと流れ着いた百合子は博徒・館岡組に身を寄せ、組長と結ばれる。一方、己の暴力衝動が抑えられなくなった林は米兵狩りを始め、彼らに襲われた百合子を助けたことが縁で、館岡組の食客となる。城山と林は百合子の凜とした美しさに惹かれていく――。極上の三角関係が奏でる闘争と恋情の瞬間。魂揺さぶるエンタメ巨編、いよいよ佳境へ!

  • 前半はなんだか弛緩したような時間が続いたけど、
    中盤から一気に来ましたエグい展開。
    愛と欲と義と情の極道絵巻。

    激しい暴力と性の描写によって
    むしろ純粋なものを描き出そうとする
    花村萬月さんの真骨頂。

    いいぞ。

  • 中巻にして読むのが少し苦痛になってきた。苛烈な暴力シーンの迫力はすごいし、任侠道に感じる部分もあるが、もう少しコンパクトに書けると思う。この世界観は著者でないと出せないと感じ入る部分と、理解できない部分が混ざった複雑な感想。心の葛藤や行動と裏腹な心の動きなど読まなければわからない部分が多くあり、映像化するとその辺のやくざ映画になってしまうので映像化は難しいとも思えた。

  • 悲惨な終わりにするんだろうな

  • 複雑に絡みあう情。
    どうもつれていくのやら
    早く下巻を読みたいものです。

  • 有言実行のかっこよさよ。顔の良さってつまんないと思う。肉体的にデリケートで緻密なかんじがするセクシャリティを感じさせる、ようは欲情する男性女性とは精神もまたそうなんでしょ。理解しなくても色気とは肌で感じるものである。

  • 話自体は退屈せずに面白く読めた。文章も読みやすい。
    ゲルマニウムの夜で感じたような一種のカタルシスを覚えることはなく、ただのエンタメ小説と言ってしまってもよい。

    結局のところ、この小説で分かったのは
    ・情婦を米兵に殺害された報復名目で殺人行為に快楽を覚え
    ・隙がなくて殺害できないと称して米兵の輪姦を指を加えて何回も見る性癖を持ち
    ・居候していていた愛人をヒロポン中毒にして殺害し
    ・親分婦人を通夜の場で親分の死体の横で犯し
    ・風来坊を気取って裏切り、不意打ちで殺人する
    イケメン無罪の任侠の欠片も持ち合わせない在日朝鮮人が戦後のヤクザ親分だ、
    ということか。

  • 中盤になり激しさが増してきました。
    暴力的ではあるけど、何だか透明さが増す。
    しかし映像では絶対に見たくないな。
    指のシーンとか誇張じゃなく気絶しそう。

  • 2014.8.15ー58

  • どんどん激しくなってきた。最終巻でどうなるのだろう。中巻読了。

  • 終戦直後の東京、ヤクザの世界を描きながらも、壮大な人間模様を現した現実味のある作品。花村萬月の世界を又も感じさせ、引きずりこまれてしまった。

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著者プロフィール

1955年東京都生まれ。89年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞してデビュー。98年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、「ゲルマニウムの夜」で第119回芥川賞、2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『ブルース』『笑う山崎』『二進法の犬』「武蔵」シリーズ、『浄夜』『ワルツ』『裂』『弾正星』『信長私記』『太閤私記』『対になる人』など。

「2021年 『夜半獣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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