本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041906064
感想・レビュー・書評
-
幕末維新の激動期に薩長を敵に回して堂々たる戦闘をなし、一旦は賊軍の汚名を着たにもかかわらず、明治になってからは、西南戦争から日清、日露の戦役で抜群の活躍をし、ついには賊軍出身者としては破格の扱いで陸軍大将にまで上り詰めた立志伝中の人物、立見尚文を描いた作品です。
旧桑名藩士ですから、今年の大河ドラマ「八重の桜」の会津とは藩主が兄弟同士なんですね。それに、私の地元の名古屋とも、ほんの隣の地続きなんですが、迂闊にも司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読むまで知らなかったのです。
司馬さんの本では、日露戦役中絶体絶命のピンチであった「黒溝台の戦い」において、自身の子飼いの弘前師団を率い、敵より遥かに少ない人数にもかかわらず、大胆な夜襲を敢行して、ついにロシア軍を撃退せしめた功労者として描かれています。あの部分はとても印象深いシーンだったので、立見尚文の名は私の記憶の片隅に残っておりました。
今回の本では、日露戦役は付け足しで、幕末維新史における賊軍として働きに多くのページを費やしています。若かりし立見の人となりを鮮やかに描き出していて、見事な本だと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
山中昌之氏紹介
全3件中 1 - 3件を表示